
(毎日新聞2011.11.19付)
文化審答申:里見氏の稲村城跡と岡本城跡
保護運動実り国史跡に
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15世紀中ごろから約170年にわたり安房地方を支配した里見氏の居城だった稲村城跡(館山市稲)と岡本城跡(南房総市富浦町)について18日開かれた文化審議会が国の「史跡」への指定を求める答申を出した。県内にある中世の城跡では本佐倉城跡(酒々井町、佐倉市)に次ぐもの。特に稲村城跡は館山市が道路建設に利用する計画を立てた90年代、保護運動が起こり、ルートが変更されたいきさつがある。県や市の史跡に指定されておらず、いきなりの「飛び級」指定で、運動にかかわった関係者の喜びもひとしおだ。【中島章隆】
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◇県未指定「飛び級」で
稲村城跡は里見氏の16世紀前半の居城と見られ、JR内房線九重駅の西方、標高64メートルの小高い丘に本丸にあたる主郭(しゅかく)跡がある。内房と外房、さらに南の白浜方面を結ぶほぼ中間点の交通の要衝。最初に築城した白浜から内陸に向け、次々と居城を移している里見氏のうち第三代義通の居城とされている。丘陵の北と西の斜面を削り落として障壁にするなど、敵から城を守るさまざまな工夫が見つかっている。
一方、岡本城跡は16世紀後半の本拠とされ、JR富浦駅の北、眼下に豊岡海岸を見下ろす標高約60メートルの高台にあり、現在は「里見公園」として親しまれている。里見義頼、義康親子の居城とされ、水軍を操った里見氏らしく海を見渡す城郭に特徴がある。74年に市(当時は富浦町)の史跡に指定された。
里見氏ゆかりの人たちで組織する房総里見会の里見香華会長の話 闇のトンネルから抜け出たようで、こんなうれしいことはない。房総の里見氏の歴史にはまだ多くの不明な点が残されている。国指定を機に、多くのことが明らかになるのを期待します。
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◇道路計画に一石投じた高校教諭、署名集め地道に整備
始まりは高校教諭がローカル紙に寄せた投書だった。「郷土に誇れる文化財の保護を」(96年3月29日付「房日新聞」)。投稿したのは県立安房南高で世界史を教えていた愛沢伸雄さん(60)だ。
稲村城跡の一部が大規模工業団地の造成に伴う市道建設予定地に組み込まれることを知ったのがきっかけ。投書は「道路建設が、里見氏の歴史を観光の主眼にしている館山市当局の手でおこなわれるとしたら、残念なこと」とし、計画の見直しを「切に希望しております」と結ぶ。
その後、愛沢さんは同僚の教諭らと「稲村城跡を保存する会」を設立し、署名活動を始めた。市議会に史跡化を求める請願書を提出し、最終的に1万人近くから署名を集めた。
城跡にも何度も足を運んだ。共有地となっている遺跡周辺の丘に分け入り、草刈りや案内板の設置、周辺地域のガイドマップ作りなどを実行し、遺跡一帯が「ただの丘」ではないことを市民に訴えた。小田原城など県外の史跡を訪ね、意見交換なども精力的に行った。
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7年前、高校を辞め文化・遺産保護のNPO法人を設立し、代表を務める愛沢さんは「地域の歴史と文化に誇りを持とうと地道に始めた運動だったが、最近では高名な歴史学の先生も稲村城跡まで足を運んでくれるようになり、多くの人が運動を支えてくれた。今後は他の里見の居城も含めた広域的な史跡の指定を目指したい」と話している。

(読売新聞2011.11.19付)
稲村・岡本城跡、国史跡に
文化審答申「八犬伝」の舞台
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国の文化審が18日に議決・答申した国史跡に、戦国大名・里見氏ゆかりの稲村城跡(館山市稲)と岡村城跡(南房総市富浦町豊岡)が選ばれた。指定されれば、県内の国史跡は27、28件目となる。
稲村城は、滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」の舞台のひとつ。16世紀前半、里見氏3代義通が居城とし、4代目義豊が5代義堯(よしたか)に攻め滅ぼされた「天文の内訌」(稲村の変)の舞台となった。
城跡がある丘陵先端の主郭は、東と南の二辺に高さ約3メートルの土塁を持ち、北と西の斜面は、丘陵の障壁とした。主郭は東西2キロ、南北1.5キロに及ぶ。
一方、岡本城は、義堯の孫義頼が16世紀後半に本拠地とした。東京湾を望む丘陵上に造られ、城跡の規模は、東西約600メートル、南北約300メートル。主郭北東に広がる曲輪は、港として機能していたと推定されている。
稲村城跡は、1990年代に、市道建設計画により遺構や防御施設が一部取り壊されることになり、「里見氏稲村城跡を保存する会」(愛沢伸雄・世話人代表)が保存運動を展開した。
現在、NPO安房文化遺産フォーラム理事長を務める愛沢さんは、「遺跡を守ろうという運動が盛り上がらなければ、城跡は壊されていた。多くの市民、地権者、研究者の支援があってようやくここまできたか、という思いです」と話している。
《千葉県歴史教育者協議会主催〜2011年秋の見学会》
文人の足跡を手賀沼畔に訪ねる
新設オープンの楚人冠記念館と白樺文学館を中心に
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2011年11月3日(木・文化の日)
集合:AM10:00・JR常磐線我孫子駅南口
参加費:1,000円(資料・入館料等)
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◎予定コース(徒歩4km弱)
出発…停車場の碑・山一林組(石橋製糸)生糸工場跡・蚕霊塔
…旧我孫子宿(旧水戸街道)…杉村楚人冠記念館(旧楚人冠邸・楚人冠碑)
…手賀沼公園【昼食】(文学の広場・「平和都市宣言」など)…バーナード・リーチ碑
…白樺文学館(柳宗悦紙芝居上演)・志賀直哉邸跡…(天神坂)
…柳宗悦邸跡(三樹荘)・嘉納治五郎別荘跡…我孫子駅解散

青木繁・没後100年記念事業〜絵画模写教室
描いてみんべぇ、ぼくのわたしの《海の幸》
⇒チラシ印刷はこちら。
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平成23年11月13日(日) 10:00〜15:00
会場:館山市富崎地区公民館
参加費:無料
持物:画材道具、弁当、飲物
講師:船田正廣氏(館山市美術会顧問)
主 催:青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会
共 催:富崎地区コミュニティ委員会
申込み:NPO法人安房文化遺産フォーラム
0470-22-8271 awabunka@awa.or.jp
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明治37年夏、館山市布良で描かれた名画《海の幸》は、日本の重要文化財です。作者の青木繁が亡くなって100年目にあたる今年は、九州・京都・東京で大回顧展が開かれ、多くの注目を集めました。
青木繁が友人に宛てた絵手紙には、この地で受けた感激がつづられています。自然豊かな漁村、エネルギーあふれる人びとの営み、神話のふるさと…、ここで何を感じ、何を描こうとしたのでしょうか。
《海の幸》とじっくり向き合い、《海の幸》を描いてみて、青木繁の感動に一歩近づいてみましょう。ジュニアもシニアも大集合!
平砂浦海岸
青木繁《海の幸》ウォーキング
安心安全、心と体嬉しい食と温泉
⇒詳細はコチラ。
■日時=2011年11月12日(土)〜13日(日)
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■宿泊=サンゴの湯やどかり
・海岸線まで徒歩3分
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■参加費=16,800円(5~15名募集)
・ガイド・講師料・保険料・ポールレンタル含む
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■スケジュール
【12日】
・12:30館山駅集合
・12:45~13:50昼食(館山ファミリーパーク)
・14:00~15:30平砂浦ノルディック
・16:30チェックイン
【13日】
・9:30チェックアウト
・10:00~12:00青木繁《海の幸》ウォーキング
・12:30~13:30昼食(季の音)
・14:00~14:45崖の観音
・15:00解散(とみうら枇杷倶楽部)
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■主催=WINS(TEL080-1185-4246)


赤山地下壕のガイドサービス
11月3日(祝)6日(日)10:00〜12:00
個人・小グループを対象にガイドサービスを行ないます。
通常は、団体対象に有料でガイドを行なっています。
⇒詳細はコチラ。
ガイドブック希望の方は、600円で購入できます。
別途、見学料については館山市ホームページを参照ください。
⇒http://www2.city.tateyama.chiba.jp/Guide/?stoid=1892
【講師】前川鎮男さん
【テーマ】第10回日中韓青少年歴史体験キャンプ2011in韓国仁川
【茶菓子代】200円
千葉歴教協ニュース「なかま」447号=2011.10.30発行
・千葉集会から千葉大会へ〜千葉歴教協の力を結集しましょう==楳澤和夫(事務局長)
・全国大会に向けて〜総会の議論から考えたこと==柄澤守(千葉大会現地実行委員会事務局長)
・石井さんを悼む〜石井建夫先生、ありがとうございました==加藤公明(会長)
・合掌 石井さんどうもありがとうございました==白鳥晃司(松戸支部)
・福岡大会に参加して
・・世界史と教科書問題==川鍋光弘(世界部会)
・・小学校中学年分科会に参加して==遠藤茂(船橋支部)
・・「人類の誕生」を歴史の授業にできるか==安井俊夫(松戸支部)
・・障害児教育分科会に参加して==関根千春(鎌ヶ谷支部)
・・現地見学「伽耶の旅」に参加して==平形千恵子(船橋支部)
青木繁の故郷・久留米の関東同窓会
「海の幸」誕生の地訪問(千葉県館山市)
(西日本新聞2011.10.13付)
久留米市内にある南筑、久留米商業、明善、久留米、三潴、久留米大付設各高校と久留米高専のOBで構成する関東圏の同窓会「東京高牟礼会」(馬場和人代表幹事)の有志24人は11日、久留米市出身の画家青木繁(1882〜1911)が国の重要文化財」海の幸」を制作した千葉県館山市を訪問した。
一行は「青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会」の池田恵美子さんから、青木の没後50年を記念して建立された「海の幸」の記念碑や、青木が描いた布良(めら)の海岸(阿由戸の浜)などの説明を受けた。
青木繁が「海の幸」制作時に約一年半滞在した小谷家住宅では、当主の小谷福哲氏や先代当主の栄氏から、滞在時の出来事などを聞いた。
参加者は「青木がこの海を見ながら名作を描いたと思うと感慨深い。館山市の皆さんから今も愛されている。訪れてよかった」と話していた。


克災まちづくり学習会〜東日本大震災から学ぶこと
被災地支援の医師が見た安房地域の課題
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■日時:2011年10月26日(水)18:10〜20:30
■会場:館山市コミュニティセンター第一集会室
■講師:小野沢滋医師
・亀田総合病院地域医療支援部部長
・安房医療介護福祉連携・東日本大震災支援の会
【AWA311-MCW】代表幹事
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【参考】房日新聞〜小野沢医師の講演抄録
http://bunka-isan.awa.jp/News/item.htm?iid=664