◎農民一揆「万石騒動」から300年
…三義民たたえ来年記念祭 館山
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江戸時代に安房国北条藩で起こった「万石騒動」から300年。騒動で犠牲になった3人の名主の300回忌に当たる来年に、「万石騒動安房三義民300年祭」開催の機運が盛り上がっている。
万石騒動は正徳元(1710)年、当時北条藩(現館山市)の27カ村約1万石を支配していた屋代越中守忠位のとき、藩政を預かった川井藤左衛門が元禄大地震からの復興に、労役や2倍近い年貢を課したことで農民が立ち上がった農民一揆。
数百名の農民が江戸の屋代家に押しかけて門訴し、老中にも駕篭(かご)訴した。農民代表の湊村角左衛門、国分村長次郎、薗村五左衛門の3名主が処刑された一方、屋代家は改易、川井らも処刑されるなど農民勝訴で決着した。
処刑された3名主は「三義民」とたたえられ、処刑場跡地がある館山市国分地区の国分寺には供養塔が建てられた。命日には毎年法要が営まれるほか、50年ごとに記念法要が営まれている。
300回忌の来年を前に今年2月、同地区や市文化財保護協会、NPO安房文化遺産フォーラムが共同して実行委員会(委員長・佐野邦雄市文化財保護協会長)を立ち上げた。17日に開かれた検討会では、来年11月20日の300年記念祭に合わせて、同地区の処刑場跡地に新たに記念碑を建立し、事業費を寄付金で賄う方針を確認した。「万石騒動で農民は武装蜂起せず、言葉で訴えた。“義”の心を後世に伝えたい」と記念事業の意義を示す。
寄付金の振込口座は郵便局で「万石騒動安房三義民300年祭実行委員会」(00150-4-263116)。問い合わせは国分区長の行貝さん(電話)0470(22)4824。
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*千葉日報サイトはこちら。

◎青木繁の「海の幸」記念碑
解説モニュメント設置
…地区の観光振興に期待
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明治の洋画家・青木繁が滞在した館山市布良の地に建立されている「海の幸」記念碑脇に、その経緯などを詳述した解説モニュメントが設置された。記念碑の保存活用をめざす地元の声を受け、国の地域活性化・生活対策臨時交付金で市が事業化。新たな観光スポットとして期待されている。
1904(明治37)年夏、東京美術学校を卒業した青木は、恋人の福田たねや画友の坂本繁二郎らとともに写生旅行に布良を訪れ、網元の小谷家に滞在。ここで、後に近代洋画では最初の重要文化財に指定された「海の幸」を描いた。
記念碑は、青木の没後50年を記念して1962(昭和37)年、当時の館山市長らが発起人となり、「海の幸」の舞台となった阿由戸の浜が一望できる小高い丘の上に建立された。
布良を含めた富崎地区では最近、地区住民などが中心となり、「青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会」も設立され、青木繁や「海の幸」を題材とした地域活性化に向けた動きが活発化。地区内には青木繁が逗留した小谷家住宅や阿由戸の浜、布良崎神社などの地域資源も多く点在する。
そこで、市商工観光課が「地域における観光振興の一助になれば」と解説モニュメント設置を事業化。高さ1メートル、幅1.6メートルほどの台座にCAPPセラメタルで「海の幸」のレプリカを、さらに経緯などをまとめた解説を加えた。事業費は約173万円。


■「千倉の風力発電問題を考える会」から緊急告知■
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ご存じですか?.千倉に巨大な「風力発電所」が建設される計画を!
白間津・大川地区で国内最大級の風車10基の建設工事計画が進行中。
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○地域の海を育んできた森林が広範囲に伐採され、尾根が削り取られます。
○山からケモノたちが下りてきて畑を荒らしたり、土砂の流出で海産物にも影響が?
○風車は広い範囲から見えます。景観が壊され、観光にとっても大きな打撃が!
○基礎や道路工事で、地下水脈にダメージを与えるおそれが。
○全国で騒音・低周波に苦しむ被害者がいます。法規制がないため、被害者は救済されないままです。
○市や国の公共事業ではありません。
○クリーンエナジーファクトリー(CEF)という会社の民間事業なので、町や市に売電収入は1円も入りません。
○発電機の寿命は15〜18年。使えなくなった風車の青つぃ松は誰がするの?
○資産価値も下落する?
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●反対署名にご協力ください。署名用紙はこちらから。
…詳細は、同会の公式サイトから。
※【房日】090714*千倉の風力発電に反対署名…掲載記事はこちら。
※【房日】090722*根耳に水の風力発電…社説「展望台」はこちら。
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◎参照=「平久里嶺岡の風力発電を考える会」

現在、房州地域の2つの風力発電建設計画をめぐって住民の反対運動が起こっているのをご存知だろうか。
ひとつは、南房総市千倉町の白間津・大川地区。計画を進めているのは北海道に拠点を置く事業者で、房州特有の海に迫った低い山並みの尾根伝いに風車10基を建設しようというものだ。
風力発電施設は風車が大きいほど採算性が向上するとして近年、大型化の傾向が強まっており、今回建設が予定されているのは高さ135m、羽根の長さ50mの国内最大級の風車という。
これだけの高さがあるとまず思い浮かぶのが景観の変化である。同地区は春はお花畑、夏は海を目ざしてたくさんの観光客が訪れる。4年に一度の白間津の大祭には遠方からも人が訪れる。そんな景勝地に果たして巨大風車がマッチするだろうかという問題。
また、風車建設には山の造成と林道の整備が必要になるため、周辺環境への影響が懸念される。付近の海は海女や海士が潜る天然の漁場。清流で知られる長尾側の源流にもあたる。工事で海や川に土砂が流出することはないのだろうか。風力発電施設が引き起こすといわれる騒音や低周波による周辺住民の健康被害も気になる。
もう1ヵ所は南房総市平久里の井野、荒川、平塚3地区に高さ118mの風車を7基建設しようという計画。予定地は南房総市ながら、自治体境界線上にあるため鋸南町佐久間、鴨川市平塚・大山平塚など隣接する地域にも影響があろう。
千倉では短期間に5,000人を超す署名が集まり、住民グループによる説明会も開催されて、一旦は建設に同意した地権者の中に同意を撤回する動きも出ている。一方、平久里のほうは、今月中にも補助金が下りるかもしれないというさらに差し迫った状況の中で反対署名が展開されている。
クリーンエネルギーとして期待される風力発電であるが、民間事業に補助金をつける形で普及促進が図られているため、建設に際しては市の同意は必ずしも必要ではなく、また法的な環境アセスメントも要求されていない。
したがって、今回の2件のように、これだけの巨大施設建設にも拘わらず直接の地権者以外、地元を蚊帳の外に置いたままで計画が進んでしまうところに制度上の問題があり、根耳に水の周辺住民の反発はその分大きい。
※【房日】090714*千倉の風力発電に反対署名…関連記事はこちら。
※「平久里嶺岡の風力発電を考える会」…案内チラシと署名用紙はこちら。

■「平久里嶺岡の風力発電を考える会」からの緊急告知■
〜ひとりでも多くの方に知らせてください!〜
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●平久里(南房総市)、佐久間(鋸南町)、平塚・大山平塚(鴨川市)の自治体境界線上に大規模商用風力発電所の建設計画があります。
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南房総市(旧富山町平久里地区)井野、荒川、平塚の3ヶ所に、日本最大級(118m)の風力発電所(風車)7基の建設計画があり、事業者による申請手続きがすでに始まっています。建設地は南房総市域ですが、鋸南町佐久間地区、鴨川市平塚、平塚大山地区にも、健康被害をはじめとする生活への影響が考えられます。周辺地区住民総意による行動をもって、建設を止める必要があると我々は考えます。
同じく建設計画のある南房総市千倉町大川区・白間津区(共に反対署名が住民の過半数に到達[7/15])、影響の及ぶ白浜町では、住民による反対署名運動が起こっています。
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●風力発電所建設による生活への影響
1.低周波音(耳に聞こえない高エネルギーの空気振動)による人体への健康被害
(各地で報告が出ています)
2.24時間続くモーター音、風切り音による騒音
3.夜間、航空機用ストロボの点滅
4.斜陽時、室内にも届く、プロペラの太陽光遮断による明滅。
5.1〜4の家畜(酪農・畜産・ペット)への影響。
6.1基分の用地に1,000〜1,500㎡の山林を伐採。大型重機複数台が通行できる作業用林道を広範囲に建設。
7.6の地下水(井戸・農業用水)への影響。枯渇や土泥・有害物質流入の可能性。
(作業林道建設地域全域)
8.土砂滑り(建設隣接地に土砂災害危険地帯多数)。
9.景観の変容。118mの風車による圧迫感。
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●認定されない公害「低周波音被害」
低周波音による健康被害は科学的未解明のため、法整備が進んでいない。被害者は苦しみの中に置き去りにされている。報道でも、いくつかの番組(NHK「おはよう日本」「ほっとイブニング」、テレビ朝日「報道ステーション」ほか)によって報告されています。
※録画DVD有り。また、被害者から直接実情を聞いています。
【被害例】重度の睡眠障害、手足のしびれ、頭部(脳・耳)や胸部(呼吸器)、全身への圧迫感、全身の疲労感、精神の不安定、睡眠時の金縛り・無意識運動など。日本のみならず、世界中で風力発電による低周波被害者が苦死んでいます。
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●建設決定まで時間がありません。
2009年7月中に認可がおり、その後すぐに着工されてしまう可能性があります。(現在の制度上、必ずしも近隣住民の同意が無くても風力発電所建設をすることは可能のようです)。「平久里嶺岡の風力発電を考える会」では、7月末(28〜30日のいずれか)までに集めた署名を携え、代表・加藤登紀子(「国連環境計画」親善大使)によって、開発不許可を求める要望書を森田健作知事に提出する考えです。大変短い期日ですので、時間の限られた署名運動となります。どうか精力的なご協力をお願いいたします。
南房総市長は、千倉の風力発電所建設計画に賛成しない旨の意見書を提出しています。=房日新聞7月14日付掲載記事=..しかし、制度上、市の同意は建設に必ずしも必要無く、予断を許さない状況です。
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●案内チラシと要望署名用紙はこちらから。
※詳細は、同会の公式サイトから。
◎参照=「千倉の風力発電問題を考える会」
※【房日】090714*千倉の風力発電に反対署名…掲載記事はこちら。
※【房日】090722*根耳に水の風力発電…社説「展望台」はこちら。
2009年7月21日、館山市によって青木繁《海の幸》記念碑の説明看板が設置されました。
*当日の様子は、「布良・相浜の漁村日記」をご照覧ください。

千葉県では、NPO活動推進ビデオ(DVD)が製作されました。
タイトルは、「NPOならきっとできる!」。
対象者別に、“子ども編”と“大人編”と2種類あります。
NPO法人安房文化遺産フォーラムは両方に紹介されています。
*案内チラシ(PDF)はこちら。
*副読本(PDF)はこちら。
*映像内容は、千葉県インターネット放送局から全編見られます。
◎海の日と終戦の日、戦争遺跡ガイド実施
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館山市のNPO法人安房文化遺産フォーラムは毎月第一日曜日に行っている戦争遺跡無料ガイドを7月20日の海の日、8月15日の終戦記念日にも実施することを決めた。
家族、小グループが対象で、同市宮城の「館山海軍航空隊赤山地下壕跡」(市指定史跡)をガイドの解説を聞きながら歩く。各回いずれも午前10時から約2時間の予定。参加希望者は開始時間に現地集合。問い合わせは同フォーラム(0470-22-8271)へ。


●千倉の風力発電、5,044人の署名添え要望書
…南体する住民グループ、南房総市長「地元の考え尊重したい」
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南房総市千倉町の白間津・大川地区に計画されている、風力発電施設に対し、地元で反対活動を続ける「千倉の風力発電問題を考える会」(鈴木務代表)が13日午前、市役所に石井裕市長を訪問した。建設反対の署名5,044人分を添え、市に要望書を手渡した。鈴木代表らは「デメリットも多く、安全性や環境面でも疑問がある。一部地権者の同意もない」などと、市への計画に同意いないよう求めた。石井市長は「多くの署名を尊重したい。市としては5月に同意しない旨の書面を提出している」などと応じた。
風力発電は、クリーン・エナジー・ファクトリー(本社:北海道根室市、CEF)が、CEF千倉ウィンドファーム事業として計画。考える会によると、白間津・大川地区の山中に高さ135m、羽根の長さ50mの国内最大級の風車を10基建設する。事業は民間ベースで進められ、新エネルギー等事業者支援対策補助金の公募に申請している。
考える会ではこの計画に対し、地元へのメリットが少なく、森林伐採や自然環境保護、騒音、低周波などの影響があるとして、反対運動を展開。今月5日から12日までに5,044人の反対署名を集めた。このうち339人が大川地区、236人が白間津地区で、両地区以外からも1,373人の署名が集まった。
鈴木代表ら6人は13日、市役所を訪問。市長に地元で反対運動がある旨を伝えた。反対署名を添えた市への要望書では「問題のすべてを解決し、地域住民が納得して合意しない限り、この事業を認めるべきではない」などと明記し、事業者への指導を要望した。
石井市長は「市として、現時点で(事業に)同意したものではない。今年5月には市として同意しない旨の文書を(新エネルギー導入促進協議会へ)提出している」と回答。そのうえで「地元の考え方を尊重し、判断したい」などと応じた。
考える会では、26日締め切りで第二次署名活動を展開し、広く問題を訴えていく方針だ。まだ15日午後7時からは、白間津コミュニティ集会所で、考える会を開く予定。

◎絵を通じ生き方見つめて 館山
無言館の窪島氏が講演
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太平洋戦争末期、画家を志しながら学徒出陣などで戦場に送られて命を落とした戦没画学生の作品を収蔵・展示する美術館「無言館」(長野県上田市)の窪島誠一郎館主の講演会が10日夕、館山市の県南総文化ホールであった。
窪島氏は「画学生らは反戦を訴えるために作品を描いたのではない。妻や恋人、家族など、愛するものを描くことで自分の命を描き、生きる証としたのだ」と指摘。戦後六十数年を経て日本人が大切なものを失い、子が親を、親が子を殺すという時代に「反戦平和という4文字だけでなく、自分の生き方を振り返る場所として無言館を見ていただきたい」と訴えた。
また「人間は感動の記憶を他者の命に伝えていく義務がある」と強調。「自分にしか歌えない歌、描けない絵」とともに人生を歩んでいこうとメッセージを送った。
窪島氏は1941年、東京生まれ。印刷工や店員、酒場の経営などを経て、79年に大正期の洋画家、村山槐多など夭折画家の作品を展示する「信濃デッサン館」を上田市に設立した。97年にはデッサン館の隣接地に「無言館」を設立。異色の美術館として注目され、2005年に菊池寛賞を受賞した。
講演で窪島氏は▽村山槐多の生涯▽信濃デッサン館設立の経緯▽戦没画学生たちの遺作収集に執念を燃やした画家、野見山暁治氏との出会い▽画学生らの作品に込められた思い——などを切々と語った。15年前、なぜ遺作収集をする決断をしたのかという理由については「あの時の自分の気持ちがよく分からなくなることがある。戦争とかはどうでもよくて、私の50年の人生を考えていたのかも」と赤裸々な思いを口にした。
講演会は、同館を訪ねた鋸南町の画家、溝口七生さんや年金者組合安房支部長の橋本芳久さんらが実行委員会を組織して企画。会場の小ホール(300人収容)は満員となり、入場できなかった約30人が別室のモニターで講演を聞いた。
◎当日配布プログラムはこちら。
◎来場者の感想はこちら。
※房日サイトはこちら。