戦争遺跡を活用するには安全の確保は欠かせませんが、公開して平和学習などの場にしていくことが大事です。例えば千葉県館山市の「赤山地下壕跡」は旧館山海軍航空隊の施設で、市は史跡に指定して内部を公開しています。
東京湾の入り口に位置する館山市は、首都・東京を防衛するための重要な拠点でした。ここがユニークなのが、そうした歴史を裏づける戦争遺跡を、地域全体の文化遺産の1つに位置づけていることです。
地元のNPO法人「安房文化遺産フォーラム」が掲げているのが、「館山まるごと博物館」。戦争遺跡だけでなく、戦国時代の城跡や明治時代の画家にゆかりのある住宅などの調査や保存運動も進め、これらを組み合わせたスタディーツアーなどを行っています。