お知らせ

050903=虹のかけ橋〜ウミホタルとアワビがむすぶ日米交流

虹のかけ橋〜ウミホタルとアワビがむすぶ日米交流

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日時=2005年9月3日(土)13:30〜16:00
会場=千葉県南総文化ホール大ホール

【第一部】
・合唱組曲『ウミホタル〜コスモブルーは平和の色』初演コンサート
=作詞:大門高子/作曲:藤村記一郎 ⇒【音源】

【第二部】
・スライドによる講演・日米対談
=サンディライドンVS堂本暁子千葉県知事

【参考資料】『太平洋にかかる橋〜アワビがむすぶ南房総・モントレーの民間交流史』

明治時代、南房総のアワビ漁師たちは、宇宙服に似たヘルメット式潜水器を漁業に導入しました。その漁法は太平洋をわたり、南房総の海岸風景によく似たアメリカ・カリフォルニア州モントレーの地で、新たなビッグビジネスを生みだしました。排日の機運の高まりのなかで、アメリカ人投資家と共同でアワビ事業を起こした南房総の兄弟-小谷源之助・仲治郎。彼らの事業は干鮑に始まりアワビ缶詰や鮑ステーキへと続くなかで、「アワビ」は徐々にアメリカ人の家庭に浸透していきました。カリフォルニア州政府は、その地元への貢献を称え、日系移民100周年にあわせて、彼らが活躍した地を「コダニ・ビレッジ」と公式に命名しました。

千倉町七浦出身で戦前にハリウッド俳優となった早川雪洲も、モントレーへ渡航経験のあった兄の関係で渡米したといわれています。また、「宵待草」の詩で一世を風靡した竹久夢二や憲政の父とも称される尾崎行雄ら日本からの文化人、政治家が小谷たちの地を訪問するなど、日米交流に重要な役割を果たしました。

現在、この同じテーマで調査研究を進めてきた日本とアメリカの人びとの交流により、これまで埋もれていた地域の歴史が明らかになってきています。モントレーの日系移民史研究の第一人者サンディ・ライドン名誉教授は、かつて日系人が排斥された時期に、高い潜水技術が評価されていた房総のアワビ漁師だけは、日米両国の政府から特別に渡米が許されていたという歴史事実を明らかにしました。

一方、戦時中、東京湾要塞地帯にあった館山は重要な軍事拠点であり、終戦直後の1945(昭和20)年9月3日にはアメリカ占領軍3,500名が上陸した地でもあります。この事実を知ったライドン名誉教授は、「戦後60年」の節目である2005年9月3日に平和を祈念し、南房総とモントレーの真の友好を願って、40名のモントレーの人たちとともに来日することになりました。

アメリカと房総にゆかりの深い堂本暁子千葉県知事もこの席に加わり、ライドン名誉教授とともに、地域から未来に向けての新しい日米民間交流の夢を語り合います。

⇒房日寄稿連載①~③PDF

房日新聞 2005.8.18 館山で知事と対談
千葉日報2005.9.4アワビがむすぶ日米交流
堂本知事からの感謝状 2005.10

【房日寄稿】050831虹のかけ橋①愛沢伸雄

 

「虹のかけ橋〜ウミホタルとアワビがむすぶ日米交流」開催にあたり①

愛沢伸雄=NPO法人南房総文化財・戦跡保存活用フォーラム理事長

⇒ 房日寄稿①~③_印刷用PDF

私たちNPOはこの地の魅力を掘り起こし、「いまある」ものの歴史・文化を活かしたガイド事業を通して、「平和・交流・共生」の理念が生きる地域づくりを目ざしています。

その想いを共感する人びとの出会いによって、安房の宝であるウミホタルとアワビに隠された歴史が明らかになり、いま、新しい地域文化が生まれようとしています。

それは、「虹のかけ橋〜ウミホタルとアワビがむすぶ日米交流」として実を結ぶことになりました。館山発祥の合唱組曲『ウミホタル〜コスモブルーは平和の色』の初演コンサートを第1部、サンディ・ライドン氏(カブリオ大学名誉教授)によるスライド講演「太平洋をわたった房総のアワビ漁師たち」を第2部として、9月3日(土)13時半より南総文化ホールで開催します。

●合唱組曲『ウミホタル』

戦時中、館山の子どもたちは軍事目的のために、ウミホタルを取らされていました。館山の海に輝く小さな生物にまつわる平和祈念の合唱組曲が、作曲家藤村記一郎氏と作詞家大門高子氏から、私たち市民にプレゼントされました。

この楽曲に心を動かされた百数十名が合唱団を結成し、初演に向けて練習に励んできました。21世紀にふさわしい平和の贈り物として、安房の地から世界に発信していくことを私は願っています。

●60年前の9月3日

1945(昭和20)年、東京湾上のミズーリ号で降伏文書調印式が行なわれた翌9月3日、約3,500名のアメリカ占領軍が館山へ上陸しました。この上陸シーンの写真は、私たちNPOが作成したガイドブック『戦争遺跡』の表紙になっています。

昨年、館山市在住の溝口かおりさん(英会話講師・通訳)を通じて、この冊子を受け取ったライドン氏は、

「アメリカでは、8月15日と9月2日で戦争の歴史は終わっている。私の研究テーマに関わる南房総の館山に、アメリカ占領軍が上陸したということは知らなかった。この知られていない歴史的出来事から60年目にあたる2005年9月3日に、戦後日本のスタートとなった館山で、平和を考える集いを日米合同でやれないだろうか」

というメッセージを私たちに伝えてきました。この申し出により、今日の催しが生まれました。

● アワビがむすぶ日米交流

明治期に、小谷源之助・仲治郎兄弟たち安房のアワビ漁師たちは、この地からカリフォルニア・モントレーにわたりました。ライドン氏はその研究をしている歴史学者ですが、日本でも館山市在住の水産学者大場俊雄氏が約40年前から同様の研究をしています。

近年では、安房の人びとによって、さらに調査が進められ、新しい資料や写真が発掘されてきました。戦時中、アメリカでは日系人が強制収容所に隔離された際に、写真や手紙などは廃棄、焼却されてしまい、ほとんど残っていないそうです。打合せのために来日したライドン氏は、安房に残る貴重な資料や写真を見てとても驚いていました。

戦争によって一度は途切れた日米民間交流が、いままた新たに始まりました。同じ想いを分かちあった仲間たちによって、冊子づくりが進められています。また、資料パネル展も、たてやま夕日海岸ホテルで開かれています。

今回、ライドン氏とともに42名の人びとが来日し、安房に4泊、京都・奈良に8泊、安房に再訪し4泊します。ともに「地域の歴史から世界をみる視点」をもつ私とライドン氏は、お互いの地域を学び合うことの重要性と可能性について話し合いました。

一行は、アワビダイバーのふるさと白浜・千倉、館山の戦争遺跡やハングルの刻まれた「四面石塔」、八幡祭礼、鴨川の大山千枚田、鋸南の鯨塚…などを見学し、南房総と世界のつながりや日本の歴史・文化を学ぶ予定です。

● 太平洋にかかる橋

9月3日には、カリフォルニア生まれの堂本暁子千葉県知事とライドン氏が、国境を超えた相互理解と友好の歴史を築いた先人に学び、新しい国際交流のあり方を語り合います。

「戦後60年」の今夏、この日米交流が、安房の地から太平洋にかける新しい橋となることを願い、多くの皆様のご来場をお待ちしております。入場は無料です。

⇒ 寄稿連載 ②船田正廣 2005.9.1付
⇒ 寄稿連載③ 池田恵美子2005.9.2付

案内チラシ
【毎日】050831=平和の組曲合唱〜軍事利用されたウミホタル

平和の組曲合唱
〜懐中電灯の代替に軍事研究されたウミホタル
…秘話題材に来月3日館山市民ら

(毎日新聞2005.8.31付)

戦時中の千葉県館山市で、青白く光るミジンコの一種「ウミホタル」の光を本土決戦の夜間戦の明かりに利用しようとした秘話を題材に、合唱組曲「ウミホタル~コスモスブルーは平和の色」が完成した。歌は終戦直後に連合国軍が館山に上陸し、軍政を始めた9月3日にあわせて同市の県南総文化ホールで披露する。

体細胞中の物質が海中の酸素と反応して発光する体長約3ミリのウミホタルは、太平洋戦争末期に懐中電灯の代替として軍事利用が研究された。館山市では子供たちが採取を命じられ、終戦の前捻の1944年夏、同市の安房中(現安房高)の生徒だった利渉義宣さん(74)は「ひもにブリの頭をつけて海に垂らすと、たくさん寄ってきた。採取の目的は深く考えなかった」と振り返る。

歌は03年夏に同市を訪れた東京都北区に住む作詞家、大門高子さん(60)がウミホタルを巡る秘話を聞き、「戦争と今をつなぐ歌を作りたい」と作詞。「ぞうれっしゃがやってきた」で知られる音楽家、藤村記一郎さん(53)=愛知県日進市=が「平和の歌として全国に広めたい」と作曲を担当し、「夕日の海」「戦場のウミホタル」などからなる演奏時間約35分の合唱組曲に仕上がった。

合唱には、館山市民をはじめ東京都内のアマチュア合唱団などから約150人が参加する予定で、館山二中の鈴木喬子さん(13)は「戦争を考えつつ、明るく歌いたい」と話している。問い合わせは実行委員会(電話 0470・24・0224)。

【森禎行】

【房日】050818=米国での房総アワビ漁師語る、知事と対談

館山で知事と対談
9月3日、米国での房総アワビ漁師語る
合唱組曲の初演コンサートも

モントレーから大学名誉教授と市民団

米国でのアワビ漁師語る、館山で知事と対談
合唱組曲の初演コンサートも 9月3日

(房日新聞2005.8.18付)

米国・カリフォルニア州のモントレーから9月、大学名誉教授と一般市民40人が館山市にやってくる。モントレーは、明治時代に白浜出身の小谷源之助らがアワビ漁を行った地。教授らは、地域史の中で日系移民の研究を行っており、3日には県南総文化ホールを会場に、モントレーでの房総アワビ漁師に関する講演と、堂本暁子知事との対談も行われる。この日は、合唱組曲「ウミホタル-コスモスブルーは平和の色」の初演コンサートもあり、大勢の来場を望んでいる。入場無料。

催しは、市民有志でつくる「虹のかけ橋」実行委員会(本多かおる実行委員長)が主催、NPO南房総文化財・戦跡保存活用フォーラム、県文化振興財団などが共催、「虹のかけ橋-ウミホタルとアワビがむすぶ日米交流」と題して開かれる。

当日は午後1時30分から始まり、1部で合唱組曲のコンサート、2部で「太平洋をわたった房総のアワビ漁師たち」をテーマに、モントレーのカブリオ大学名誉教授で地域日系移民史研究家でもあるサンディ・ランドン氏が、現地でのアワビ漁と民間交流の歴史に関し、スライドを使って講演、さらに戦前カリフォルニアで生まれた堂本知事と対談を行う。

明治時代にモントレーにわたった小谷らは、現地でアワビの潜水器漁を行い、様々な製品を産み出した。邊国では日系人排斥運動があった際も、高い潜水技術が評価され、房総のアワビ漁師だけは日米両国から特別に渡米が許可されたという。日系移民100周年にあわせ、活躍した地が「コダニ・ビレッジ」と公式に命名された。

ランドン氏は、モントレーで一般市民を対象とした地域史の勉強会を開いており、こうした人たちに呼びかけ来日することになった。一行は2日に来日、3日の催しに参加したのち、フォーラムメンバーらの案内で、安房の歴史的な場所を見学。その後、京都などを観光し、再び館山にもどり、八幡祭礼を見て18日に帰国する。

1部で披露される合唱組曲(大門高子作成、藤村記一郎作曲)は、戦争と平和をテーマにした作品で、この日に向け練習を重ねており、当日は東京、千葉などからも加わり、200人前後の大合唱団で披露する。

主催者側では、今回の催しをきっかけに館山と米国の観光交流を推進したい、としており大勢の来場を望んでいる。

また、この催しに合わせ同市八幡のたてやま夕日海岸ホテルで、9月11日まで「太平洋をわたった房総アワビ漁師の資料展」も開かれている。

050804落合みどりさま*ちばコープ船橋東地域協議会

先日は、ありがとうございました。

交通渋滞の事もあり、時間が思ったより館山で過ごす事が出来ず、

色々戦跡を参加者の方にも見ていただきたかったのですが、

思うようにいきませんでした。残念でした。

早めにそちらを出発させていただいたので、定刻に帰り着く事が出来ました。

フォーラムメンバーの方にも時間配りにお気遣いいただいて、申し訳ありませんでした。

しかし、限られた時間内ではありましたが、愛沢先生、池田様の講演がとても丁寧にしていただき、

戦跡めぐりのところでは、細かな解説を頂き、

参加者の方からは、参加してよかったの声を多数いただきました。

一部、抜粋ですがお伝えいたします。


「館山の戦跡めぐり、一度は、参加したいと思っていました。48箇所もあると聞き驚いています。愛沢先生のお話、思い入れに感激しました。今も戦争が起きている国があるが平和でなくてはいけない!!本日は、ありがとうございました。*海ほたるを手にしてひかる姿を体感でき、良かったです。海ほたるを軍事利用していた事に驚きです。」


「『館山と言えば、海・花・イチゴ狩り位しか思い浮かばなかったのに、日本全体から見ても重要な位置にあったなんて驚きです。戦争も館山から始まって館山で終わったとは、全く知らない事でした。今日は、一から10まではじめて知る事ばかりで、とても有意義な日を過ごす事が出来ました。」


「父が海軍兵として館山に居て母が面会に行った話を聞いていたので、今日は、60年前を思い起こしていました。でも、父にはあまり聞いていないので残念です。」


お忙しい中、何度も打ち合わせのご連絡にお時間をさいていただいたり、当日には、色々なお心配り、ありがとうございました。今後の皆様のますますのご活躍をお祈りしております。

【房日】050803=韓国の子ら館山で交流

「アンニョンハセヨ」韓国の子ら館山で交流
3日間、自然や歴史も満喫

(房日新聞2005年8月3日付)

韓国浦項(ポハン)市の子どもたちを招き、日韓両国の子ども同士の交流を図る「たてやま日韓子ども交流事業」が3泊4日の日程で行われた。韓国・浦項製鉄西初等学校の児童20人と引率教師ら総勢24人が館山市を訪れ、ホームステイをしながら地元の小学生15人と一緒に、同市の自然や歴史を学ぶ体験交流や音楽交流などを通じて、友情の輪を広げた。

日韓交流の歴史研究をすすめてきたNPO法人南房総文化財・戦跡フォーラム(愛沢伸雄理事長)を発起人とする同実行委員会が、日韓国交正常化40周年となる今年、日韓友情年2005」認定記念事業の一環として規格。日韓教育実践研究会顧問の石渡延男氏が同校との仲介役を務め、日韓両国の子ども同士の交流が実現した。

来日初日には、市内ホテルで歓迎パーティが行われ、舞踏家の里見香華さんの愛弟子である秋山琴美さん(小1)、高山采子さん(小6)、柴山歩美さん(中1)の3人が「荒城の月」などの日舞を披露。また、辻田実館山市長からは、来日した子どもたち1人ひとりに友好市民証が贈られた。

2日目は「ふるさと歴史探検」と銘打ち、うちわ製造業の丸山忠弘さんの指導で、房州うちわづくりを体験。韓国の子どもたちは慣れない手つきながらも1時間半程かけてどうにか完成。「難しかったけれど、いいお土産ができた」と満足した様子だった。

その後、城山山頂で地元の小学生と合流、「アンニョンハセヨ」「こんにちは」と双方の母国語であいさつを交わした後、手作り甲冑の試着体験や、茶室で茶道の手ほどきを受けた。午後からは、赤山地下壕跡や大巌院に建立されている、ハングルなど4か国後で「南無阿弥陀仏」と刻まれた「四面石塔」を見学。境内で両国の子どもたちの意見交換会が行われ、通訳を交えながら「お互いのことをもっと知ることが大切」「お互いの国の歴史や文化をもっと学びたくなった」などと意見を交わした。

実質最終日となる3日目は、NPO法人たてやま・海辺の鑑定団(竹内聖一理事長)の案内で、沖ノ島を探検。島内の植物観察やビーチコーミング、タカラガイのストラップづくりを体験した。

午後からは館山白百合学園に会場を移しての音楽交流。同学園の卒業生らで編成する白百合合奏団による太鼓の演奏で韓国の子どもたちを出迎えると、民族衣装をまとった韓国の子どもたちは、この日のために1か月練習してきたという韓国舞踊を披露。また、両国の子どもたち全員で舞台に立ち、「レッツゴー沖ノ島」を歌い上げた。

フィナーレでは、同実行委員でユネスコ保育園長の本多馨氏の音頭で、ユネスコで提唱されている「わたしの平和宣言」を全員で朗読。ユネスコ平和の鐘を鳴らしながら、両国の平和と子どもたちの末永い交流を誓い合った。

【千葉日報】050729=韓国の児童が館山訪問

韓国の児童が館山訪問、祖先の供養塔見学
平和の意義考える

(千葉日報2005.7.29付)

韓国の小学生二十人が館山市を訪問、市内の小学生十五人と、市内大網の大巌院に残るハングル文字の記された四面石塔見学などで交流を深めた。「たてやま日韓子ども交流事業」としてNPO法人南房総文化財・戦跡保存活用フォーラムが主催、館山市などの後援事業。

児童たちは浦項市の浦項製鉄西初等学校の四、五年生。二十六日夕、引率の教師と共に館山市に到着した。

二十七日は船形地区でうちわ店を営む丸山忠弘さん(六六)の指導で房州うちわの製作を学んだ後、城山公園内の茶室で館山市の児童たちが合流、館山の児童が「アンニョンハセヨ」、韓国の児童が「こんにちは」とあいさつ、甲冑(かっちゅう)の試着、茶道と日本文化を体験した。

午後からは大巌院で一六二四の江戸時代の初期建立の四面石塔を見学。塔の四面に漢字二書体、梵(ぼん)字、ハングル文字でそれぞれ「南無阿弥陀仏」と記されており、同NPOの愛沢伸雄理事長は「建立の理由は分かっていないが、豊臣秀吉の時代に連れられて来た朝鮮の人々の供養の意味があるとも考えられる」と説明し、子どもたちに平和の意義を問いかけていた。

児童らはきょう二十九日に館山市を後にする。

050721田中澄さま*袖ヶ浦高校リーダー研修

この度は大変お世話になり、ありがとうございました。予定通り、戦跡見学とご講義を受けることができ、充実した時間を過ごすことができました。ただ、講義の時間が約20分と短縮せざるを得なかったのは残念でしたが、やはり70名での移動は想像以上に時間がかかりました。

元高等学校の教員でいらしたガイドさんのお話は分かりやすく、子ども達の心をぐっとつかんで下さいました。地下壕のひんやりした空気の中では、当時の労働力の大きさや、ここまで大きな施設を作らねばならなかった理由など、様々な疑問が湧いたようでした。中には途中で遭遇したゲジゲジに興味を持った子どももいましたが…。

平和学習は、広島や長崎、沖縄でするもの…と思いこまされている子どもたちですが、日本の至るところに戦跡があり、今を生きる我々がそこから学ぶことを活かしていかねばならないことを感じ取ってくれたと思います。

今回の見学に際しまして、下見から手続き、当日のガイドまで、本当に良くしていただき、感謝しています。私自身も、館山という地について多くを学ぶことができ、世界が広がった感じがします。今後ともよろしくお願いいたします。

夏休みに入りました。袖高生徒会は9月の文化祭に向け準備をしています。今年のテーマは「架け橋」です。実行委員会企画として、「我々生き物が、生まれてからどのように進化してきて、今後どのように変化していくのか」を示す発表をする予定です。生徒たちは、「今の自分たちの生活いかんで未来が決まる」と言いました。私は「生き物は何十億年もの命のたすきリレーを続けている。だから自分の命や存在することそのものを貴重なものとして受け止めねばならない」と言いました。発表の中身が決定するまで、しばらくは生徒と価値観のぶつけ合いが続きます。

どうぞ、お身体を大切にされ、ご活躍ください。遠くから応援しています。