戦跡ネット事務局から御礼挨拶

第8回戦争遺跡保存全国シンポジウム館山大会開催さる

…戦争遺跡保存全国ネットワーク事務局


第8回戦跡保存全国シンポジウム館山大会が8月21日から22日まで、千葉県館山市で開催されました。シンポジウムの前後に南房総の戦争遺跡を見るフィ-ルドワ-クを実施し延べ4日間の大会となりました。昨年の宇佐大会に続いて、地元館山市の共催を得て全国から450名が集い盛況裏に終了しました。長野県からは、松本11名、長野8名が参加し、全国の皆さんとの交流など楽しく学んできました。

南房総は、帝都防衛の東京湾要塞や本土決戦準備の基地でした。要塞の砲台や弾薬庫、海軍の特攻基地、航空隊、砲術学校などの戦跡、米国占領軍の本土上陸地で本土で唯一の「直接軍政」が行われた場所でした。

「南房総に戦争の傷跡を見て保存と活用を考える」をテ-マにしたシンポジウムは、基調報告、地域報告、従来の3分科会、地元の体験者の証言などの特別分科会、作家早乙女勝元さんの記念講演などが行なわれました。 基調報告は、十菱駿武全国ネットワ-ク代表が「戦争遺跡の現状と課題2004」と題し、戦跡の調査と保存運動について各地での取り組みを報告。・戦跡の文化財指定と登録の拡大について、指定と登録が96件になったこと。戦跡の破壊・消滅について各地の実態。まちづくりと戦跡の保存活用では、館山市や知覧町、南風原町などの先進自治体の例に学びながら、戦跡の公開・活用法を民間から提案することの必要性を提起されました。 地域報告は、館山市教育委員会の杉江係長が、市内に残された数多くの戦跡の調査から「館山歴史公園都市」構想への展開について、さらに「赤山地下壕」の保存・公開までの経過を報告されました。

分科会報告は、第一分科会で「松本強制労働調査団の現状と課題」と題し、松本強制労働調査団の小島十兵衛さんが報告。第2分科会で「松代大本営皆神山地下壕の調査」と題し、調査団の縣重夫、十菱駿武、平川豊志の皆さんが其々の立場から報告されました。特に平川さんの地質調査の報告には、ほぉ!という声があがりました。この皆神山の調査は、全国の保存運動のなかで独自の調査がむつかしい団体でも、ネットワ-クの専門家の人たちの力を借りて調査が出来る方法を示唆したものとして注目をあびました。

地元実行委員会の主催で行なわれた特別分科会は、1日目は「女性の目から見た平和」、2日目は「証言者のつどい」として7名の報告がありました。どなたのお話も素晴らしく「全体会で取り上げたら」との意見もでていました。

記念講演は、東京大空襲戦災資料センタ-の早乙女勝元さんが「平和の語り部としての戦争遺跡」と題し、「過去の戦争を弱者の立場で語り継ぐことが戦争の阻止につながる」と語られました。

大会の最後に「あらゆる戦争に反対し、戦争の真実を語り継ぐため戦争遺跡保存の運動をさらにすすめましょう!」の大会アピ-ルを採択して終了しました。

館山大会は地元「NPO法人南房総文化財・戦跡保存活用フォ-ラム」のメンバ-を中心に100名をこえる人たちに支えられ成功しました。シンポジウムに参加していただいた 皆さん有難うございました。