【房日】170920*ウガンダ支援へ協力し慈善でギャラリー葉葉

画家と周囲の思いひとつに

闘病の大山晃一さん 地元で初の個展

ウガンダ支援へ協力し 慈善でギャラリー葉葉

(房日新聞2017.9.20付)‥⇒印刷用PDF

油絵の気鋭画家として活動、温暖な館山市に移住し、さらなる創作の意欲に燃えていた矢先、持病の悪化で入退院を余儀なくされた画家の個展が、同市北条のギャラリー葉葉で開かれている。画家本人はがんにかかり、館山では絵筆を握れない状態。それでもNPO法人のウガンダ支援に共鳴し、これまで描いてきた作品をチャリティで出展。画家との思いと周囲の思いがひとつになって、「画心一途 八十翁(おきな)」の異例の展示が始まった。

新潟県生まれの大山晃一さん(80)。幼年期に千葉県習志野に住み、千葉東高から日大芸術学部へ。独自で絵画を学び、太陽美術会展やフランスの公募展などに出展。パリへの短期留学もし、デッサンに励んだ。

1990年ごろから、個展中心とした活動に。県内外で個展を開催し、新塊樹社展会員に。千葉県展会員にもなり、精力的に創作活動に取り組んだ。

温暖な館山を創作活動の拠点にしようと、2008年に移住。その2年後に、糖尿病の悪化と脳血管障害で入退院を余儀なくされる。2016年にはがんが判明。現在はショートステイを利用しながら、自宅と施設でのんびり過ごす。

創作の場を求めての移住だったが、結果として館山での作画はできなかった。館山での個展もかなわず、せっかく求めた移住先で、館山の一部しか知らないまま過ごしていた。

偶然知り合った文化活動に詳しい仲野さんが橋渡しし、仲野さんが知人である岩村姫美代さんがオーナーを務めるギャラリー葉葉での個展を開くことに。NPO法人安房文化遺産フォーラム(愛沢伸雄代表)が、ウガンダ支援の活動を続けていることにも共鳴し、絵を通常価格の8〜9割引きという異例の値段で売却し、それをそのままウガンダ支援に役立ててもらおうと決めた。

作品は全部で60点ほど。静物や花、女性を描いた油絵で、独自のタッチが見る者の心をつかむ。価格もF8号で2万円前後と破格だ。

個展はその作品群から「バラと女と、」と命名された。10月3日まで(水曜休館)の午前11時から午後5時まで。

恵美夫人(75)は「館山の一部しか知らなかったが、こうして、初めての個展を開くことができて、幸せ。売れるかどうか分からないが、一枚でも売れてウガンダ支援の役に立ちたい。仲野さんや岩村さんに出会えたこともうれしい。和やかなギャラリーで、作品と一緒に本人(晃一さん)がここにいるような感じを受けると感慨無量だ。

問い合わせはギャラリー葉葉(0470-22-6842)へ。


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