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【赤旗】950127=朝の風、50年後のフィールドワーク

(千葉県)内陸部の安房郡三芳村には特攻兵器「桜花」の基地があった。「桜花」といえば、大型攻撃機の腹に抱きかかえられ、目標近くで切り放される人間爆弾である。大戦末期には南房総の山中からカタパルト(射出機)で射ち出して、ロケット噴射で山を越え沖合の艦船に人間もろとも突入させようとしたのである。

【房日】950113=戦後50年、埋もれた戦史調査

戦後50年、埋もれた戦史調査
高校教諭らが実行委員会
8月に平和を考える集い開催へ
(房日新聞1995.1.13)

第二次世界大戦の終戦から五十年をきっかけに、安房地域の戦史を掘り起こし平和の意味を後世に語り継ごうと、高校の教諭らによってこのほど「戦後五十年・平和を考える集い」実行委員会(会長・加藤俊夫安房高教諭)が組織された。

房総半島は、首都・東京を守る戦略拠点として重要な位置にあり、戦争末期には米軍上陸も想定されていたという。このため、安房地域には戦時中の施設や、悲話も多い。こうしたことから思想、信条を超えて賛同者を募り、戦時中における安房地域の役割、埋もれた戦争遺跡を調査研究して、戦争の悲惨さを確認しようというもの。実行委員会では八月に、資料を展示した「戦後五十年・平和を考える集い」を開催する計画。活動の第一段階として、今月二十二日に、戦争遺跡を訪ねるフィールドワークを予定している。

実行委員会組織のきっかけは、平成五年十月下旬、館山市で開かれた「学徒出陣五十周年学徒兵と関係者が語る『館砲』『洲ノ空』展」。この展示会に関わり、調査を行った安房南高教諭の愛沢伸雄さんが、同展示会が大きな反響を呼んだことなどから、さらに戦後五十年をきっかけに、調査研究を進め、風化していく中で、正確な史実をは握して後世に残そうと、賛同者を募った。呼びかけに対し、これまでに高校教諭、一般市民ら八十二人が加わった。

実行委員会では、今後、小、中学校教諭にも呼びかけて賛同を増やし、市民の情報を得ながら調査を進めていく予定で、最終的には、郷土史研究や、学校教材に役立つ本にまとめたい考え。

今月二十二日に行われるフィールドワークでは、バスで、館山市宮城の旧海軍航空隊赤山地下壕要塞群、三芳村下滝田にあるロケット特攻機「桜花」発射基地跡などを視察する。

定員五十名で費用は二千円。当日、午前九時三十分までに市コミュニティセンター駐車場前集合。

申し込み、問い合わせは愛沢さん(夜間のみ電話27-6350)へ。