【房日】050818=米国での房総アワビ漁師語る、知事と対談

館山で知事と対談
9月3日、米国での房総アワビ漁師語る
合唱組曲の初演コンサートも

モントレーから大学名誉教授と市民団

米国でのアワビ漁師語る、館山で知事と対談
合唱組曲の初演コンサートも 9月3日

(房日新聞2005.8.18付)

米国・カリフォルニア州のモントレーから9月、大学名誉教授と一般市民40人が館山市にやってくる。モントレーは、明治時代に白浜出身の小谷源之助らがアワビ漁を行った地。教授らは、地域史の中で日系移民の研究を行っており、3日には県南総文化ホールを会場に、モントレーでの房総アワビ漁師に関する講演と、堂本暁子知事との対談も行われる。この日は、合唱組曲「ウミホタル-コスモスブルーは平和の色」の初演コンサートもあり、大勢の来場を望んでいる。入場無料。

催しは、市民有志でつくる「虹のかけ橋」実行委員会(本多かおる実行委員長)が主催、NPO南房総文化財・戦跡保存活用フォーラム、県文化振興財団などが共催、「虹のかけ橋-ウミホタルとアワビがむすぶ日米交流」と題して開かれる。

当日は午後1時30分から始まり、1部で合唱組曲のコンサート、2部で「太平洋をわたった房総のアワビ漁師たち」をテーマに、モントレーのカブリオ大学名誉教授で地域日系移民史研究家でもあるサンディ・ランドン氏が、現地でのアワビ漁と民間交流の歴史に関し、スライドを使って講演、さらに戦前カリフォルニアで生まれた堂本知事と対談を行う。

明治時代にモントレーにわたった小谷らは、現地でアワビの潜水器漁を行い、様々な製品を産み出した。邊国では日系人排斥運動があった際も、高い潜水技術が評価され、房総のアワビ漁師だけは日米両国から特別に渡米が許可されたという。日系移民100周年にあわせ、活躍した地が「コダニ・ビレッジ」と公式に命名された。

ランドン氏は、モントレーで一般市民を対象とした地域史の勉強会を開いており、こうした人たちに呼びかけ来日することになった。一行は2日に来日、3日の催しに参加したのち、フォーラムメンバーらの案内で、安房の歴史的な場所を見学。その後、京都などを観光し、再び館山にもどり、八幡祭礼を見て18日に帰国する。

1部で披露される合唱組曲(大門高子作成、藤村記一郎作曲)は、戦争と平和をテーマにした作品で、この日に向け練習を重ねており、当日は東京、千葉などからも加わり、200人前後の大合唱団で披露する。

主催者側では、今回の催しをきっかけに館山と米国の観光交流を推進したい、としており大勢の来場を望んでいる。

また、この催しに合わせ同市八幡のたてやま夕日海岸ホテルで、9月11日まで「太平洋をわたった房総アワビ漁師の資料展」も開かれている。