名画描いた家残る〜青木繁が逗留「小谷家住宅」 公開目指し修復へ
(東京新聞2014.5.18付)

明治期に夭折した洋画家青木繁が逗留した館山市布良の「小谷家住宅」が、2016年4月の一般公開を目指し、本年度から2年をかけて修復されることになった。代表作「海の幸」が描かれた家の存続を願う関係者の熱意が結実しつつある。
(北浜修)
小谷家住宅は約90平方メートルの平屋で築約120年。小谷家は江戸時代から戦前まで、布良の網元だった。経緯は不明だが、青木は1904(明治37)年夏、知人らと二カ月ほどこの家に滞在。サメを担いで海岸を行く漁師たちを描いた日本洋画史上の傑作「海の幸」を残した。
小谷家住宅は2009年、館山市有形文化財に指定されたが、老朽化で屋根など傷みが激しい。現在の当主小谷福哲(ふくあき)さん(63)と、市民グループ・青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会(館山市)、NPO法人青木繁「海の幸」会(川崎市)の三者が連携し、保存へ動いてきた。
現在、母屋の住宅には先代当主、栄(さかえ)さん(90)夫妻が居住する。計画では、工事に伴い、母屋に隣接する別棟を管理棟として改築し、先代夫妻は転居する。母屋は「青木繁『海の幸』誕生の家・小谷家住宅」として一般公開する。
母屋の修復事業には約2,800万円がかかる。このうち半分の約1,400万円について、館山市の指定文化財保存修理事業補助金や、ふるさと納税を利用した小谷家住宅保存活用支援事業補助金で資金のめどが立ったことから、修復工事に踏み切った。
残りは、三者が今後も地元有志や各地の青木繁ファン、画家らに支援を求めていく。管理棟への改築にも約1,800万円かかるが、NPO法人の支援のほか、小谷家の資金などを充てる。
福哲さんは「青木繁が『海の幸』を描いた家を、次代を担う人々のためにも残して、見せたい。一般公開後は、全国から足を運んでいただければ」と期待する。
住宅から徒歩数分の所には「海の幸」に描かれた海岸を見下ろす高台があり、1962年に建てられた青木繁没後50年の記念碑がある。誕生の家と記念碑と一体で、館山の新たな観光スポットにもなりそうだ。
青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会事務局の池田恵美子さん(53)は「建物の維持や管理、公開など、修復後の運営にも多くの方々の支援をいただきたい」と呼び掛けている。
【あおきしげる】 1882(明治15)年、福岡県久留米市生まれ。東京美術学校(現在の東京芸術大)を卒業した22歳のとき、恋人の福田たねや友人と館山市布良に滞在し、「海の幸」を描く。絵の中に出てくる白く美しい顔の人物はたねがモデルとされる。たねとの間に1男をもうけたが、結婚はしなかった。天才画家と評される一方で、放浪し画壇を批判するなど不遇の時を送る。1911(明治44)年、28歳で病没。

名画「海の幸」誕生の家「小谷家」修復公開目指す
「青木繁 滞在当時」の状態に
(読売新聞2014.5.20付)
明治の洋画家・青木繁(1882〜1911)が名作「海の幸」(国重要文化財)を描いた家として知られる館山市布良(めら)の同市指定有形文化財「小谷家」が修復されることになった。地元が保存運動に動き、2016年4月の一般公開を目指す。
(羽田和政)
小谷家はマグロはえ縄漁で代々船主を務めるなど集落の指導的役割を果たした家柄。東京美術学校(現・東京芸大)を卒業したばかりの青木が小谷家を訪れたのは1904年(明治37年)7月。母屋に滞在した1か月半の間に描きあげたのが「海の幸」だ。
裸の男たちがサメを背負って砂浜を歩く作品(縦約70センチ、横約182センチ)は小谷家の戸板の大きさとほぼ同じで、絵の下敷きに使ったといわれる。
江戸時代に建てられた母屋は寄せ棟造りの平屋で、床面積は約93平方メートル。明治に2度火事に遭ったが、1890年頃に再建され、青木はこの家で過ごした。1962年には、小谷の近くに青木とのゆかりを紹介する記念碑も建てられた。
保存運動は、地元の「青木繁誕生の家と記念碑を保存する会」に加え、日本美術界有志でつくる「NPO法人 青木繁『海の幸』会」などによって進められた。館山市は2009年、「保存状態のいい明治期の貴重な建造物であることに加え青木繁の名作誕生の場として文化的意義が高い」として文化財に指定した。
さらに市は12年度から、ふるさと納税で「小谷家の保存活用が目的」として寄付行為をした場合、税控除対象にするなどの支援制度を決定。母屋の半解体工事や別棟の建設など全事業費約4600万円のうち、寄付や市の支援などで約2700万円のめどが立ったとして、修復が決まった。残りは、今後も寄付を募るなどして集める予定だ。
小谷家の現当主は小谷福哲(ふくあき)さん(63)で、母屋には先代夫婦が住んでいたが、転居。解体工事が4月末から始まり、傷んでいる場所や増築された部分を改修し、できるだけ青木がいた頃と同じようにする。
小谷さんは「今年は青木が我が家に滞在して110年に当たる。『海の幸』誕生の家が残せることに誇りを感じる。地域の活性化につながることも期待している」と話している。
福原有信を語り継ぐ会・講演会&ウォーキング
2014年8月10日(日)
参加費=200円(資料・保険代)
講演会
・時間=14:00〜15:00
・会場=館山市立神戸公民館
・講師=愛沢伸雄(NPO安房文化遺産フォーラム代表)
金比羅山ウォーキング
・時間=15:30〜16:30
・集合=安房支援学校前
・注意=軽登山になるので、服装・飲物等
資生堂創業者で知られる福原有信は、松岡(館山市竜岡)の出身です。マグロ漁で栄えていた隣村の布良で海難事故が多いことに心を痛め、助け合いの制度として帝国生命保険会社を設立しています。
松岡八幡神社の鳥居には、明治44年に福原有信が奉納したことが刻まれています。今年の祭礼では、昭和37年に資生堂(当時:福原信和社長)より奉納された幟凧を掲揚します。松岡神社の裏山は海上安全の祀る金比羅山です。頂上からは平砂浦・富士山・伊豆の島々を眺めることができます。
福原有信の長女・とりは館山病院長・川名博夫に嫁ぎ、四女美枝は渋沢栄一の次男・武之助に嫁いでいます。このネットワークにより、安房の殖産興業は発展しました。


⇒印刷用PDF
・館山市観光協会長より感謝状
・青木繁《海の幸》誕生の家・小谷家住宅の修復工事が始まりました。
・小谷家住宅の公開見学日
・青木繁《海の幸》フォーラム⇒詳細はコチラ。
・青木繁「海の幸」オマージュ展・館山展⇒詳細はコチラ。
・ヘリテージまちづくり講座〜布良の地層を学ぶ
・ウガンダ支援バザーin安房西高校文化祭JRC部
・ウガンダ支援活動20周年記念〜S,センパラ氏来日
・ウガンダの子ども絵画展
・ツアーガイド&講演のスケジュール

青木繁「海の幸」フォーラム
⇒印刷用PDF
日時:平成26年7月27日(日)13:30〜16:00
参加費無料(資料代300円)
.
◆基調講演
・森山秀子(石橋財団石橋美術館)
「青木繁を通してみる文学と美術の交流」
.
◆パネルディスカッション
「明治の漁村・富崎から《海の幸》誕生を探る」
・小谷福哲(小谷家当主)
・吉武研司(NPO法人青木繁「海の幸」会理事
・島田吉廣(労働大臣認定カラースキャナー1級技能士)
・愛沢伸雄(NPO法人安房文化遺産フォーラム代表)
・池田恵美子(NPO法人安房文化遺産フォーラム事務局長)
.
【主催】
・NPO安房文化遺産フォーラム
・青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会
.
*文化庁:文化遺産を活かした地域活性化事業
【関連事業】
・青木繁「海の幸」オマージュ展
・小谷家住宅の公開見学日


⇒印刷用PDF
青木繁が滞在した「海の幸」誕生の家・小谷家住宅の保存を目的に、
各ギャラリーでの売上は「館山市ふるさと納税」に寄付されます。
館山展では、会場販売は行なっていませんが、
個別に購入希望者には直接斡旋いたします。
よろしくご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
*第5回青木繁「海の幸」オマージュ展
ギャラリーヒルゲート(京都) 5月20日(火)〜25日(日)
*第6回青木繁「海の幸」オマージュ展
永井画廊(東京) 7月18日(金)〜8月1日(金)
*第7回青木繁「海の幸」オマージュ展
館山市コミュニティセンターギャラリー 8月5日(火)〜24日(日)
渚の博物館ギャラリー 8月5日(火)〜8月31日(日)
*第8回青木繁「海の幸」オマージュ展
みぞえ画廊(福岡) 9月6日(土)〜21日(日)
*第9回青木繁「海の幸」オマージュ展
みぞえ画廊(東京・田園調布)12月6日(土)〜21日(日)
『今こそ戦争遺跡を平和のための文化財に!』
⇒詳細はコチラ。
第18回戦争遺跡保存全国シンポジム神奈川県川崎大会
日程=2014年8月16日(土)から18日(月)
会場=明治大学生田キャンパス 中央校舎教室
〇16日(土)13時開会
【記念講演】丹羽宇一郎氏(前中国大使)
「アジアの平和と日中関係のこれから」
18時=全国交流会(柏屋)
〇17日(日) 9:15〜 分科会(中央校舎)
・第 1 分科会「保存運動の現状と課題」
・第 2 分科会「調査の方法と整備技術」
・第 3 分科会「平和博物館と次世代への継承」
◯フィールドワーク
A=登戸研究所事前案内(参加費無料)16日午前10時 明治大学平和教育登戸研究所資料館集合(12時終了)
B=日吉台地下壕案内(参加費800円)18日(1)午前9時 (2)午後1時 東急東横線日吉改札口→日吉台地下壕
C=陸軍歩兵101連隊(東部62部隊)と溝の口演習場のあとを…東急田園都市開発の背景を探る(参加費4000円 バス代含む)
18日9時30分 東急田園都市線宮崎台駅改札集合(渋谷から24分、溝の口から5分)、東部62部隊跡(お化け灯籠)、溝の口演習場など。
D=東京大空襲(69年前)と第五福竜丸事件(ビキニ被爆から60年)を考える(参加費6500円)18日午前9時 東京駅鍛冶橋駐車場集合貸し切りバスで案内、午後16時10分終了
E=東京多摩地域の戦争遺跡(調布飛行場、日立航空機立川工場変電所など)を探る(参加費 バス代4000円、食事代別)18日午前9時30分三鷹駅北口集合、午後4時立川駅で解散
ご案内 詳細 参加申込書
(申込、払込締切7月31日)
⇒登戸研究所保存の会
⇒日吉台地下壕保存の会
⇒詳細はこちら
全体会=2014年8月1日(金)/なかのZEROホール
分科会=2014年8月2日(土)〜3日(日)/明治大学中野キャンパス
現地見学会=7月31日(木)・8月3日(日)〜5日(火)/A〜Jコース

語り手=町田珠実さん
テーマ「娘が語る元落下傘兵の版画家・秋山巌」
日時=2014年5月27日(火)13:30〜
参加費=200円(茶菓子・資料代)
山頭火やフクロウの版画家として知られる秋山巌画伯は、海軍初の落下傘部隊員として1941(昭和16)年9〜12月に館山海軍航空隊で降下訓練を受け、12月に台湾を経て、翌年2月にティモール島クーパン奇襲攻撃に参加。’43年には館山海軍砲術学校で陸戦訓練を受けて南洋に赴き、サイパンで終戦を迎える。従軍中も得意の絵を描いて注目され、戦後は太平洋美術学校で坂本繁二郎に師事、後に棟方志功の門下生となり、棟方を見出した柳宗悦や河井寛次郎らの薫陶も得ている。墨絵の印象に近い作風が高く評価され、イギリス大英博物館にも所蔵されている。長女の町田さんから話を伺う。
⇒印刷用PDF




・会費入金のお知らせ
・安房文化遺産フォーラムに館山市から感謝状
・ツバキ剪定教室in椿の里・小原家庭園
・知恵袋講座:娘が語る元落下傘兵の版画家・秋山巌
・ヘリテージまちづくり講座:青木繁「海の幸」記念碑を制作した建築家・生田勉
・「海の幸」を描いた小谷家住宅、念願の修復工事着工へ
・赤山地下壕跡ガイドサービス
・ツアーガイド&講演のスケジュール
・光風会展で笹子さん7年連続入選
・かにた婦人の村ボランティア募集
・安房西高校JRC部ウガンダ支援バザー
・資生堂創業者・福原有信90回忌墓参ツアー