4章=戦場のウミホタル

(ナレーション)

「全国から供出された乾燥ウミホタルは、

陸軍第八研究所で、軍事利用のための研究がなされました。

全国で一番よくウミホタルが採れ、供出が盛んだったのは、

当時軍港だった東京湾入口の千葉県館山の海からでした。」



♪集められたウミホタルは

戦場に送られた

大きな炭俵につめられて

戦場の兵士たちは

敵と戦うだけでなく

飢えと病と そして自分と闘っていた


♪聖戦の名のもとに

多くの命が消えてゆき

たくさんの憎しみと悲しみが

生まれていた


「この粉末に少量の水をかけよ。

水のないときは唾液でも小便でもよし」


♪しかし、ウミホタルは光らなかった

その後のことは 誰も知らない

記録も なにひとつ

光ったという話も残っていない

哀しみの涙でも光らなかったのだろうか



(ナレーション)

「戦場で流された涙は、

ウミホタルの光になって、

海を染めているのかもしれません。

地上に戦争が続く限り…。」



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