支援と交流のあゆみ

ウガンダへの支援と交流のあゆみ

交流のはじまり 交流年表(活動記録)

英語教材でウガンダ支援活動が紹介される

(旧)千葉県立安房南高校では、足もとの地域に残る戦争遺跡を活用した平和学習の授業をとおして、女生徒たちは世界的視野を養い、自分たちには何ができるのかを模索しはじめました。その結果、戦禍によって孤児とエイズの蔓延するアフリカのウガンダへ支援することを、同校生徒会として決定し、1994(平成6)年、文化祭でウガンダ支援バザーや募金活動をおこない、NGOウガンダ意識向上協会(CUFI)を通じて約1,000ドルの支援金を送りました。

安房南高校のウガンダ支援は、生徒たち自身が身近な問題として関心をもち、平和的な国際貢献として取り組んだボランティア活動であり、国連の「子ども権利条約」の理念を実践した生徒会活動でした。その後、同校の家政科の廃止に伴って、職業自立支援を目的に使用していたミシンを送りました。7年にわたる支援活動が実を結び、2000(平成12)年にはウガンダに職業技術訓練施設が建設されました。同校と同じ、「AWA-MINAMI(安房南)洋裁学校」と名づけられ、建物正面には安房南高校の校章が掲げられました。このような高校生たちによる国際貢献活動は、地域の誇りであり、日本の誇りともいえるでしょう。

世界史教師であり生徒会顧問として当初より本事業に関わってきたNPO法人安房文化遺産フォーラム愛沢伸雄代表は、若者から始まった国際交流の火種を消さないよう、さまざまな団体に呼びかけて支援活動を続けてきました。高校生によって地域から世界に撒かれた種子が花開き、国際貢献の実が大きくなっていくためにも、「婦人保護長期入所施設「かにた婦人の村」「安房・平和のための美術展」実行委員会、館山病院健康友の会などが協力して、地道に活動を継続しています。

なお、安房南高校は、1907(明治40)年に県下で2番目の女学校として安房郡立女子技芸学校が開校。その後千葉県立安房高等女学校を経て、創立100年の歴史をもち、地域の女子教育に多大な貢献をしてきました。しかし残念なことに、2008(平成20)年春、高校統廃合により安房高校と統合し、安房南高校の歴史に幕が下ろされたものの、地球の裏側にはその校名は残っているのです。

統合後4年は、安房高校JRC(青少年赤十字)部が支援活動を引き継ぎ、ギフトボックスやクリスマスカードを送り、子どもたちとの交流を深めました。その後活動の継続が困難となり、現在は、安房西高校JRC部が活動のバトンをつないでいます。そして2014(平成26)年には、ウガンダ支援・交流20年を記念し、「安房南高校生徒像」を友情の証として寄贈しました。

2017(平成29)年、孤児の送迎や物資運搬に使用していたワゴン車が水牛とぶつかって故障したため、緊急支援を計画しました。ラウドファンディングを活用して支援の輪が広がり、10,000ドルを送金、中古のトヨタ・ハイエースが大活躍しています。

2018(平成30)年にはNPOフォーラム3名(鈴木正博・愛沢香苗・河辺智美)が、翌年には安房西高校JRC部顧問(高野清孝)がウガンダの現状や支援先の活動を視察しました。2018年より、継続的な子どもたちの支援につなげようと、安房地域内の協賛店舗でウガンダコーヒー(寄附付き商品)の提供・販売を行う「ウガンダコーヒー月間」キャンペーンを実施。また安房西高校JRC部は、文化祭でコーヒーを味わってもらおうと喫茶に取り組み、コーヒーを介して、より多くの方がウガンダへの関心をもってもらうきっかけになっています。2020年には県立館山総合高校でも賛同した生徒会とインターアクト部が中心となって、ウガンダコーヒーの販売協力のキャンペーンを展開しました。

2022年度より新たにNPO法人Global Bridge Network (以下、GBN)との協働により、「生理の貧困」に伴う少女の教育環境改善のために、布ナプキン制作やジェンダー教育のプロジェクトを推進します。

参照:記念誌「安房の高校生によるウガンダ支援・交流23年のあゆみ

 

【略年表  ~ウガンダへの支援と交流のあゆみ】

交流年表(活動記録)

1986 ウガンダ意識向上協会(CUFI)設立
1994 CUFIのスチュアート・センパラ氏、アジア学院(栃木県)の研修の一環で館山市の婦人保護長期入所施設「かにた婦人の村を訪問。施設長・深津文雄牧師の紹介で、千葉県立安房南高校がウガンダ支援活動開始。センパラ氏、安房南高校に来校。
1999 安房南高校の愛沢伸雄教諭、ウガンダ訪問
2000 AWA-MINAMI(安房南)洋裁学校ウガンダに設立
2004 NPO法人安房文化遺産フォーラム愛沢伸雄代表)設立、ウガンダ支援と市民活動への呼びかけを開始
2006 第2回安房・平和のための美術展、作品収益や募金等、チャリティの一部を寄付(以来毎年)
2008 安房南高校の統廃合により、県立安房高校JRC(青少年赤十字)部がウガンダ支援活動を引き継ぐ(~2012廃部)
2013 私立安房西高校JRC部がウガンダ支援活動を引き継ぐ
2014 ウガンダ支援・交流20年の集い開催、交流20年の記念に「安房南高校生徒像」寄贈
2017 クラウドファンディングで孤児送迎用の中古車購入
2018 NPOフォーラムメンバー3名がウガンダ訪問。「ウガンダコーヒー月間」キャンペーン開始
2019 安房西高校JRC部顧問高野清孝教諭、ウガンダ訪問(認定NPO法人テラ・ルネッサンスのスタディツアー参加)
2020 県立館山総合高校の生徒会とインターアクト部が中心となり、ウガンダコーヒーの支援販売に取り組む
2022 NPO法人Global Bridge Network (以下、GBN)と生理用布ナプキン制作プロジェクトについてオンライン協議し、協働事業を開始。
2023  センパラ氏来日。「ウガンダ支援交流30年のあゆみ」式典開催。

 

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