(房日新聞2023.3.9付)
⇒ 作品資料展&シンポジウム
明治から昭和にかけて活躍した安房地域ゆかりの芸術家、寺崎武男の生誕140年に関連した催し、「房州とイタリアを愛した画家寺崎武男・生誕140年」が館山市の南総文化ホールで開催される。NPO法人安房文化遺産フォーラムが主催し、25日から4月5日までの間で展覧会、1日にはシンポジウムが開かれる。
寺崎は、1907(明治40)年にイタリアへ渡り、ヨーロッパ美術の技法を研究し、日本に紹介した近代絵画の先駆者。大正末期からは館山市に暮らし、戦後は安房第一高校(現安房高校)の美術講師としても後進の育成に努めた。
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寺崎武男は1907年、東京美術学校卒業後にイタリアへ留学し、ヨーロッパ美術の諸技法を学び、日本に紹介した近代絵画の先駆者です。早くからルネッサンスの壁画と法隆寺の壁画を研究し、ローマの日本美術展で通訳とコーディネーターを務め、日伊文化交流に貢献しました。イタリア政府から勲章も授与されています。
法隆寺については、防火対策の不備を大正期から危惧しており、火災後には輪堂に壁画を制作しています。館山の西ノ浜に別荘を建て、やがて定住します。戦後は安房高校の美術講師として後進の育成に務め、自由の女神像を制作しています。
安房文化遺産フォーラムでは、遺族から寄贈された膨大な書簡や手帳などの分析調査を進めています。幕末から国際的に活躍していた寺崎家のファミリーヒストリーや、各界の友人など壮大なネットワークが明らかになりつつあります。ぜひご来場ください。
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⇒ 印刷用PDF(房日寄稿230204)
里見氏の居城、稲村城跡が岡本城跡とともに国の史跡に指定され、10年となった。稲村城跡は簡単に指定されたわけではない。6000日に及ぶ粘り強い市民運動と、それを支え続けた多くの人たちの力が結実されたものである。
市民運動で史跡の破壊を食い止め、国の史跡になるという全国的にも珍しいことが起こったのである。この指定10年の節目に合わせるかのように、里見史研究の泰斗、滝川恒昭先生が「関東無双の大将」と呼ばれ活躍した里見義堯の人物像を克明に描いた労作『里見義堯』を上梓(じょうし)された。あとがきには次のように記されている。
「平成24年1月24日官報で稲村城跡は岡本城跡と共に国指定史跡として告示された。千葉県内の城郭跡としては千葉氏本城本佐倉城跡に次ぐ2例目の国指定史跡となり、ここに保存会を結成した愛沢伸雄氏を中心に、平成8年から足かけ17年の長きにわたって粘り強く続けられてきた稲村城跡保存運動は、当初目標とした遺跡の破壊を防ぐことだけにとどまらず、永久に保存と活用の道が開かれた国指定史跡となって結実したのであった」
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※ 知恵袋講座は、知識や経験豊富なNPOメンバーが講師となって、楽しく学び語り合う茶話会です。
・語り手=池田恵美子さん
(NPO法人安房文化遺産フォーラム共同代表)
・テーマ
「房州の海を愛した画家たち」
・日時=2023年2月21日(火)13:30〜
・場所=菜の花ホール2F(館山市北条1735)
・参加費(茶菓子・資料代)=会員200円、非会員500円
※ 準備の都合上、参加希望は予めご連絡ください。
【参考資料】
*漁村が誇る3つの〝あ〟のまちづくり
*絵画から読み解く館山まるごと博物館
*エコレポ「海とアートの学校まるごと美術館」
*YouTube「海とアートの学校まるごと美術館」
※ 知恵袋講座は、知識や経験豊富なNPOメンバーが講師となって、楽しく学び語り合う茶話会です。
・語り手=樋口正規さん
(NPO法人安房文化遺産フォーラム会員)
・テーマ
「もうひとつの房州弁~三芳村のことば」
・日時=2023年1月17日(火)13:30〜
・場所=菜の花ホール2F(館山市北条1735)
・参加費(茶菓子・資料代)=会員200円、非会員500円
→ 230112房日「地域語」研究の本 『三芳村のことば』発行
南房総市三芳地区で生まれ育った樋口さんは、天羽・安房・館山総合高校の国語教師を歴任。2003年に「三芳・方言の会」を発足。南房総市市民提案型チャレンジ事業に2年連続で採択され、『三芳村のことば』を12月に刊行しました。
第56回千葉県歴史教育研究集会(オンライン開催)
⇒ 公式サイト ⇒印刷用PDF
日時=2023年2月23日(木祝)9:00~17:00
参加費=1,000円(学生無料)
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◆戦跡ガイド講座 <会員限定・参加費無料>
「世界史から見る館山の役割~赤山地下壕から考える」
1月8日(日)13:30~15:30 豊津ホール学習室
講師:愛沢 伸雄 さん
※1/8(日)午前中は、赤山地下壕ガイドサービスを行っています。
入壕料は各自負担、ガイド料は無料です。
「戦争」の20世紀を繰り返さないと願った21世紀も、残念ながら四半世紀が経っても「戦争」はなくなりません。「やられる前にやってしまう」という戦争の論理(「敵基地攻撃能力」戦略など)に陥ってしまうからではないでしょうか。ハワイ真珠湾奇襲攻撃など最たるものですが、太平洋に開かれた房総半島先端において日本の対米戦争のスタートが切られたといっても過言ではありません。
私は、世界史的にはワシントン軍縮体制のもとで「敵基地攻撃」としての航空戦略構想が生まれ、その後の館山海軍航空隊(館空)成立や「赤山地下壕」の建設につながったと推察しています。今回の講座では、「陸の空母」と呼ばれた「館空」に関わっている「山本五十六」などについても取り上げながら試論の一端を紹介したいと思います。
愛沢 伸雄
1965年建築の婦人保護長期入所施設の建物を建て替えるため、大きなプロジェクトが始まりました。3,500万円のクラウドファンディング達成に向け、私たちも応援しています。