[固定ページ] 2020年4月19日(日)
*平和学習から生まれたウガンダ支援・交流
NGOセンパラ代表とNPO愛沢伸雄代表
千葉県南部の安房地域では28年にわたり、高校生と市民がアフリカ・ウガンダへの支援と交流を続けています。
1994(平成6)年、旧千葉県立安房南高校では地域教材を活かした愛沢伸雄教諭の平和学習を契機に、戦禍によって孤児とエイズの蔓延するウガンダへ支援することを生徒会として決定しました。文化祭でウガンダ支援バザーや募金活動を行い、NGOウガンダ意識向上協会(CUFI)のスチュアート・センパラ氏を通じて支援を始めました。同校家政科の廃科に伴い使わなくなったミシンを送ったことを機に、2000(平成12)年には職業訓練施設が設立されました。地道な支援活動が実を結び、両校の友情の証として「安房南(AWA-MINAMI)洋裁学校」と命名されされ、建物正面には安房南高校の校章が掲げられています。
地域の若者から撒かれた平和の種は、NPO法人安房文化遺産フォーラム(愛沢伸雄代表)が交流の窓口となり、統廃合を経て安房高校JRC(青少年赤十字)部が継承し、現在は私立安房西高校JRC部にバトンが手渡されています。また、婦人保護長期入所施設「かにた婦人の村」や安房・平和のための美術展、館山病院健康友の会など、多様な市民ネットワークの応援を得ながら、信頼と友情を育んでいます。
2023年より、新たにNPO法人GlobalBridgeNetwork との協働により、「少女の教育環境改善事業」の一環として、生理用の布ナプキン制作プロジェクトが始まります。
今後も安房地域の平和活動に、安房南高校・安房高校・安房西高校の卒業生をはじめ、多くの賛同者のご協力をお願いいたします。
⇒ 詳しくは【支援・交流のあゆみ】へ。
⇒ 記念誌『安房の高校生によるウガンダ支援・交流23年のあゆみ』はオンラインショップ。
髙野教諭(安房西高)ウガンダ視察
6日まで 館山病院で報告展示
館山市の安房西高校JRC部顧問の髙野清孝教諭(54)が8月、アフリカ・ウガンダを訪問したことを受け、企画展「戦争で傷ついたウガンダの人びとの笑顔と暮らし展」が、同市の館山病院ギャラリーで開かれている。内戦でたたかわされてきた元子ども兵の社会復帰施設などを視察した様子を報告している。6日まで。
1980年代から20年 以上続いたウガンダ内戦では、兵士の8割が子ども兵で、孤児も増えたとされる。
旧安房南高から始まった 安房地域のウガンダ支援活動は、安房高JRC部を経て、現在は安房西高JRC部に引き継がれ、活動歴は計25年。企画展は、高校生と共同でウガンダ支援に取り組むNPO法人安房文化遺産フォーラムが主催している。
髙野教諭は8月に9日間、元子ども兵の社会復帰支援 活動をおこなっている現地のNPOのスタディーツアーに参加。心に傷を負いながら、自立に向けて洋裁や大工などの職業訓練を受ける、現在は30~40代の元子ども兵たちと交流した。また、支援活動が縁で現地に設立された職業訓練校「安房南洋裁学校」も視察した。
元子ども兵の話を直接聞いた髙野教諭は「先の見えない苦しい現状の中でも、夢を持ち熱く語る姿が印象的だった。夢を持つことの大切さを生徒たちに伝えていきたい」と話していた。企画展では、視察の内容やこれまでの支援について写真などで紹介している。
また、ウガンダのコーヒーを飲むことにより支援の輪を広げるキャンペーン「ウガンダコーヒー月間」も10月の 1か月間開催する。安房地域の25店舗が協賛。今年は安房 地域の台風被害が甚大だったことから、売り上げの一部が安房の復興支援とウガンダの支援に充てられるという。
(房日新聞_2019年10月3日付)
日時=2019年9月3日(火)~10月6日(日)
会場=館山病院ギャラリー
主催=NPO法人安房文化遺産フォーラム
問合=090-3218-3479(河辺)
旧安房南高校の平和学習から始まったウガンダ支援交流活動は、安房高校JRC部を経て、現在は安房西高校JRC部が引き継いでいます。 25周年を迎えた今夏、安房西高校JRC部顧問の高野清孝先生がウガンダを訪問し、ウガンダ意識向上協会のスチュアート・センパラ代表と会い、「アワミナミ洋裁学校」を視察しました。 また、元子ども兵の支援をおこなう認定NPO法人テラ・ルネッサンス主催のスタディーツアーに参加し、今なお心に傷を負いながら、自立に向けて就労技術を磨く元子ども兵たちとも交流しました。
今回の企画展は、高野先生の視察報告を兼ねて、ウガンダの人びとの笑顔や暮らしを写真や絵画で紹介します。最終日には館山病院感謝祭でウガンダ支援バザーをおこないます。 また、10月は安房地域の協賛店舗とともに「ウガンダコーヒー月間」キャンペーンを展開します。
安房の高校生と市民がウガンダの子どもたちへの支援と交流を続けて25年。
今夏、協働する安房西高校JRC部顧問の高野清孝先生が、元子ども兵の社会復帰を支援する
NPO法人テラ・ルネッサンスのスタディーツアーでウガンダを訪問しました。
北部グルにある元子ども兵の社会復帰支援施設を訪問、職業訓練を受ける元子ども兵の方たちから温かい歓迎を受けました。
滞在中、在ウガンダ日本国大使の亀田和明氏にもお会いでき、「安房の高校生によるウガンダ支援・交流23年のあゆみ」を贈呈させていただきました。
そして25年におよぶ友情を育んできたウガンダ意識向上協会(CUFI)代表のスチュアート・センパラ代表には、支援金を贈呈。「記念すべき25年の友情の節目に高野先生にお会いできてうれしい」と挨拶。300名を超える子どもたちの教育や生活の支援に役立てられます。
一昨年、クラウドファンディングで購入した活動車両は子どもたちの学校への送迎や支援先への移動手段として大活躍しています。
*2019年8月10日~20日 ウガンダ訪問
*NPO法人安房文化遺産フォーラム 鈴木正博・愛沢香苗・河辺智美
⇒ 180914,15房日(ウガンダ訪問記)
ウガンダ訪問記【上】 房日新聞 2018年9月14日付
ウガンダは、「アフリカの真珠」といわれるほど美しく自然豊かな国ですが、今なお多くの子どもたちが貧しい状況にあります。旧安房南高校から始まったウガンダ支援活動は、安房高校JRC部を経て、現在は安房西高校JRC部に引き継がれ、24年目を迎えました。
NPO法人安房文化遺産フォーラムとNGOウガンダ意識向上協会(CUFI)が交流の窓口となり、かにた婦人の村や安房・平和の美術展、館山病院健康友の会など多様な市民ネットワークの応援を得ながら、信頼と友情を育んできました。
昨年は、活動の足となる車両が故障したため、クラウドファンディングや新聞などを通じて募金を呼びかけ、約130万円の緊急支援を贈ることができました。多くの方たちの温かい励ましに後押しされ、私たちNPOの3名
(鈴木正博・愛沢香苗・河辺智美)は、8月10日から20日までウガンダを訪問してきました。昨年多くの皆さんの支援金により購入したトヨタハイエースの中古車で、ウガンダ国内を約1500キロ走行し、CUFIの活動状況などを視察しました。
CUFIの組織と活動
「遠い日本からウガンダの子どもたちのことを思い続け、私たちの活動に理解と協力を示してくださり、ありがとうございます。各プロジェクトがうまく進展するよう、メンバーとともにベストを尽くしています」
CUFI代表のスチュアート・センパラさんは、そう述べて、私たちを歓迎してくださいました。
CUFIではスタッフ7名が、人びとが希望をもって心豊かに生きられるように、子供たちに教育を与え、コミュニティをサポートしています。その活動分野は、大きく分けて4つあります。「安房南洋裁学校」での裁縫指導、「キタリア小学校」での教育・給食支援、「カウム・トレーニングセンター」での農業指導、「メデ村」での教育・コミュニティ自立支援などに取り組んでいます。安房から送る支援金は、年度ごとに優先順位を決め活動に有効活用されています。
安房南洋裁学校の職業訓練
安房からの継続的な支援により、若者の自立を目ざして、安房南と命名された洋裁学校が2001年に設立されています。旧安房南高校で使用されていたミシンをはじめ、教室には机や椅子、トイレなどの環境は整っていますが、現在の生徒数は6名で、電力の不安定など課題が多い状況です。
今後は、ビーズを使ったアクセサリーやポシェット、麻袋を利用したカバンなどを作り、日本の安房の皆さんにも喜んでもらえるように、完成度を高めていきたいとのことです。
キタリア小学校は歓迎の歌とダンス
首都カンパラの近郊にあるキタリア小学校では、ヤギや鶏の飼育、野菜の栽培などをCUFIが指導しています。自給自足で給食が毎日提供されるようになり、子どもたちは調理に必要な薪をもって毎朝登校しています。こうした取り組みは、学校に通う動機づけにもなり、集中力や学力向上につながっているといいます。
ここでは、子どもたちが歌とダンスで大歓迎してくれました。6年生は、「私たちはあなたたちのことを忘れない」というテーマの歌で、とても感動しました。
メデ村のコミュニティづくり
北部のグル県は、約10年前まで武力紛争により大きな被害を受けていました。なかでもメデ村は、舗装されていない赤土のデコボコ道をひたすら北上したところにあり、茅葺屋根で赤い土壁の丸い家が点在しています。
今でも孤児や出稼ぎで親が不在の家庭が多く、村びとたちがみんなで子どもたちの世話をしています。CUFIでは、定期的に必要な生活物資を届けるとともに、村と学校間の送迎や授業料の支援を続けています。
将来に向け、自生するシアの樹から採取するシアバターの製品化や、色合い豊かな手作りバスケットのクラフト製品などで、経済的な自立を目ざしているとのことです。コミュニティづくりの原点を学ばせていただきました。
ウガンダ訪問記【下】 房日新聞 2018年9月15日付
コーヒーベルトと呼ばれる赤道直下に位置し、標高が高く昼夜の温度差が大きいウガンダでは、良質なコーヒー豆を栽培することができ、アフリカ第二位の生産量を誇っています。
館山で珈琲焙煎工房カフェポラリスを営なむ鈴木正博さんから、ウガンダ産コーヒー豆をフェアトレードで取り扱い、継続的な支援につなげられないだろうかと提案があり、今回のウガンダ訪問が実現しました。
フェアトレードとは、中間搾取をなくし、開発途上国の生産者から公平な価格で商品を購買し、経済的自立を支援する国際協力の方法です。新しい支援のかたちとして広がる可能性が期待できます。そこで私たちは、CUFIの活動とともにコーヒー農園を視察してきました。
持続可能な農業実践
スチュアート・センパラさんは、1994年に日本の栃木県にあるアジア学院に留学し、有機農業の技術を学びました。カウム・トレーニングセンターでは、日本の学びを活かして、環境に負荷をかけない農業を周辺地域の人びとにも指導しています。それは次々世代までも農地を残していくことにもつながります。 ここではマトケやパパイヤ、キャッサバなど様々な農産物が混在して生産されていました。
畑の一部では、ロブスタ種のコーヒーを栽培していました。ウガンダ産コーヒーは、アラビカ種とロブスタ種の2種類があります。ロブスタ種は成長も早く病害に強いのですが、安価でインスタントコーヒーなどに用いられています。一方、アラビカ種は病害に弱く栽培が難しいけれど、風味豊かな高品質なレギュラーコーヒーの原料として人気があります。CUFIでも将来は、アラビカ種の栽培を試みたいと考えています。
コーヒー農園の視察
今回、ウガンダ産コーヒーのフェアトレードを先行している日本企業の紹介で、東部ムバレ県の農園を視察しました。ここでは希少なアラビカ種を扱い、農薬に頼らない自然栽培にこだわり、有機栽培やフェアトレードの国際認証を受けていました。
小規模農家が集まって1つのグループを作り、生産された豆を集めて、海外に輸出しています。自分たちの生活を豊かにしていこうというビジョンを持ち、常にコーヒーの品質維持に努めています。
ウガンダコーヒー月間キャンペーン
ウガンダコーヒーは風味豊かで、自然にも体にもやさしいといわれています。その魅力を広く知っていただきたいと思い、10月を「ウガンダコーヒー月間」と位置づけて、各店舗でウガンダコーヒーの提供やコーヒー豆の販売をおこなうキャンペーンを展開することとしました。10月1日は「国際コーヒーの日」であり、9日は「ウガンダ独立記念日」にあたります。これを記念し、視察した農園のアラビカ種を仕入れて、美味しいウガンダコーヒーを味わっていただきます。
安房地域内の喫茶店などに協力を呼びかけたところ、約20店舗の皆さんが快く賛同してくださいました。地球の裏側の生産者と私たち愛飲者がつながることを通じて、市民交流が深まり、貧しい子どもたちが笑顔で学校に通い続けられるよう、ささやかな力添えになれば幸いです。
これに先立ち、館山病院ギャラリーでは、9月16日から10月7日まで、ウガンダの美しい大自然と活動成果を紹介した写真展を開催します。最終日は、館山病院感謝祭でウガンダ支援バザーをおこない、コーヒー豆も販売します。ぜひご来場ください。
コミュニティトレードを目ざして
約10日間の視察では、まだ眠っている資源、これからもっと伸びようとしている芽があちこちで見られました。支援活動とは、裕福な側から貧困な側へ一方的に手を差し伸べるものではありません。むしろ、心豊かに暮らす彼らから学び得るものがたくさんあります。それは、地域に根ざした活動であり、家族のように支えあうコミュニティの姿でした。
近年では、フェアトレードからさらに幅広い「コミュニティトレード」が注目されています。コミュニティトレードとは、環境破壊、地域の過疎化・高齢化、後継者難、伝統的な文化や技術喪失といった多様な地域課題を解決するために、地域の人たちと一緒に事業化していく経済活動のことです。
今後、安房地域とウガンダの両地域の活性化に役立つ商品とその流通、知恵や意見の交流・交換を通じて、コミュニティづくりにつながる国際交流を展開していきたいと願っています。
(NPO法人安房文化遺産フォ
NPO法人安房文化遺産フォーラムメンバー(河辺智美さん、愛沢香苗さん、鈴木正博さん)が、8/10~20に、ウガンダに行ってきました。
今回の視察目的は、安房の高校生と市民活動で24年間続いている孤児やコミュニティへの支援・交流の成果視察と、ウガンダコーヒーのフェアトレードの可能性を模索するこでした。
◎支援金をお届けしました
支援バザーの売上げや募金を支援金として、ウガンダ意識向上協会(CUFI)代表のスチュアート・センパラさんに託しました。
センパラさんよりメッセージ
「遠い日本からウガンダの子どもたちのことを思い、そして私たちの活動に理解と協力を示してくださり、ありがとうございます。24年もの日本の方たちとの友情と、直接交流できることはとても嬉しく思います。各プロジェクトがうまく進展するよう、メンバーとともにベストを尽くします。安房地域のみなさん、ありがとうございます」
◎視察
昨年、皆さんのご支援で購入した車(トヨタ ハイエース)は、孤児たちの送迎はもちろん、生活物資の運搬にとても役立っていました。今回、支援先を新しい車で訪問しました。
CUFIの活動地は、4か所です。「安房南洋裁学校」「キタリア小学校」「カウム農場」「メデ村」にて、子どもたちの教育・生活支援、農業指導、コミュニティの自立支援など、活動は多岐にわたります。
キタリア小学校では、子どもたちが勉強する教室の床が穴ぼこが多いことなどの問題がありました。こうした改善したい点を先生方や地域の方とよく話し合いながら、学校を運営しているようです。こうした話し合いにより、数年前には学校近くに井戸が建設され、水へのアクセスについては、小学校の子どもたちだけでなく、キタリア村の人々にとっても効果があったそうです。
また、カウム農場でも地域の人々に農業指導をしたりなど、周辺地域の人々とのつながりが持たれています。換金作物を植えたりと、収入向上に向けた取り組みがされています。
そして、安房南洋裁学校やメデ村で作られた小物やバスケットなどもまた、人々の自立の一歩につながるように、フェアトレードの可能性を模索していければと考えているところです。
【コーヒー農園視察】
首都カンパラから東へ向かい、ムバレという街のコーヒー農園を視察しました。
高地のこの地域では、「アラビカ種」のコーヒー豆が自然栽培されています。
組合は、有機栽培やフェアトレードの認証を受け、米国やヨーロッパ、そして日本にもアラビカ種のコーヒー豆を輸出しています。小農家が多いようですが、地域まとまって自分たちの生活を良くしていこうというビジョンを持って、自然栽培のコーヒー豆の栽培に取り組まれていました。
詳細は、追って『ウガンダ訪問記』としてお知らせいたします。
アフリカ第2のコーヒー産出国でありながら内線で疲弊、今なお貧困で苦しむ子どもがいるウガンダ。千葉県安房地域では1994年から支援が続けられ、洋裁学校が現地に建設されています。現地での活動車両の故障から、クラウドファンディングで中古車を寄付するなどの高校生と市民による支援が続いています。
支援の核となるNPO法人安房文化遺産フォーラムのメンバー3名が2018年夏に現地を視察。同年10月から「ウガンダコーヒーを飲みましょう」キャンペーンを展開するこことになりました。
このキャンペーンは、ウガンダ産コーヒーをフェアトレードで国内に流通させ、チャリティーで支援しようというものです。10月1日が「国際コーヒーの日」、9日が「ウガンダ独立記念日」であることから、10月をウガンダコーヒー月間とし て、安房地域内の賛同していただいたお店で、ウガンダコーヒーの提供・販売を行います。通年ウガンダコーヒーを提供・販売しているお店もあります。