2008年度の事業
≪2008年度 事業計画≫
★(a)引き続き保存運動の「第5段階」とする
1996年4月に保存運動が始まって以来、13年経過した。この間、地域の行政機関や文化関係団体、NPOなどと幅広く協力関係をつくり、歴史的風土と文化財を活かした『地域づくり』を通じて、里見氏城郭群の国指定史跡化の方向性をさぐってきた。
2005年、関係者の努力によって市道8042号線問題も解決され、最終的な道路建設が検討されている。稲村城跡の史跡化については、地権者や地元の理解を得ながら、行政による調査検討がすすめられている。一昨年末、天野努氏や滝川恒昭氏らとともに、本会の代表愛沢伸雄が館山市より「館山市稲村城跡調査検討委員会」の委員に委嘱され、2008年3月に報告書が出された。この報告書をベースに館山市においては、さらに2年間、「国指定」に向けての調査事業をすすめていくとのことである。この7月には館山市当局が地元・地権者の説明会を開催している。
なお、地域において里見氏の歴史・文化を活用したまちづくり事業に展開させていくためには、引き続き、協働・協力の関係団体であるNPO法人安房文化遺産フォ-ラム(代表 愛沢伸雄)と密接な連携を図り、行政関係とともに市民による「地域づくり」や「地域の活性化」を視野にして、里見氏の歴史・文化活動を浸透させていきたい。
(a)「国指定」に対して、広域自治体間での連携・協力をとったり、各自治体の文化行政との兼ね合いを考えながら、会の活動への理解と協力を得る。なかでも地権者や館山市稲地区の方々に、稲村城跡「史跡化」の取り組みが、安房地域全体の里見氏城郭群の「国指定」への重要なステップになっていくということ、そして里見氏の歴史・文化が文化遺産として、末永く地域に根ざしていく契機になっていくことへの理解を得ていく。
(b)里見氏関係文化財の活用の点では、「NPO法人安房文化遺産フォーラム」と連携・協働体制を図りながら「あわ・がいど-里見ガイド」を養成し、稲村城跡をはじめとする里見氏文化財をめぐるガイド・コースを設定し、地域の文化遺産を活用した具体的な地域の活性化の動きを示していく。
(c)「国指定」にむけて、各地元・地権者への働きかけをおこなう。そのために、里見氏城跡群に関わる市民団体や地域の歴史文化団体 に呼びかけて、情報を交換したり共同で取り組むネットワーク(仮称「里見ネット」)が結成されるよう、「NPO法人安房文化遺産フォーラム」と連携・協働しながら働きかけていく。
(d)文化財を活かした「まちづくり」・地域振興プランづくりがなされるように、「NPO法人安房文化遺産フォーラム」の取り組みと連動しながら、稲村城跡「国指定」にすることで、地域振興の面でも大きな意義があることを伝え、文化財関係団体や商工・観光関係者の理解や協力を得る。
(e)さまざまな分野に呼びかけをし、「国指定」史跡化への理解を広げるために、会独自に他地域にある「国指定」城跡を視察し、史跡化のプロセスや「国指定」のプランなどを調査研究する。