旧安房南高の木造校舎を愛する会
メンバー20人草刈りに汗
舞台の裕次郎映画5月に上映も
(房日新聞2018.4.18付)‥➾印刷用PDF
館山市の旧安房南高木造校舎の保存活用を目指す市民グループ「安房高等女学校木造校舎を愛する会」がこのほど、敷地内の草刈りや掃除を行った。メンバーら約20人が繰り出して作業し、終了後は今後の活動などについて意見交換した。
木造2階建ての同校舎は、関東大震災後の昭和5年に建てられた。日本古来の木造建築と西洋建築を融合させたつくりが特徴で、当時の最新技術で耐震性にも優れている。
平成7年に県文化財に指定され、そのノスタルジックな姿から映画やドラマなどのロケにも活用されている。
安房高に統合された現在は、年に一度の見学会が開かれている程度で、同会がボランティアで清掃奉仕。春の陽気で周囲の雑草も生い茂ってきたことから、この日の草刈りとなった。
繰り出した会員らが手分けして1時間ほど草刈り。終わるとお茶を飲みながら、意見交換した。同校が舞台となっている石原裕次郎主演の「嵐の中を突っ走れ」の上映会を5月20日に開催することなどを確認した。
館山の地下壕跡、入場最多に
昨年度3万8248人、団体と県外客が大幅増
(読売千葉2018.4.17付)‥➾印刷用PDF
館山市の指定史跡「館山海軍航空隊赤山地下壕(ごう)跡」の入場者数が2017年度、3万8248人に上り、過去最多を更新した。平和学習の場だけでなく観光拠点としても人気で、団体客と県外客が大幅に増加した。
市によると、赤山地下壕跡は総延長1.6キロ。全国的にも大規模な壕で、一級品の戦争遺跡として知られる。大部分は素掘りで、砂岩と泥岩層が織りなす美しいしま模様の地層が特徴だ。安全が確保されている250メートルが04年度から公開されている。
入場者数は公開が始まって以降、年間1万5000人前後で推移していたが、戦後70年を機に記念行事が開かれたり、メディアで紹介されたりして知名度がアップ。15年度に3万人を超え、16年度は3万1550人を記録した。
17年度は団体客が前年度からほぼ倍増し、全体の41%を占めた。県外客も4割増えて全体の71%となり、市は「戦争遺跡が観光資源として見直され、旅行会社のツアーに組み込まれたことが大きいようだ」としている。今後、ガイドマップや説明用看板の内容を充実させていく考えだ。
入場料は一般200円で、NPOによる有料ガイドもある。問い合わせは市豊津ホール(0470・24・1911)。
赤山地下壕、入壕者過去最多を更新
ツアー増え団体客が倍増
(房日新聞2018.4.7付)‥➾印刷用PDF
館山市の戦争遺跡「館山海軍航空隊赤山地下壕(ごう)」の平成29年度の入壕者数が、3万8248人(前年比6698人増)で過去最多を更新した。戦後70年を契機に注目を集めており、同年度は団体客が倍増したことで、トータルで約2割増の大幅な増加をみせた。
赤山地下壕は、総延長約1・6キロもある全国的にも大規模な防空壕で、館山を代表する戦跡のひとつ。
入壕者数は、以前は年間1万5000人前後だったが、戦後70周年の節目となった27年度以降は3万人台にふえている。
新聞、テレビで数多く紹介され知名度がアップしたことが増加の要因だが、29年度は過去最高だった昨年度もさらに上回った。
市のまとめによると、入壕者の内訳は主体の個人客は2万2511人(同1041人減)でやや減だったが、団体客が1万5737人(同7739人増)と倍増。県外客も4割超増えた。
旅行会社のツアーが増えたことが理由で、市は「平和学習の拠点のみでなく、観光資源としても定着してきたことを裏付けるものと考えている」と分析。
今後も入壕者に手渡すガイドマップの内容の充実や壕内の説明看板のせっちなど施設の充実を図るという。
➾印刷用PDF=1・2➾印刷用PDF=3.4
続きを読む »»
青木繁「海の幸」記念館・小谷家住宅
2018年4月28日(土)〜5月6日(日)毎日開館
*おらがごっつぉ お楽しみ市 ときどき音楽会 in青木繁「海の幸」記念館
4月28・29・30日(土日月) 11:00〜14:00
5月3・4・5・6日(木金土日) 11:00〜14:00
*癒しの森ウォーキング in 安房自然村 ※雨天中止
安房自然村の森には、有志で整備した階段の遊歩道と、山頂には360度の眺望を堪能できる
手作りの天空テラスがあります。紙芝居「八犬伝」もお楽しみください。
4月29日(日)・5月4日(金) 10:00〜12:00
受付9:30〜 安房自然村ホテル正翠荘
参加費500円(小中高300円)‥ 青木繁「海の幸」記念館入館券・傷害保険付
.
➾印刷用PDF
〝過ちと向き合うことを、恐れてはいけない〟
‥⇒印刷用PDF
花の谷クリニックで心療内科を担当する、精神科医であり、劇作家でもある、胡桃澤伸さんが関わったテレビのドキュメンタリー番組が、昨年から今年にかけて何本か放映されました。
日本があの時代に「国策」として、行い、多くの日本人が関わり、そして命を落とすことになった、満蒙開拓の歴史について知る貴重な番組です。
そのビデオを観て、伸さんのお話を聞く会を、二夜連続で開きます。そうぞいらしてください。
.
①2018年4月5日(木)19:00〜21:30
「村人は満州へ送られた〜〝国策〟71年目の真実」NHKスペシャル(49分)
村人を送り出した、ある村長の記録や破棄されたはずの秘密文書が発見され、農村を中心に村人がどのように送り出されたのか実態が明らかになってきた。
新た院発見された日記や国側の資料を通じて、国策はいかに遂行され、地方の山村から人々は、なぜ満州へ渡ることになったのか、その真相を明らかにする。
.
②2018年4月6日(金)19:00〜21:30
「あなたのいない村〜満蒙開拓を語り継ぐ」SBCスペシャル信越放送(50分)
長野県阿智村の子どもたちが、満蒙開拓団の語り部の証言をもとにした朗読劇を上演。戦争体験者が少なるなるなか、村の戦争の歴史を語り継ぐとはどういうことなのか。
.
「決壊〜祖父が見た満州の夢」第32回民教協スペシャル信越放送(46分)
戦争中、長野県河野村で村長を務めた胡桃澤盛(くるみざわもり)は、国策に従い、村人を満蒙開拓団として満州へ送り出した。
しかし、ソ連軍の侵攻で戦場と化した満州で、73人が集団自決。後に、盛は、42歳で自ら命を絶った。孫の胡桃澤伸(しん)は、大勢の村人を死に追いやった祖父、自責の念に苦しみ自殺した祖父のことを、どう受け止めていいか分からずにいたが、祖父が死の直前まで書いていた日記を手がかりに、祖父の人生と向き合っていく。
【初運航】高速ジェット船で行く
@江の島から南房総館山へ〜日帰り選べる観光コース
‥⇒詳細はこちら
【旅行料金】大人11,500円・子ども8,800円
.
*Aコース=館山のポピー&旬のいちご狩りを楽しむ満喫コース
*Bコース=地獄のぞき・鋸山ハイキングコース
グラビア安房の国
『Sai』vol.78(2017.12.1) ‥⇒印刷用PDF(P.1)‥⇒印刷用PDF(P.2)
発行=一般社団法人在日コリアン・マイノリティ人権研究センター
千葉県館山市とその周辺はかつて「安房国」と呼ばれ、東日本の玄関口として重要な港を擁し、多くの海洋民が交流と共生を繰り返してきた。一方で、交易の支配権をめぐる様々な権力の影響を受けており、その象徴として中世の城跡群や近代の戦争遺跡群も多く見られる。その一部を紹介する。
「かにた婦人の村」と「噫 従軍慰安婦」石碑
1965年、深津文雄牧師は、社会から見捨てられた女性たちが一生安心して暮らせる婦人保護施設「かにた婦人野村」を設立した。1984年、一人の寮生が自ら従軍慰安婦体験を牧師に告白する。この告白を受けて、1985年、施設内にある小高い丘に1本のヒノキの柱を建てた。そして翌年そこに「噫(ああ) 従軍慰安婦」と刻まれた石碑が建立された。
「韓国挺身隊問題対策協議会」の代表ユン・ジョンオクさんが1988年8月にこの石碑を訪れた。
128高地「戦闘指揮所」
戦争末期、館山への敵上陸を阻止するための抵抗拠点として「洲ノ埼海軍航空隊」敷地内(現在は「かにた婦人の村」)に建設された地下壕。壕内には「戦闘指揮所」「作戦室」という額が残っており、「昭和19年12月竣工」「中島分隊」と刻字されている。さらに奥の小部屋の天井には約3m四方に掘られた龍のレリーフがあり、全国でも珍しい貴重な地下壕。
赤山地下壕
現在の海上自衛隊館山基地のすぐ南側に、通称「赤山」と呼ばれる標高60mの小高い山がある。凝灰質砂岩などからできた岩山の中には、総延長2㎞近い地下壕と、巨大な燃料タンク基地跡などが残っている。戦争末期に格納施設がつくられ、緊急の兵舎や医療施設として、基地の司令部・奉安殿・戦闘指揮所・兵舎・病院・発電所・航空機部品格納庫・兵器貯蔵庫・燃料貯蔵庫などの施設があったと考えられ、全国でも極めて珍しい航空要塞的機能をもった地下壕であったと推定される。
大巌院と四面石塔
1603(慶長8)年、里見義康の帰依により、雄誉霊巌上人を開山として創建。浄土宗の檀林。ここに1624(元和10)年、雄誉霊巌上人が建立した四面石塔がある。高さは219㎝。東西南北の各面に、朝鮮ハングル・中国篆字・和風漢字・印度梵字で「南無阿弥陀仏」と刻まれている。特に注目されるのは「ハングル字形」が朝鮮国第4大王世宗が1446年に公布したものの、短期間で消滅したという創生初期の「東国正韻」式の字形といわれ、韓国にもない非常に貴重なものである。
秀吉の朝鮮侵略と家康の回答兼刷還使事業にかかわる時代背景から、異国で亡くなった戦没者供養と平和祈願をこめて建立されたと推察される。
館山・小谷家住宅で人形浄瑠璃楽しむ
(読売新聞千葉版2018.3.16付)‥⇒印刷用PDF
館山市布良(めら)の小谷家住宅「青木繁『海の幸』記念館」で21日、江戸人形浄瑠璃を楽しむ会が開かれる。
築役130年の小谷家住宅の周辺地域では、かつて人形浄瑠璃が行われていた。住宅の雰囲気にも合うため、昨年初めて同記念館で上演したところ好評を博した。このため、今回は午前10時からと午後1時半からの2回上演する。
出演は相模原市を拠点に活動する江戸人形浄瑠璃保存会(中込功代表)の一座。「寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)」など2演目を上演する・
公演に合わせ、人形浄瑠璃の主人公の女性たちを描いた日本画の特別展示も行われる。
人形浄瑠璃の定員はいずれの回も40人。鑑賞料は1000円。要予約。問い合わせは小谷さん(090・3434・3622)へ。
NPO法人青木繁「海の幸」会「快燦会」開催
「小谷家住宅」修復・保存の目標達成
(新美術新聞2018.3.21付)‥⇒印刷用PDF
洋画家・青木繁が滞在し、代表作「海の幸」を制作した千葉県館山市の「小谷家住宅」の修復・保存を目的とした「NPO法人青木繁『海の幸』会(大村智理事長)は、当初の目標を達成し、2月22日、東京都内で解散式=愉快に燦然と輝くお別れの会「快燦会」を行った。
「海の幸」が生まれた小谷家を保存しようと、洋画家・吉武研司、吉岡友次郎両氏の呼びかけに、画家、美術関係者が賛同、2010年1月NPO法人の登記、同年2月に設立総会を開催、地元館山市の「青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会」(NPO法人安房文化遺産フォーラム)と協働し、目標金額4300万円を目指し募金活動を行った。
その輪は広く一般にも広がり、文化講演会や館山市へのバスツアー、また青木繁「海の幸」オマージュ展(出品作家269名のチャリティー展)が東京、京都、福岡など全国で14回開催された。そして寄付の目処がついた2014年4月より工事に着工、2016年2月には目標金額4300万円を達成し、同年4月29日には「青木繁『海の幸』記念館・小谷家住宅」の一般公開が開始された。
現在までにおよそ4500万円の寄付が寄せられ、同会からは約3500万円(石橋財団からの助成金はじめ、理事長の大村智氏、青木繁の孫・松永洋子ほか、オマージュ展売り上げなど、協賛会員及び協力者700人超からの寄付金)、及び地元では約1200万円(館山保存会の募金、館山市の補助金など)、ふるさと納税などを利用した寄付金が集まった。
同会副理事長の洋画家・入江観氏は「所期の目的を達成するために、予想をはるかに超えて8年の歳月がかかったが、それは多くの人々の『海の幸』への思いと善意が結晶した証であった」とこれまでの活動を振り返る。
同会のこれまでの活動記録は、詳細な報告書『青木繁「海の幸」と布良(めら)』(掲出)に編纂され、後世に残された。
なお、地元館山市では青木の没後50年を記念し1962年「海の幸」記念碑が建立され、歴史・文化的価値の高い小谷家住宅を保存するための長い活動の歴史がある。現在は「青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会」が継承し、小谷家の管理・運営を担い、さらなる協力を呼び掛けている。
★青木繁「海の幸」記念館・小谷家住宅
(千葉県館山市布良1256)
開館:毎週土・日曜(お盆時期・年末年始を除く、4月〜9月=10〜16時、10〜3月=10〜15時
料金:維持協力金・一般200円
※布良へは東京駅八重洲南口発、バスタ新宿発の高速バスが便利。