【房日】230517_米国の学生20人が安房で歴史や文化体験

(房日新聞2023.5.17付)

館山市でアメリカの大学生ら20人による短期留学が9日から行われている。館山の歴史や文化を体験する内容で、14日には同市神余地区の水田で田植え体験が行われ、学生らはコメづくりを学んだ。

短期留学しているのは、ミネソタ州のメトロポリタン州立大学、大坪寿美子博士の学生ら。日本のポピュラーカルチャー史の授業の一環として、館山を中心にフィールドワークや文化体験地元英語塾の生徒らとの交流などを繰り広げている。

今回の留学は、同市の地域おこし協力隊の荒垣由以子さんがアメリカの大学在学時の恩師(同大人文学部長)とのつながりで実現。期間中の体験プログラムの企画、開発を荒垣隊員が担った。

この日の田植え体験は、NPO法人おせっ会の協力で実施。学生らはまず古民家で稲作文化について学んだ後に、近くの水田へ。初めて体験する農作業に最初は戸惑いながらも楽しそうに苗を植えていた。

稲作を体験した学生らは「(田んぼは)深くて最初は怖かったが、とてもエキサイティングな体験だった。きょうは1時間くらいの作業だったけれど、中腰で何時間も作業するのは大変だってことが分かった」

「アメリカのスーパーマーケットで売っている食材は効率を重視してつくられたものばかり、生産者の顔なんてこれまで考えてこなかった。こうやって丁寧に作業することで食に対する意識が変わった」などと感想を話した。

コーディネートをする荒垣さんは「学生らはとても好奇心旺盛で、スムーズに作業が進んで良かった。短い期間だが館山の歴史や文化をたくさん吸収して、この先に生かしていってほしい」と話した。

短期留学は29日まで赤山地下壕跡や野島埼灯台、大房岬でのフィールドツアー、房州うちわづくり、お遍路体験といった文化体験をする予定で、27日午後には関係者を招いて報告会が行われるという。

報告会の詳しい問い合わせは、荒垣さん(080―7933―5393)へ。