ギャラリー

《草津への路》

駕籠の手に八里駄馬に三里して

浅間の裾野草津への路

「うたかた集」(青木繁/著)より

 

福田たね画

芳賀町総合情報館蔵

《信濃の春》

信濃なる佐久の平に残る雪

野守が背戸に李花さく

「うたかた集」(青木繁/著)より

 

福田たね画

芳賀町総合情報館蔵

《人魚の親子》

 

《人魚の親子》

さちやいかに

いまだわがせはかへりこぬ

おきや大島 波の音しぬ

「うたかた集」(青木繁/著)より

 

福田たね画

芳賀町総合情報館蔵

《磯の岩床》

晶き日を緑の波に子を抱きて

人魚の母の沖に泣く聲

「うたかた集」(青木繁/著)より

 

福田たね画

芳賀町総合情報館蔵

《帰る船を待つ女房》

眞日まてり磯の岩床焼け赫けて

底鳴る潮呻吟に似たり

「うたかた集」(青木繁/著)より

 

福田たね画

芳賀町総合情報館蔵

15.円光寺

 

《海の幸》制作の翌1905(明治38)年、青木繁は懐妊中の福田たねとともに身を寄せた無住の寺院。

滞在中、板戸4枚に焼き釘で平砂浦の荒波『海景』を描いた。右端には富士山見える。大正期に九州の医師が購入したといわれるが、現在は久留米市立美術館が所蔵。

円光寺には、江戸期の彫り師「波の伊八」が制作した欄間彫刻『龍と波』が現存する。青木の板戸『海景』と構図が酷似することから、イメージソースになった可能性が推察される。