【房日】260730‗「花物語」再びスクリーンへ

旧和田町で撮影の「花物語」上映
8月に東京で「戦争語り継ぐ」映画祭
出演者が南房総市長に開催PR

(房日新聞2026.7.30.)

 

旧和田町(現南房総市)で撮影された映画「花物語」(1989年公開、堀川弘通監督)が、東京・池袋の新文芸坐で開催される「戦争の記憶と記録を語り継ぐ映画祭」(8月8、9日)で上映される。これを前に、主人公・枝原ハマの長男役として出演した俳優の八神徳幸さん(58)が24日、南房総市役所を訪れ、渡辺秀和市長らに映画祭を案内した。

(斎藤大宙、清水利浩)

花物語は、太平洋戦争末期の旧和田町が舞台。政府による花の栽培禁止令の下、スイセンの球根を山中に隠して守った実在の女性、川名りんさんをモデルにしている。川名さんらの行動によって南房総地域では終戦直後から花栽培が再開され、花の一大生産地としての現在につながった。

この花栽培を守ろうとした川名さんの生き方については、館山市のNPO法人安房文化遺産フォーラムが、地域の歴史として語り継ごうと平和学習のプログラムで紹介している。

映画では、ハマを俳優の高橋惠子さんが演じ、旧和田町の多くの住民もエキストラ出演した。

映画祭は、戦争の記憶と平和の大切さを伝える作品を多く残した映画監督、新藤兼人さん(1912~2012)の思いを受けて続けられてきた。今年で15回目となる。

花物語の上映は、映画祭初日の8日午後1時20分~3時。上映後の3時10分から45分間、高橋さんと八神さんによるトークショーも予定されている。

八神さんは、映画の舞台と撮影地になった南房総の多くの人にも映画祭に足を運んでもらいたいと今回、同市役所を訪れた。

八神さんは、渡辺市長に「撮影の協力から寝食まで町の皆さんには大変お世話になった。上映が当地の歴史を後世に伝えるきっかけになれば」と映画祭のチラシを手渡した。

渡辺市長は「いただいたチラシを市内の施設に配架するなど、周知に協力させていただきたい」と答えた。

八神さんはこの後、同NPOの池田恵美子共同代表とともに、川名さんの孫で同市和田地区で花栽培の農園を経営する川名秀さんを訪問。花農家の歴史や現状について説明を受けた。

八神さんは、撮影当時の旧和田町での光景を懐かしそうに思い出し、花物語について「DVDや続編を作りたい」と話していたという。

映画祭では、花物語の他に3本が上映され、いずれも上映後に出演者や映画関係者などによるトークショーが予定されている。上映日程、入場料など詳しくは、新文芸坐のホームページ(https://www.shin-bungeiza.com、電話03・3971・9422)へ。