メディア報道

【房日】100420=亀田医療大学、財政支援望めず

24年開学目指す 亀田医療大学 県の財政支援望めず

鉄蕉館の理事長、国のモデル地域認定を模索

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学校法人鉄蕉館の亀田省吾理事長は18日、平成24年春に開学を予定している亀田医療大学(仮称)について、「千葉県からの(財政)支援は望めない」との見通しを明らかにした。鴨川市で同日行った医療シンポジウム後の記者会見の中で語った。

県からは、10億円前後の支援をあてにしていたといい、開学に向けた資金調達の先行きに不安が出てきた。同理事長は「看護師養成は、亀田メディカルグループ全体としての最重要課題。(大学開設計画は)不退転の決意で臨んでいく」と指摘。今後、安房地域全体を国の「医療モデル地域」に指定してもらう道を探り、その交付金を活用して資金問題を解消していく構想を示した。

理事長によると、亀田医療大学の開設構想をめぐっては、県南の20の自治体首長が連名で、県に支援を求める要望書を作成。片桐有而・鴨川市長、金丸謙一・館山市長、石井裕・南房総市長の3氏がこのほど県庁に出向き、陳情を行ったという。

しかし、県幹部の反応はきわめて鈍く、対応にあたった首長の一人から「可能性はない」との感触を得たという。

鉄蕉館は当初、大学建設にかかる費用を約48億円と算出。鴨川市が鴨川中移転後の用地の無償貸与を決めたことで負担は30億円に圧縮され、うち21億円を公的支援・個人、企業などからの寄付でまかなう計画を立てていた。

亀田省吾理事長は「これまでの大学新設などの通例から見て、率直な話、半額程度を県に期待していた」と言及。同席した医療法人鉄蕉会の亀田隆明理事長は「看護師が不足し、医療・福祉分野が今後の成長産業になると言われている中、県の認識は10年ぐらいタイムラグがある」と不満を示した。

亀田医療大学は、開学時には看護学部看護学科の1学年定員80人を予定。1期生が卒業する平成28年には、大学院設置を目指す。現在ある専門学校の看護師養成課程(1学年定員80人)も引き続き維持する。

亀田省吾理事長は「大学教員の人材は確保できた。来年3月に大学開設の本申請を行うため、この1年が重要。地域の理解と支援を得るため、積極的に働きかけを進めたい」などと語った。

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【写真説明】医療シンポでのパネル討論。右から2人目が鈴木寛・文科副大臣=鴨川

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(房日新聞2010.4.20付)

【房日】100416=青木繁『海の幸』安房西高にブロンズレリーフ

原寸大の青木繁「海の幸」

安房西高にブロンズレリーフ、講師の船田正廣さん制作

(房日新聞2010.4.16付)


館山市の安房西高等学校(熊沢彰校長)に、明治期の画家・青木繁の代表作「海の幸」を原寸大の彫刻にしたブロンズレリーフがこのほどお目見えし、校舎1階の「校内ギャラリー」に飾られた。

2001年から教団に立つ美樹t教師、船田正廣氏(72)が制作した「石膏原型」を、同校が約180万円をかけてブロンズに鋳造した。

「海の幸」は1904(明治37)年に制作されたが、同校も翌年の創立で、ほぞ同じ歴史を刻んできた。

熊沢校長は「青木が『海の幸』を描いた館山布良の小谷家住宅の保存運動があることを知り、感じるものがあった。船田さんの作品を校内に残したいという思いもあった。レリーフを通じ、生徒らが郷土の歴史・文化に誇りをもってくれれば」と話している。

船田さんは東京芸術大学彫刻科を卒業。安房南高、安房高で長く美術を教え、定年後ほどなくして安房西高に。「与えられた美術の準備室で、房州に来てからいつも気になっていた『海の幸』(の写真)と長時間向き合うことができた」という。

その中で、青木繁は彫刻家以上に彫刻的な絵を描く画家だとの結論に達し、「この絵から必ず彫刻が生まれる」と確信。原型のサイズ(縦70.2センチ、横182センチ)で「彼の感動に迫ってみよう」と、レリーフ制作を決意した。何度か行き詰まりながらも丸三年の年月をかけ、2004年に完成させた。

重さ約110キロもあるというブロンズ・レリーフには重厚感があり、迫力も十分。原画の持つ力強さを余すことなく表現している。

船田さんは「青木繁と館山の結びつき、『海の幸』の美術史上の重要性を理解していただき、熊沢校長に感謝している。自作がブロンズで残るのは至福な気持ちだ」と話している。

(房日新聞2010.4.16付)

【房日】100415*地域医療考えるシンポジウム

(房日新聞2010.4.15付)

元沢内村の加藤医師が講演

地域医療考えるシンポ

28日に 南総文化ホールで

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地域医療をめぐる問題について市民サイドから発言を続けている「安房の地域医療を考える市民の会」(愛沢伸雄・呼びかけ人代表)が28日夜、安房医師会との共催で、「癒しの海辺のまちづくり」シンポジウムを館山市の南総文化ホールで開催することになった。

地方・遠隔地での医療実践を重ねてきた医師やまちづくりのエキスパートを招き、講演や討論を通じて「保健医療分野が充実した、安心して暮らせる地域づくり」の可能性を探っていきたいという。

同会によると、シンポでは冒頭、かつて岩手県沢内村で「地域包括医療」推進に尽力した加藤邦夫医師(79)が「自分たちで生命を守った村」と題して基調講演。

その後、松永医院(南房総市)の松永平太院長、愛沢伸雄氏、高野良裕・前館山病院長、福留強・聖徳大学教授の4氏が「癒しのまちづくりの夢を語ろう!」をテーマにパネル討論を行う。

加藤医師は、1960年に国保沢内病院長に就任。「生命尊重行政」を掲げ、高齢者と乳児の医療費無料化を全国で初めて実現した故・深沢晟雄村長のもとで、全村民の健康台帳整備や先進的な疾病予防活動に取り組んだ。今も現役で、仙台徳州会病院で人間ドックを担当している。

当日は小ホールで、午後7時から8時45分までの予定。参加費500円。前売り券を、同ホールと安房医師会の協賛病院で取り扱っている。

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開催概要はコチラ

【房日】100411*赤山地下壕、見学者17,112人

(房日新聞2010.4.11付)

赤山地下壕、昨年度見学者は1万7,112人
過去最高記録、観光スポットとして定着

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館山市が、平和学習・観光交流の拠点として一般公開している戦争遺跡の赤山地下壕の平成21年度見学者実績がまとまった。総見学者数は前年より11.2%、1,723人増えて過去最高の1万7,112人を数えた。1日平均では約50人が訪れており、同市の観光スポットとして定着しつつある。

同地下壕は、米軍の空襲がはげしくなった太平洋末期、当時の館山海軍航空隊の防空壕として使われた。総延長1.6キロと全国的にも大きな地下壕で、市を代表する戦争遺跡のひとつ。一般公開翌年の平成17年1月には、市の史跡にも指定されている。

まとめによると、見学者の内訳は個人客が9,264人で全体の54.1%と半数を超えている。学習旅行などの高校生は24.7%と全体の4分の1にとどまり、大人が75.3%を占め、相変わらず戦前・戦中世代の人たちに関心が高いことがうかがえる。県外からの来訪者も9,542人で55.8%と過半数を数える。月別では、7月が2,000人と最も多く、次いで5月の1,934人、10月の1,742人、11月の1,648人の順で続き、7月の1日平均は66.7人にのぼった。

同市教委によると、一度ガイドをした団体などから紹介され、見学の際にガイドを依頼するケースが増えており、近くのホテルなどの案内で訪れる宿泊者の姿も目立つ。「こうした相乗効果が増加につながっている」としたうえで、「さらにPRに努めていきたい」としている。

【房日】100410*医療者育成考えるシンポ

(房日新聞2010.4.10)

医療者育成考えるシンポ 鴨川 18日
学校法人「鉄蕉館」
看護大学の開学に向け

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鴨川市に看護大学の開学を目指す亀田病院系列の学校法人「鉄蕉館」(亀田省吾理事長)は、地域における医療者育成を考えるシンポジウムを18日午後1時30分から4時30分まで、同市民会館で開く。無料で、問い合わせは鉄蕉館大学開設準備室(04—7099—1211)へ。

安房4市町と県、安房医師会、県看護協会、房日新聞社などの後援で、タイトルは「目指せ健康長寿日本一」。看護師や介護士らの人材不足が予想される中、将来に向け取り組むべき医療者育成対策を専門家に聞き、合わせて仮称「亀田医療大学」のビジョンを理解してもらおうという。

プログラムは、亀田理事長が亀田医療大についての説明を交えあいさつ。「幸せな長寿社会に向けたわが国の国家戦略」と題した基調講演と、3人のパネリストによる「地域における医療者育成を考える」のシンポが続く。

講演するのは、「教育や医療など、社会サービスに関する公共政策の構築」をライフワークとする文部科学副大臣の鈴木寛氏。東大法学部を卒業後、通商産業省に入省。シドニー大学、慶応義塾大学助教授などを経て現職。「中央省庁の政策形成過程」など多数の著書がある。

一方のシンポは、鴨川市の長谷川孝夫教育長が座長。市川保健所長(前安房保健所長)の久保秀一氏が「高校生に向けた『医療者になろう』キャンペーンの実際」、元総務省官僚で東大医療政策人材養成講座の医療基本法プロジェクト・リーダーの小西洋之氏が「疲弊している地域の医療福祉を守るために(国家行政の視点で)」、亀田総合病院の亀田信介院長が「安全、安心と地域振興(医療機関の立場から)」のタイトルで語る。

【房日】100408*館山の教育旅行実績

(房日新聞2010.4.8付)

教育旅行 21年度は50校受け入れ 館山

豊富なメニューで年々増加

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地域資源を活用した体験観光を目玉に、教育旅行の誘致に力を入れる館山市の21年度実績がまとまった。受け入れた学校数は、昨年より4校増えて50校を数え、無人島探検やビーチコーミング、田植え体験など豊富なメニューに、延べ6007人(前年比1757人増)の子どもたちが「館山」を体感した。

5月の連休明けから夏休みが始まるまでの端境期に、中学・高校による教育旅行のニーズは高く、限りある予算の範囲内で体験観光を通した学習旅行を求める学校側の思惑と合致。市内でもNPOや業者の協力で、里海や里山を利用した豊富な体験メニューもそろうようになり、6年ほど前から同市の教育旅行受け入れが本格化した。

以来、16年度が12校、17年度38校、18年度は42校と年を追うごとに増加。とりわけ関西・中京方面からのディズニーランドとセットにした修学旅行が多く、最近は東北エリアや首都圏の学校が学習旅行に訪れるケースも目立ち、受け入れ施設もペンションやホテルから民宿も加わるようになってきた。

21年度の状況によると、月別受け入れ数はやはり6月が10団体で最も多く、次いで5月の7団体、4、10月の5団体と続く。体験プログラムの人気ランキングでは、やはり海の館山を象徴する海辺の自然観察・ビーチコーミングが1271人とトップで、平和学習体験の908人、砂山滑り体験528人、房州うちわづくり407人、田植え体験338人の順となっている。

すでに、今年も今月14日から受け入れがスタート。前年を上回る予約状況となっており、「教育旅行のニーズはまだまだ高いです」と窓口となっている体験交流協会では話している。

【房日】100401=漁村の食「おらがごっつお富崎」

漁村の食65点を記録

「おらがごっつお」富崎版刊行

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国土交通省のモデル事業として館山市富崎地区の「まちづくり・まち起こし」をすすめているNPO法人安房文化遺産フォーラム(愛沢伸雄代表)は、このほど地区に伝わる漁村の献立65点のレシピなどを収録した冊子「おらがごっつお(わが家のごちそう)富崎」をまとめ、地区の約500戸に全戸配布した。

「みずなます」「ナマダ(ウツボ)の塩焼き、から揚げ」「ゴンズイの味噌汁」など、地元の人にはおなじみの料理のほか、「しょだき(塩汁)」「ブダイのづけ寿司」など、富崎地区ならではのメニューも収録。

いまでは、地区でもほとんどつくられなくなった「しょがつ」(カツオの干物のようなもので保存食として正月の神棚に飾る風習があった)の作り方、古くから祝いの席で述べられる「ほめ言葉」や、地区の年間行事も収めた。地元食文化の調査は、市民グループ「青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会」などが実施。布良、相浜で回覧版を回してアンケート協力を呼びかけ、聞き取り調査を行なった。

調査担当者によると、「ひっくりかえりなます」(ジンタアジの皮を残し、ゼイゴがついたまま仕上げたなます)など、布良ではつくられているのに隣の相浜ではなじみのない料理も見つかったという。

冊子はA5判白黒64ページ。部数が限られているが、600円(税込、送料別)で販売する。希望者は住所と氏名、冊数を記入の上、ファクス(0470-22-8271)じゃ電子メール(awabunka@awa.or.jp)で同フォーラムに申し込みを。冊子の内容は同フォーラムのウェブサイトにも順次掲載される。

(房日新聞2010.4.1付)

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レシピ集「おらがごっつお」の内容はコチラ

上段メニューバー「新たな公」に収録。

【千葉日報】100401*エコウォーク富崎

南房漁村の雰囲気満喫たてやまエコウォーク盛況

青木繁没後100年を記念

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南房の自然や文化、人情に触れながら散策する「たてやまエコウォーク」が館山市の平砂浦、布良、相浜地区で催された。県内のみならず、都内や横浜市などから34人が参加し、漁村の雰囲気を満喫した。

今回のエコウォークは、「海の幸」などで有名な明治期の洋画家、青木繁が滞在し「海の幸」を描いた市文化財にもなっている同市布良の小谷家住宅を巡った。ガイドを務めたNPO安房文化遺産フォーラム(愛沢伸雄理事長)は「青木繁没後100年事業のキックオフにしたい」と話す。今回の参加費の一部は小谷家の修繕・保存費として寄付された。

昼食に立ち寄った相浜では相浜漁協(天野光男組合長)が浜揚げ解禁直後の伊勢エビを用意し、サザエなどと海鮮バーベキュー。参加者らは「味付けなしでおいしい」と舌鼓を打った。例祭に当たっていた相浜神社では、伝統のおはやしに拍手を送った。

エコウォークは、地域のガイドと一緒に歩き、通常の旅行では見落としてしまいがちな文化や特徴を発見する「歩いて楽しむエコツーリズム」運動の一環で、日本エコウォーク環境貢献推進機構が進めている。館山市では市内のNPOや各種施設などが「たてやまエコツーリズム協議会」を結成して8コースを設定、普及に努めている。

(千葉日報2010.4.1)

【房日】100330相浜の太鼓〜エコウォーク

海へと響け、相浜の太鼓
小中生への稽古が復活
神社の例祭でお披露目

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館山市の相浜地区で、しばらく途絶えていた祭り囃しの小中学生への伝承が、この春6ねんぶりに復活した。

相浜神社境内の二斗田集会所で、今月6日から週2、3回のペースで稽古を続け、27日の例祭で成果をお披露目した。当日は、富崎一体で行なわれた「エコウォーク」(たてやまエコツーリズム協議会主催)の参加者約40人も勇壮なお囃しを鑑賞。大きな拍手を送っていた。

高齢化が進む同地区では、子どもの数が少なくなるなどさまざまな理由から、祭り囃しの稽古が中断。この状態が続くことを心配していた30代中心の「囃子方」有志が「伝統ある地元の文化が途絶えてしまう」と、区長や神社の氏子らに復活を強く要請し、地区の父母らに働きかけたところ、小中学生18人が「お囃しを習いたい」と集まった。

稽古は夜間。家族の都合がつかない日は囃子方のメンバーが子どもらを送り迎えするなど、全面的なサポート態勢も構築。「ばかばやし」「すが」「おかざい」「しょうぜん」「やぐるま」の5つのお囃しの習得に取り組んだ。

住民によると、相浜の「ばかばやし」は房州の他の地区にはないもので、テンポが非常に速いのが特徴という。

相浜の磯部勲区長は「子どもたちが生き生きとやってくれてうれしい。独特のお囃しだと思っており、これを絶やさず後世に残すのは重要だ」と話している。

(房日新聞2010.3.30付)