メディア報道

【房日】191217*ライドン氏が義援金6000ドル

ライドン氏が義援金6000ドル
南房総を訪問している大学教授
文化遺産フォーラムにも義援金

(房日新聞2019.12.17付)…⇒PDF

米国モントレー地区市民を中心としたグループを引率し、数度にわたり南房総地区を訪問しているカブリオ大学名誉教授、サンディ・ライドン氏が台風15号、19号の義援金を安房地域に寄付した。館山市のNPO安房文化遺産フォーラムには12日、1000ドル(日本円で10万6000円)が手渡された。

ライドン氏は太平洋戦争の歴史に大変関心があり、同フォーラムの愛沢伸雄氏とも親交があり、同フォーラム主催の戦跡ツアーにも毎回参加している。

南房総地域が甚大な被害にあったと聞き、過去に同地域を訪れたことのある人を中心に呼び掛け、義援金が寄せられた。先月末で合計6000ドルが集まり、先日、日本へ送金されてきた。

館山市と南房総市に約25万円、安房文化遺産フォーラムには10万円寄付することになり、すでに館山市には届けている。

同フォーラムには、代理の溝口かおりさんが訪問。10万6000円を手渡した。愛沢代表は「温かい志に心から感謝します。台風被害からの復興と、モントレーとの交流の歴史のさらなる発掘、記録に役立てたい」と謝意を述べた。

南房総市には、18日に寄付する予定。

【房日寄稿】191026-191206*安房高等女学校にみる地域教育

安房高等女学校にみる地域教育 ~大正期を中心に考察

愛沢伸雄(安房高等女学校木造校舎を愛する会事務局長)

房日寄稿PDF  ⇒ 原稿PDF

原稿PDFは こちらから

目  次

1.はじめに

2.地域教育のなかの安房高等女学校と旧長尾藩士
(1)公立「女学校」創立の経緯と小学校教育に関わる旧長尾藩士
(2)小学校教員養成学校としての安房高女

3.安房高女卒業の小学校教員をみる

4.安房高女の教育に関わった人びと
(1)英語・音楽科教員広瀬フサや露無安(つゆむやす)と房州のキリスト教
(2)歴史科教員大野太平と万里小路通房・跡見重威
…① 大野太平と房総里見氏
…② 教え子跡見幾子と校歌作詞者万里小路通房
(3)中山音弥校長と植物学の三好学博士や進化論の丘浅次郎博士との交流
(4)坪野平太郎(南陽)顕彰の「南陽賞」と豊澤藤一郎校長
(5)水泳界の第一人者本田存が結ぶ「カッパ中学」安房中と安房高女

5.大正期の安房における自由教育と児童自由画教育をみる
(1)安房郡各小学校の自由教育と安房高女卒教員・北条小学校
(2)大正デモクラシー期と教育学者原田実(安房中学卒)
(3)洋画家倉田白羊らの安房における児童自由画教育
…① 倉田白羊・英子夫妻と小谷仲治郎
…② 倉田白羊の美術指導と小学校教員との交流

6.おわりに

【房日】191203*下ぶき材の防水シート活用

下ぶき材の防水シート活用
支援団体がプロジェクト:屋根の応急処置で提案

(房日新聞2019.12.3付)…⇒PDF


NPO法人安房文化遺産サンフォーラムが事務局を務める災害支援団体「安房フォーラム支援隊」による屋根補修のプロジェクトがスタートし、先月29日に関係者による進捗(しんちょく)状況の確認が行われた。屋根の野地板に防水シートを貼り付ける補修方法で、今月14日に地域住民向けの実践的な講習会を予定している。

同NPOは、台風15号以降に、国連NGOオペレーション・ブレッシング・ジャパンや、一般社団法人クラッシュジャパンなどのキリスト教系団体などと協働で安房フォーラム支援隊を立ち上げ、これまでに176件の現場で災害支援に当たっている。

同支援隊のつながりから各地の災害支援に実績のある広島県の宮内工建(川地正寛社長)が、長期化する屋根の修復に対して今回の応急処置方法を提案。先月15日から1つのプロジェクトとして緊急性の高い家屋から同社の大工6人が修理を行っており、今月21日までに11件の補修が完了する予定。

屋根の下ぶき材に使う防水シート「粘着ルーフィング」を野地板に貼り付けて補修応急処置だが、▽1年ほどの耐久性がある▽屋根業者への引継ぎがスムーズ▽風でバタバタと音がしない――など、ブルーシートを張る一般的な応急処置に比べて利点が多いという。

プロジェクトの代表をつとめる牧師の山尾研一氏(48)は「大工による補修は21日でいったん終了するが、この方法を一人でも多くの地元の人へ伝えたい」と語り、14日午前中に実践的な講習会を予定している。問い合わせは、安房文化遺産フォーラムの池田恵美子さん(090-6479-3498)へ。

 

◆ルーフィング講習会

~ブルーシートより安心!~
粘着型ルーフィング(防水シート)の貼り方と
簡易足場の組み方について、専門家が指導します。

日時=2019年12月14日(土)10時
集合=館山市 布良漁協前

【房日】191116_布良崎神社の神輿など再建へ寄付募る

布良崎神社の神輿など再建へ有志が寄付募る

(房日新聞2019.11.16付)

館山市布良の有志らで構成する布良崎神社神輿修復委員会(嶋田博信代表)は12日、台風15号の影響で大きな被害を受けた布良崎神社と神輿を再建しようと、4000万円を目標額に寄付を募ることを決めた。

同神社は台風の影響で拝殿は傾き、神輿蔵は倒壊し2基の神輿が大破する甚大な被害を受けた。

嶋田代表は「今回の被害は地域住民に衝撃を与えた。私たちが率先して、全国各地に呼び掛けたい」と協力を求めている。

募金の送付先は、ゆうちょ銀行(店番058)の普通貯金9651493。

問い合わせは、布良崎神社修復委員会青木薫さん(090-2524-1681)まで。

【房日】190827*平和への願い込め、芸術家73人が美術展

平和への願い込め、芸術家73人が美術展

(房日新聞2019.8.27付)

芸術をとおして平和の尊さを訴えるチャリティー美術展「ART FOR THE EARTH 2019—第15回安房・平和のための美術展—(同実行委員会主催、房日新聞社後援)が8月24日、南房総市のとみうら枇杷倶楽部ギャラリーで始まった。安房地域にゆかりのある芸術家73人の平和を願う作品が並んでいる。9月1日まで。

「平和のために何ができるだろう」と、2005年に始めた展覧会。日常の何げない風景や色とりどりの花などを描いた絵画、笑顔をとらえた写真、彫刻、陶芸などさまざまなジャンルの作品が展示されている。

作品には「世界中の人が好きな絵を描くことができる世の中になってほしい」「穏やかな日々がが続いてほしい」「令和も平和な時代でありますように」など、平和への願いを込めた作家のメッセージが添えられている。

作品やグッズを販売し、売り上げの一部を寄付するチャリティも、収益金はアフリカ・ウガンダ支援や地域の各団体の活動などに役立てられる。

入場無料。時間は、午前10時から午後5時(最終日は4時)まで。

【房日】190827*千倉アワビ街道歩く

千倉アワビ街道歩く、29日にイベント

参加者をきょうまでつのる

(房日新聞2019.8.27付)

南房総市の市民団体「房総アワビ移民研究所」は、8月29日午前10時から、ウォーキングイベント「親子で歩こう!千倉アワビ街道」を実施する。アメリカに渡ってアワビ漁で成功を収めた漁師のゆかりの地を巡る。参加無料で、きょう27日まで参加者を募集している。

同市の「市民提案型まちづくりチャレンジ事業」のチャレンジコースに採択されている同研究会。

今回のイベントは、明治時代にアメリカ・モントレーに渡り、アワビ漁で成功を収めたという同市千倉町千田出身の漁師たちの故郷を訪ね、歴史を学んでもらおうという。

当日は、七浦診療所(旧七浦小学校図書室)に9時50分までに集合。その後、ゆかりの地など約2キロを歩く。レクチャーも行われる。小雨決行で、荒天時はレクチャーのみとなる。

対象は子どもから大人までで、筆記用具や飲み物、タオル、防止などを持参する他、歩きやすい服装での参加を呼び掛けている。

申し込みや問い合わせは、房総アワビ移民研究所の河辺さん(090-3218-3479)へ。

詳細はこちら

【房日】190824*ギャラリートーク〜館山の海を愛した画家たち展

8月27日にギャラリートーク、渚の駅たてやま

館山の海を愛した画家たち展で

(房日新聞2019.8.24付)

館山市の「渚の駅たてやま」レクチャールームで、8月27日午後1時半から3時まで、NPO法人安房文化遺産フォーラムの池田恵美子さんによるギャラリートーク「館山の海を愛した画家たち」が開かれる。

同所で9月1日まで開催されている企画展「館山の海を愛した画家たち展〜青木繁・寺崎武男・倉田白羊〜」の関連事業。

明治期に館山市布良に滞在し重要文化財「海の幸」を描いた青木繁をはじめ、同世代で館山に在住し、日本美術史に影響を与えながら、あまり知られていない寺崎武男、倉田白羊に焦点を当てる。彼らがたどった人生や、それぞれの遺族から寄贈を受けた絵画作品を紹介する。

予約不要で、定員40人。問い合わせは、事務局の河辺さんへ。

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*詳細はこちら
⇒ http://bunka-isan.awa.jp/News/item.htm?iid=1302

【房日】190817*関西大の高橋さん、青木繁の魅力語る

関西大の高橋さん、青木繁の魅力語る

渚の駅でギャラリートーク

(房日新聞2019.8.17付)

館山市の「渚の駅たてやま」レクチャールームで、20日午後1時半から3時まで、関西大学非常勤講師の高橋沙希さんのギャラリートーク「明治の洋画家 青木繁の魅力」が開かれる。

同所で9月1日まで開催されている企画展「館山の海を愛した画家たち展〜青木繁・寺崎武男・倉田白羊」の関連事業。

高橋さんは、青木繁作品の壁画的性格などに焦点を当てた研究に取り組んでいる。著書に「青木繁-世紀末美術との邂逅(かいごう)」がある。

予約不要で、定員40人。問い合わせは、事務局の池田さん(090-64799-3498)へ。


『青木繁-世紀末美術との邂逅」高橋沙希著

http://www.kansai-u.ac.jp/eas/news_list/2015/04/2015-1.html

【房日】190815*館山の山口栄彦さん、終戦記念日のつどい

少年の目で見た戦争 毎年「終戦記念日のつどい」企画

館山の山口栄彦さん 史実の掘り起こしも

(房日新聞2019.8.15付)‥⇒印刷用PDF

太平洋戦争末期の硫黄島出撃について、海軍の人事は厳正であったと述べている本があるが、事実と違うのでは?——。少年のころ、身近にあった海軍砲術学校で見聞きした出陣学徒関係の実態から、市民の目線で真相を知りたいという男性がいる。自身は旧制中学3年生で終戦を迎え、出征したわけではないが、自分で見聞きした事実を伝えなければならないとして、ここ数年は8月15日に小さな「つどい」の場を設けている。市井の少年の目で、あの戦争を振り返る日々だ。(忍足利彦)

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「軍都・館山の歴史が、複雑な気持ちにさせる。
それでも一市民として平和を祈る」

館山市の山口栄彦さん(89)。富崎村(当時)布良に生まれた。銀行員だった父の次男で、安房中へ通った。当時の館山エリアは館山砲術学校、館山航空隊、洲ノ埼航空隊などが置かれ、軍都として発展した。

神戸村に置かれた砲術学校には、学徒出陣した学生らが大勢住み、子どものころから身近な存在だった。

村の有力者から「えいひこ」と呼ばれていた山口さんは、その有力者の使いで、砲術学校に出入りしたこともあった。そうした環境で見聞きしたのは、硫黄島へ出陣する船に乗った水兵がたった1人だけ、直前の下船命令を受けて、玉砕の島へ行かずに済んだこと。地元有力者と海軍上層部とのつながりがほのかに見え、戦後も史実の掘り起こしなどに注力した。

最近読んだ館山砲術学校兵科4期の男性の著書で、「硫黄島赴任で、海軍の人事は厳正であった」と書かれていたことから、下船命令の事実が脳をよぎった。本当に厳正だったのか、と。きょう15日午後1時半から、富崎地区公民館で開く「終戦記念日のつどい」で、「生き残った水兵」のタイトルで語り合うという。(会費200円)

15歳で迎えた終戦。自身は戦後、進駐軍に勤務した。苦学して大学を卒業し、身に付けた英語で中学校の英語教員になった。東京や神奈川の勤務が長く、故郷・富崎のことは長く、心の中にあった。

定年後は故郷に戻り、砲術学校を中心とした海軍の歴史を掘り起こした。戦争に行っていない自分が、海軍のことを調べていいのかという葛藤もあったが、子どものころからそばにあった砲術学校を語らずにはいられなかった。

昭和20年7月の白浜への艦砲射撃で、布良の自宅がぐらぐら揺れたことは忘れられない。もし、ポツダム宣言受諾がもっと遅くなったら、房総半島にも米軍が上陸し、自分の命もなかったと思う。

それでも山口さんは「反戦の思い」を強く掲げられずにいる。兵役の経験がない上に、砲術学校の訓練を毎日、目の前で見てきた。少年とはいえ、日常生活で戦争を肯定していた傾向がある。しかし、何年か戦争が長引けば、自身も出征していた。身近にある軍都・館山の歴史が、自身を複雑な気持ちにさせている。

それでも、きょう15日の終戦の日は、市民の立場で平和に思いをはせ、哀悼をささげたいという。

【写真説明】砲術学校兵科4期の男性の著書を読む山口さん=館山の自宅で