海の幸誕生の家と記念碑保存する会
文化財保護功労で表彰
(房日新聞2015.12.5付)⇒印刷用PDF
館山市の「青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会」(嶋田博信会長)が、県文化財保護協会の創立50周年記念文化財保護功労者表彰を受賞した。千葉市内であった表彰式で表彰された。受賞者数は2人と3団体だった。
同会は、青木繁が「海の幸」を制作した館山市布良の小谷家住宅、青木繁の没後50年記念で建てられた記念碑の保存、活用に向け、地元有志を中心に結成された。
小谷家住宅は、同会の依頼した専門家による調査で、明治前期の貴重な建物であることが分かり、平成9年に市の文化財指定を受けた。
同会では修復、公開を目指して、全国の著名画家らによるNPOと連携して基金を集め、保存に向けたふるさと納税制度の整備にも尽力。こうした取り組みによって、同住宅は修復され、来春に公開される予定となっている。
同会の前身は、「青木繁《海の幸》記念碑を保存する会」。一時撤去の危機にあった記念碑が、地元の要望により市が保存することになったのを契機に、平成10年に地元有志で設立された団体で、現在も草刈りなど保存や普及といった活動を引き継いでおり、一連の文化財保護、活用の取り組みが評価された。
館山総合高校148人が「観光の学び」
1年生がNPOと協働で授業
(房日新聞2015.11.29付)⇒印刷用PDF
県教委が進める「魅力ある県立高校づくり」の一環として、「観光の学び」に取り組んでいる館山総合高校(安田健治校長)でこのほど、これまでの学びを振り返る授業があった。1年生148人がNPO法人安房文化遺産フォーラム(愛沢伸雄代表)との協働で、校外学習をしていた。仕上げとなる授業では、館山市経済観光部プロモーションみなと課の石井博臣課長と、房日新聞社の忍足利彦編集部次長がゲストスピーカーとして、館山の観光について語った。
地元の観光資源をあらためて知ろうと、校外学習を展開。1年生はバス4台に分乗し、赤山地下壕、青木繁『海の幸』誕生の小谷家住宅、布良崎神社、大巌院のハングル四面石塔、渚の駅などを見学した。NPOのガイドを受け、地元・館山の観光要素を現地で学んだ。
事前学習ではDVD「館山まるごと博物館」や同名の冊子で知識を重ねた。現地では詳しい説明も受けた。生徒らは「何もないと思っていたが、館山に深い歴史があって驚いた」「こんなに素晴らしい観光資源を多くの人に知ってもらいたい」「市民が文化財を大切にしていることに感動した」などの感想を残している。
仕上げの学習となった授業では、愛沢代表らがパワーポイントで生徒の感想を紹介。その後、ゲストとして石井課長が「館山市の観光の現状」、忍足次長が「幸せ値を生かして田舎暮らし」などを語り、館山の魅力を伝えた。
寺崎武男展が開催されます。
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期日=2015年12月5日(土)〜2016年1月29日(金)
会場=光澤堂ギャラリー TEL=03-5524-0524
(東京都中央区銀座4-6-11銀座センタービル7階)
文化財答申、屛風ヶ浦、国名勝に
小高記念館は有形文化財
(東京新聞2015.11.22付)‥⇒印刷用PDF
国の文化財審議会による投信で、県内では屏風(びょうぶ)ケ浦(銚子市)が国の名称及び天然記念物に指定される見通しとなった。大正期に銀行として建てられ、昭和初期に館山港近くに移築された「小高(おだか)記念館」(館山市)は有形文化財(建造物)の登録が答申された。
屏風ケ浦は太平洋に面して、約10キロにわたって下総台地が削られてできた海食崖(かいしょくがい)で、最大落差は約60メートル。1億年以上前の硬い岩盤を基盤として、約300万年〜40万年前に海底に堆積した犬吠層群と、その上に堆積した香取層や関東ローム層から成る。急激な風化と浸食を受けて形成された地形が見られ、地質学上価値が高いとされた。
江戸末期の歌川広重の「六十余州名所図会」に描かれるなど、江戸時代から現在まで絵や文学で取り上げられ、名勝としても価値が高い。
小高記念館は洋風の外観で木造二階建て。現在は地元のNPO法人安房文化遺産フォーラムの事務所となっている。
市やフォーラムによると、建物は1930(昭和5)年ごろ、現在の場所に移築され、戦前に県議会議員、戦後は衆議院議員を務めた小高熹郎(としろう)氏が事務所などとして使用した。
小高氏の死去後、90年代半ばから一時閉鎖。地域の文化振興にも尽力した小高氏の遺志を継ぐとして、フォーラムが2006年から活動拠点にしてきた。代表の愛沢伸雄さん(64)は「大変光栄。私たちの文化財保存活動にも弾みがつく」と登録の答申を喜んだ。
(村上一樹、北浜修)
小高記念館が国有形文化財に
(毎日新聞2015.11.21付)‥⇒印刷用PDF
また、文化審は、館山市館山の海岸通りに面した「小高(おだか)記念館」登録有形文化財(建造物)に指定することも答申した。
小高記念館は大正初期に千葉銀行の前身の「古川銀行鴨川支店」として建てられた木造2階建ての洋風建築。関東大震災で館山地区の主要な建物が壊滅したこともあり、1930年に水産業の拠点として館山港にほど近い現在地に移築された。
戦後は小高熹郎(としろう)衆議院議員(1902〜97年)の事務所を経て、地域の水産関係や文化財の「資料館」として使われた。小高氏の死去後は使われず朽ちかけていたが、NPO安房文化遺産フォーラム(愛沢伸雄代表)が小高家の了解を得て2006年から活動拠点として使っている。
愛沢代表は「外壁の塗装など手間はかかるが、内部はしっかりした造り。文化財として認められたのを機に、街づくりの拠点にという小高先生の遺志を受け継いでいきたい」と話している。
【中島章隆】
洋風外観の小高記念館
文化財審議会が答申、国の登録有形文化財に
(房日新聞2015.11.21)‥⇒印刷用PDF
館山市館山にある「小高記念館」が新たに国の登録有形文化財(建造物)となることが決まった。国の文化審議会が20日、同記念館を含む124件を新たに登録するよう文科相も答申した。館山市の登録文化財は8件目となる。
館山港近くにある小高記念館は、大正期に建てられた古川銀行鴨川支店の建物を昭和5年ごろに移築したといわれている。
木造2階建て。上下窓を並べる洋風な外観が特徴的で、1階は洋風内装で、2階は和室となっている。港町の風情を彩る洋風建築で「国土の歴史的風景に寄与しているもの」として登録が決まった。
記念館の名の由来は、県議会議員、衆議院議員を務めた館山市の名誉市民小高熹郎氏(故人)。小高氏の水産会社や事務所を経て、現在はNPO法人安房文化遺産フォーラムの事務所として文化交流の拠点となっている。
同フォーラムの愛沢伸雄代表は「関東大震災後、港町館山の復興の拠点となったであろう建物で、大変貴重な文化財。文化財を守る団体として、登録はとてもうれしく、今後もまちづくりに大事に活用したい」と喜んでいた。
登録有形文化財は、都市開発などで消滅が危惧される近代の文化財建造物を後世に残すため平成8年に設けられた登録制度。市兄では洲崎灯台などがすでに登録されている。
港町彩る洋風外観 地域文化発信拠点に
登録有形文化財 小高記念館 館山
(千葉日報2015.11.21付)‥⇒印刷用PDF
国の文化審議会の答申で20日、館山市館山の小高記念館が登録有形文化財(建造物)に登録された。館山湾にほど近い木造2階建ての旧銀行建築。上下窓を並べる洋風外観が港町の風情を彩り、国土の歴史的景観に寄与していると評価された。現在はNPO法人が地域文化発信拠点として活用しており、関係者は「さらなる地域文化振興を進めていきたい」と力を込める。
小高記念館は、大正初期に建てられた古川銀行(現在は千葉銀行に合併)鴨川支店を、後に鳩山一郎内閣の文部政務次官を務めた小高熹郎氏が昭和初期に現在地へ移築。1階は元営業室の洋風内装で、2階は周り廊下に和室2間が並ぶ。1階には、大正期の銀行金庫や欧州絵画も残る。
建物は移築を進めた小高氏が水産事務所として活用。戦前に県議となったことを期に政治事務所となり、戦後の衆議院議員としての活躍も支えた。
政界引退後は、小高氏がサトウハチローや白鳥省吾らと親交が深く詩人として活躍したことから、文化交流拠点となる。城山公園に記念碑が建立されている『里見節』や、『鏡ケ浦』『館山音頭』など、数々の名作が生まれた。
小高氏が1997年に亡くなり一時閉館。時を経て2006年、地域の文化財産を保存し街づくりを進めるNPO法人安房文化遺産フォーラムが事務局として使うことになった。その際、潮風で剥がれた外装塗装を白く塗り直し、歴史的建造物を再生させた。
同団体は戦国大名里見氏の城跡や館山海軍航空隊赤山地下壕(ごう)といった歴史・文化遺産の保存や活用を展開。そうした活動を通じて進める地域資源を生かした街づくりの拠点となっている。
記念館は現在、潮風で再び剥がれてきた外壁塗装を塗り直している。記念館の一般公開は特定の曜日などではなく、同団体のスタディツアーの一環として行う。愛沢伸雄代表(64)は「館山市の文化振興のシンボルとして国の登録文化財となったことはとても光栄。一つ一つの文化遺産が点から線、面となり、館山がまるごと博物館になることが進む契機となれば」と語る。
小高氏の息子で祈念館を所有する小高英夫さん(73)は「父親から引き継いだ建物が登録され喜ばしい。本当によかった」と笑顔を見せた。
屏風ケ浦 、名勝に(銚子)
文化財審議会は20日、約10キロにわたり海食崖が続く屏風ケ浦(銚子市)など2件を名勝に、戦時中に首相を務めた近衛文麿が住み、日米開戦前の重要な舞台になった「荻外荘(てきがいそう)」(東京都)など9件を史跡に、伊平屋島の念頭平松(ねんとうひらまつ)(沖縄県)など5件を天然記念物に指定するよう馳浩文部科学相に答申した。屏風ケ浦は天然記念物にも指定されている。
近く答申通り告示され、史跡は1759件、名勝は398件、天然記念物は1021件になる。
このほか富士山などを望む景勝地で信仰の地としても親しまれた十国峠(日金山(ひがねさん)、静岡県)など3件を登録記念物にすることも答申した。登録記念物は98件になる。
また、登録有形文化財(建造物)には、小高記念館(館山市)など全国で124件が新たに登録され系1万492件となる。
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ノーベル賞・大村智先生と青木繁
天才画家の「熱」と「輝き」を共有‥吉武研司
(西日本新聞・文化2015年10月17日付)‥⇒印刷用PDF
大村智先生と青木繁、ノーベル賞の科学者と夭折(ようせつ)の天才画家—。私たちNPO法人「青木繁『海の幸』会」は大村先生を理事長に頂き、青木繁が「海の幸」を描いた「小谷家」(千葉県館山市)の修復・保存を目指す運動を続けてきました。6年間の活動を経て、近く目標額に達し、修復を終え、来年4月には一般公開が始まる予定です。
私は佐賀西校生の頃、美術部の石橋美術館(福岡県久留米市)見学で「海の幸」に感動し、熱に浮かされ画家を志し上京しました。それから30年後、女子美術大の学生とスケッチ旅行に行った布良(千葉・館山)の海岸。時空を超えて「海の幸」の熱気がぶり返しました。「ここであの絵が生まれたのだ」と思えたとき時に鳥肌が立ちました。「海の幸」が描かれた小谷家を「絵描きの聖地」として残したいと思ったのでした。
久留米出身の画家吉岡友次郎氏と出会い、小谷家保存に向けたNPO法人設立を計画する中で、当時、女子美大の理事長だった大村先生と繋(つな)がるのです。入江観先生(女子美名誉教授)を通じて理事長就任を依頼すると、大村先生はすぐに「小谷家」を訪ね、修復プランを把握し、資金面も計画し、引き受けていただきました。その後の動きは迅速でした。
新婚旅行に館山を訪れたのが「海の幸」との繋がりを強めた、とも話されていました。修復・保存費用として私財300万を寄付され、東京や福岡などで計12回開いたチャリティー絵画展では、その都度作品を購入されるなど、常にこの運動を後押しし、元気づけてもらいました。
「海の幸」は「青木繁の青春」のピークに制作された作品で、近代に踏み出した「日本の青春」と交差し、その息吹を記録した傑作とも言えます。そのイメージ力は、若い絵描きの精神の血を湧かせあおって、脳に刻印する力を持っています。青木と坂本繁二郎、福田たね(青木の恋人)、森田恒友の房総への旅は1904年。神話を研究していた青木は海の神を祭る安房神社を訪ね、海に遊びました。ある日、坂本から大漁の素晴らしい様子を聞き、いきなり美の女神が舞い降り、宿泊していた小谷家で現場を見ずしてあの絵をイメージしたのでした。
それから70年後、大村先生は小谷家がある館山の対岸、相模湾を挟んだ伊豆半島のゴルフ場で土を採取し、新種の細菌を見つけ、寄生虫に効果のある抗生物質を発見。それが感染症の治療薬となり、ノーベル賞につながったとの話は、広く報道された通りです。
大村先生は絵が大好きで、才能を愛し、美を深く愛しています。作品をコレクションし、奨励制度を設け、病院をたくさんの絵で飾り、美術館をつくり、後輩を育て、人を助け、北里大学はもちろん女子美の発展にも尽くされました。「人のために生きること」を信条とする先生の判断と能力は、様々なところで発揮されてきたことでしょう。
大村先生にはじめて会った時は、「ビリッ」とする厳しい印象でした。しかしいったん話し出すと優しく、笑いが出てくる感じで、昔のおやじのイメージがあります。意志が強く、きちんと生きておられる感じがひしひしと伝わってきます。
「海の幸」を描いた22歳の青木繁の「熱」はきっと大村先生に伝染し、「海の幸」のイメージの輝きも共有されているのでしょう。
よしたけ・けんじ 画家。1948年佐賀市生まれ。NPO法人「青木繁『海の幸』会」理事、元女子美術大教授。独立美術協会会員。
酒々井まちづくり研究所
第3回輝く創年とコミュニティ・フォーラム〜創年が地方を創生する〜
【日時】平成27年11月8日(日)10:20〜18:30(受付10:00〜)
【会場】酒々井町中央公民館(午前/交流会)・プリミエール酒々井(午後)
【参加費】入場無料(ただし、交流会は負担金2,000円)
⇒詳細はコチラ。
【プログラム】
10:00〜受付 中央公民館
10:20〜12:30 分科会トーク「人と人を結びつける地域活動の実践」
*第1分科会「観光・地域資源の発掘と活用」
・「NPO法人輝け酒々井まちづくり研究会」嵯峨野 むつみ 氏
・「ガールズ&パンツアーとコラボ」(茨城県大洗町)=大洗町商工会経営指導課長:那須 誠 氏
・「エコミュージアム」(南房総市)NPO法人富浦エコミューゼ研究会 理事長:鈴木 勇太郎 氏
・コーディネーター:池田 恵美子 氏(NPO法人安房文化遺産フォーラム事務局長)
*第2分科会「『若者』がつくるまちづくり」
・「酒々井青少年おもてなしカレッジ」酒々井町教育委員会:殿城 和恵 氏
・「ふなばし駅前図書館」(船橋市)NPO法人情報ステーション:岡 尚輝 氏
・「市民をつなぐアートプロジェクト」(水戸市)Mee Too推進室室長:甲高 美徳 氏
・コーディネーター:岩田 美紀 氏(NPO法人全国生涯学習まちづくり協会地域研究員)
*第3分科会「創年の学びを活かしたまちづくり」
・「五色豆の活動」大室亭 絶好調:山岸 文雄 氏
・「たまり場実楽来(ミラクル)」(江東区)株式会社実楽来: 相原 富子氏
・「学びと実践の場 江戸川綜合人生大学」(江戸川区)江戸川綜合人生大学推進室室長: 森本 磨岐子 氏
・コーディネーター:杉山 修 氏(酒々井まちづくり研究所研究員)
*第4分科会「子育て支援・子どもが主役のまちづくり」
・「酒々井おもちゃの病院」代表: 萩原 和夫 氏
・「子どもが安心して成長できるまちづくり」
(松戸市)NPO法人子どもの環境を守る会Jワールド 理事長: 三浦 輝江 氏
・酒々井まちづくり研究所研究員 :南部 正子 氏(佐倉市)
・コーディネーター:浅岡 裕 氏(さわやかちば県民プラザ所長)
12:30〜13:30 昼食
12:30〜受付 プリミエール酒々井
13:30〜13:50 オープニング 町長あいさつ、来賓あいさつ、他
14:00〜15:00 基調対談「創年が地方を創生する」
・福留 強 氏(聖徳大学名誉教授・酒々井まちづくり研究所長)
・三ツ木 清隆 氏(俳優)
15:10〜16:40 シンポジウム「高齢社会を活性化させる」(仮題)
・里見 朋香 氏(文部科学省生涯学習政策局政策課長)
・永池 榮吉 氏(公益社団法人スコーレ家庭教育振興協会会長)
・大田 順子 氏(学校法人緑ヶ丘学院理事長)
・島村 善行 氏(トータルケアクリニック医院長)
・小坂 泰久 氏(酒々井町長)
・コーディネーター:清水 英男 氏(NPO法人全国生涯学習まちづくり協会副理事長)
17:00〜18:30 交流会(会場:中央公民館)※交流会負担金2,000円(会場で受付)
⇒詳細はコチラ。
*問い合わせ・お申し込み先
コミュニティ・フォーラム実行委員会事務局(酒々井町住民協働課内)
電話:043-496-1171(内線361・362)
FAX:043-496-1231
・主催/酒々井町、酒々井町教育委員会、コミュニティ・フォーラム実行委員会、
酒々井まちづくり研究所
・共催/NPO法人全国生涯学習まちづくり協会、事業構想大学院大学事業構想研究所
・後援/内閣府、文部科学省、千葉県、千葉県教育委員会、全国生涯学習市町村協議会