(房日新聞2010.6.1付)
「協働」の社会がキーワード
館山 市民の会が趣意書発表
財政・医療・経済を重視
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11月にも予定される館山市長選に向け「市民マニフェスト」をまとめようと結成されたグループ「『立て直そう館山!』全市民の会」(呼びかけ人16人、愛沢伸雄代表世話人)はこのほど、設立趣意書を発表した。
少子高齢化社会が進む中「地域コミュニティの中で、市民がお互いに支えあう社会をどうつくるかが問われている」と問題提起。「行政や市民が協働するなかで(問題を)解決していく、そのような市民が主役になるまちづくりが求められている」と、市民目線での市政運営の必要性を強調している。
「立て直す」べき重要政策課題としては①財政②医療・福祉③観光・農水・雇用創出——を挙げて「足もとの館山市政の現状を学び、そこでの地域課題を確認して、その解決をはかっていく道筋を市民の立場から考えていく」としている。具体的には今後、「元気なまちづくり市民講座」などを市内各地区で開催。参加者と率直な話し合いを行っていくという。
一方、同会が12日に開くキックオフイベントの概要がまとまった。シンポジウム「癒しの海辺のまちづくり第2弾」と銘打ち、午後2時から4時半の予定で南総文化ホールで行う。参加費500円。
先進的なまちづくり事例の紹介として、東京都中野区副区長の石神正義氏が「中野サンプラザの立て直しと里・まち連携」、新潟県旧安塚町長の矢野学氏が「心の過疎をつくらないまちづくり」と題してスピーチする予定。
その後は大島博幸(館山病院総長)、平本紀久雄(千葉の海と漁業を考える会代表)、伊東万里子(劇団貝の火主宰)の各氏も加わり、「立て直そう館山!まちづくりを語ろう」をテーマにパネル討論会を行う。
石神氏は館山市出身。館山など7つの自治体と連携し、地方の一次産業と都会の消費者を結ぶ交流事業を推進する一方、中野サンプラザ社長として同施設の経営立て直しに取り組んだ。
矢野氏は、住民の重荷だった豪雪を資源ととらえ、雪の冷房化などユニークなまちづくりに取り組んだ名物町長。自治体の大型合併に際しては、公共サービス低下を防ぐために全町民参加型のNPO法人を設立、成功させた。
※シンポジウム開催概要=2010.6.12⇒⇒癒しの海辺のまちづくりシンポジウム第2弾
※【房日新聞】2010.5.19付⇒⇒記事詳細はコチラ
富崎ウォーク
好評で29日に再び開催
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(房日新聞2010.5.21付)
11年ぶりに同心会展
旧館山高教諭ら8人
文化ホールに絵画や版画
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(2010.5.21付)
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⇒⇒開催概要はコチラへ。
映画『日輪の遺産』、終戦の悲話、来年公開
館山・南条の里山でロケ
堺雅人・中村獅童らが迫真の演技
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来年の公開を目指して制作中の映画『日輪の遺産』(浅田次郎原作、佐々部清監督、角川映画配給)のロケが13日から16日までの4日間、館山市南条の里山周辺で行なわれ、主演の堺雅人や中村獅童、ユースケ・サンタマリアなど銀幕のスターが迫真の演技を繰り広げた。
同作品は昭和20年夏、終戦間近の東京周辺が舞台。帝国陸軍の真柴少佐(堺)が軍トップに呼び出され、山下奉文将軍が奪取した巨額のマッカーサー財宝を秘密裏に隠匿せよとの指令を受けるという、スリルと悲劇のストーリー。真柴は部下とともに、勤労動員少女を使って任務を遂行していく。
館山のロケ地は今回、財宝の隠し場所という設定で、撮影舞台が乗り込んだ。
記者が取材を許されたのは14日午後。山中にはこうこうと撮影用のライトが照らされ、当時の陸軍トラックが運び込まれるなど、大がかりなセットが組まれていた。
当日は晴天に恵まれたものの、前夜の雨で足もとが若干ぬかるんでいる。物語は真夏の設定であるため「朝からバーナーを使い、地面をくまなく乾かして撮影可能にした」(角川映画広報担当者)という。
現場では、砲弾が入っているようにカモフラージュした財宝入りの木箱を、中村獅童演ずる望月曹長がトラックの荷台から下ろすシーンを撮影中。女学生役の20人が作業を手伝い、木箱を防空壕に運ぶ。
『半落ち』で日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞した佐々部監督は、穏やかな表情でシーンごとの動きを出演者らに説明。入念にリハーサル、カメラテストを繰り返していく。いよいよ収録。スタッフの「本番でーす!」の声が響くと、周囲の雰囲気が一瞬にして張りつめた。
今回のロケ実現にあたっては、館山市のNPO法人安房文化遺産フォーラムが尽力。現場で撮影に立ち合っていた角川映画の北尾知道専務は「地元の方々の協力に感謝している。クランクインして2か月近くになるが、いい絵が撮れている」と話していた。
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ロケ現場での報道用撮影は許可されず、併用写真はいずれも角川映画提供のものです。
(房日新聞2010.5.21付)
万石騒動ウォーク、館山で23日に開催
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館山市の「万石騒動安房三義民300年祭実行委員会」が主催する、「万石騒動・安房三義民ウォーキング」が、23日午前10時から行なわれる。館野地区公民館から国分寺、三義民刑場跡などを巡る2時間のウォーク。館山市の学芸員・岡田晃司さんが講師をつとめる。参加費は100円(保険代などを含む)。受け付けは同公民館で午前9時45分から。問い合わせは、共催の安房文化遺産フォーラムへファックス(0470-22-8271)へ。
(房日新聞2010.5.19)
⇒⇒開催概要はコチラ。
(房日新聞2010.5.19付)
次期館山市長選、市民参加でマニフェストを
有志が呼びかけシンポ開催へ
独立候補擁立も視野
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今年11月にも行われる館山市長選挙をにらみ、市民参加型のまちづくりを願う有志らが「『立て直そう館山!』全市民の会」を立ち上げる方針であることが18日までに明らかになった。
優先すべき課題の抽出と具体的施策を探り、市民側が候補者に求める「マニフェスト」づくりに取り組む一方、市民の声を市政に生かすことのできる独自候補の擁立も視野に活動していくという。
呼びかけ人には愛沢伸雄・NPO法人安房文化遺産フォーラム代表、天野努・安房歴史文化研究会会長ら16人が名を連ねている。
国政レベルでは昨年衆院選で「マニフェスト選挙」が一気に普及したが、館山市民が同会の取り組みを今後どう受け止めるかが注目される。
関係者によると、市民の会はキックオフイベントとして、6月12日午後2時から同市の南総文化ホールでシンポジウムを開催。広く市民の参加を募った上で、「元気なまちづくり市民講座」を実施しながら市政を貫くビジョン、優先すべき課題、具体的な政策提言などを盛り込んだマニフェストをまとめていくとしている。
それに並行して、同会の理念や方向性に合致する人物がいれば早急に対話を重ね、新たな市長候補者擁立にかかわっていくという。
シンポジウムには館山出身で、館山市との「里・まち連携」を積極的に進めてきた東京都中野区の石神正義副区長、日本で初めて雪を商品化した「雪の宅配便」などユニークな活動を進めた矢野学・前新潟県安塚町長(現・上越市議会議員)をゲストに招く。
呼びかけ人の一人で、同会世話人に就任する愛沢伸雄氏は「安房の地域医療を考える市民の会を立ちあげ、医療従事者と市民サイドの対話の場をつくってきたものの、市政には危機感がまったくない。悪化する財政問題も含め、いま市民が関心をもつことが重要だ」と指摘。「呼びかけ人に名前は出せないが、賛同する企業人や農水産関係者などは多い。市民の本音を吸い上げ、マニフェスト作成に反映させていきたい」と話している。
「『立て直そう館山!』全市民の会」の趣旨書(案)によると、呼びかけ人は次のとおり。(50音順)
▽愛沢伸雄(NPO法人安房文化遺産フォーラム代表)
▽天野努(安房歴史文化研究会代表、元安房博物館館長)
▽天羽道子(社会福祉法人かにた婦人の村施設長)
▽池田恵美子(NPO法人安房文化遺産フォーラム事務局長)
▽伊東万里子(人形劇団貝の火主宰)▽梅園忠(元安房医師会長)
▽大島博幸(東京医科歯科大学名誉教授・館山病院総長)
▽沖山静彦(安房の地域医療を考える市民の会事務局)
▽小谷栄(館山市手をつなごう親の会事務局長)
▽高野良裕(前館山病院院長・徳州会最高顧問)
▽中沼良二(出版編集者)
▽橋本芳久(安房・平和のための美術展事務局長)
▽橋本新子(華道家・池坊湖月派代表)
▽船田正廣(彫刻家・館山美術会顧問)
▽平本 紀久雄(水産学博士・千葉の海と漁業を考える会代表)
▽渡辺隆祥(千葉県臨床心理ネットワーク顧問)
⇒⇒2010.6.12=癒しの海辺のまちづくりシンポジウム第2弾
稲村城跡草刈り、協力者を募る
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館山市の稲村城跡を保存する会は、6月5日に城跡に主郭部分の草刈りを行なうことになり、協力者を募っている。毎年初夏と秋の2回実施しているが、今回は会員以外にも城郭を見てもらう機会にと、ボランティアとして募ることになった。当日は草刈り機、カマ、飲み物、タオルなどを持参。午前8時50分までに城跡東側上り口付近の空き地に集合。問い合わせは鈴木恵弘さん(22-6260)か金久ひろみさん(23-5769)へ。
(房日新聞2010.5.18)
歩いてしのぶ一揆義民の志
万石騒動史跡ツアー
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江戸中期に北条藩(館山市)で起きた農民一揆ゆかりの地を巡る「万石騒動・安房三義民ウォーキング」が23日、館山市内で行なわれる。今年は、処刑された三義民の「300年祭」にあたり、主催者は「郷土の歴史を守っていきたい」と話している。
騒動は同市北条に陣屋を置き、周辺27か村約1万石を支配した北条藩で起きた。藩政を預かった川井藤左衛門は元禄大地震(1703年)の復興を急ぎ、領民に過酷な年貢を続けた。
これに怒った数百人の農民らは正徳元(1711)年、江戸藩邸に押しかけ、老中にも直訴したという。結局、農民代表の湊村角左右衛門、国分村長次郎、薗村五左衛門の3人の名主が処刑され、藩主の屋代家は失政の責任を取らされて改易、川井らも処刑された。
農民側の勝訴で、これが北条藩廃藩の原因とされる。処刑された3人は「三義民」とたたえられ、処刑場跡地のある館山市国分寺には供養塔が建てられた。現地では毎年11月26日、三義民の命日祭を行なっており、50年ごとに記念法要が営まれている。
ウォーキングは午前10時から正午まで、供養塔、200回記念碑。刑場跡などを歩くコースで行なう。雨天決行。受け付けは同9時45分から、館野地区公民館前広場で。参加費は資料代として100円。岡田晃司・館山市教委主任学芸員が案内する。
11月20日に開く「300年記念祭」に向け、市民有志による万石騒動・安房三義民300年祭実行委員会は賛助金を募り、記念碑の建立を計画している。問い合わせは、NPO安房文化遺産フォーラム(0470-22-8271)へ。
(読売新聞2010.5.16)
⇒⇒開催概要はコチラ。
万石騒動ウォーク
解説付きでゆかりの地めぐる
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今年11月に館山市で行なわれる「万石騒動安房三義民300年祭」を市民にPRし、取り組みへの機運を高めようと、同祭実行委員会(佐野邦夫委員長)が23日、三義民ゆかりの地をめぐる「万石騒動・安房三義民ウォーク」を開催することになった。
当日は午前9時45分に館野公民館に集合。10時にスタートし、国分寺の三義民供養塔や200回忌記念碑、滝川用水路、三義民刑場跡などを約2時間かけて歩く。館山市の歴史に詳しい岡田晃司さん=市生涯学習課主任学芸員=が講師となり、ウォークに同行。江戸時代に起きた農民一揆「万石騒動」の経過や背景を、現地に残る史跡の前で解説するという。参加費100円(保険・マップ資料代)。実行委では「この機会に、ぜひ万石騒動の痕跡を訪れてみませんか」と市民の参加を呼びかけている。
ウォークは館山市文化財保護協会、NPO法人安房文化遺産フォーラムも共催。問い合わせは同フォーラムファクス(0470-22-8271)へ。
⇒⇒開催概要はコチラ。
鋸南、生々しい証言次々と
65年前の「市部瀬の惨劇」
平和願い現地に60人集う
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友人が、同級生が、親戚が乗っていました——。65年前の5月8日、鋸南町下佐久間字市部瀬であった米軍機による列車への機銃掃射事件を忘れず、恒久平和を願おうという集いが8日、同所のJR内房線沿線であり、60人が惨劇の現場で献花、焼香した。地元有志らが、本紙記事を通じて当時の列車乗客にも参加を呼びかけたところ、高齢を押して駆けつけた人もいた。会場では民間人が犠牲になった惨劇が語り継がれ、参加者は平和への思いを新たにしていた。
事件は、1945年(昭和20)の5月8日午前11時50分に起きた。米軍機P51は、太平洋上から九十九里方面を経て、100機ほどが飛来。千葉市や木更津市を襲撃した後、38機が館山方面へ南下した。「千葉県の歴史」(平成12年、県発行)は、この日の空襲被害で、県内で死者41人、重傷者51人、軽症者52人、全焼家屋49、半焼家屋6——とまとめている。
房総西線(現内房線)の列車を襲ったのは、このうちの3機。波状攻撃を繰り返し、低空で列車に機銃掃射を加えた。乗客は死者13人、負傷者46人を数え、この日の空襲では県内最大の被害となった。
今年がその「市部瀬の惨劇」から65年になるため、地元の「明日の鋸南町を考える会・子どもの未来に平和を実行委員会」(安藤恵美子代表)が、現地での献花と焼香を呼びかけ、当時を知る人たちに語ってもらう会を開催した。
この日、会場の勝山ドライブインに集まったのは、60人。最初に線路わきで献花、焼香し、ドライブイン内で体験談を聞いた。
現場近くに住む川崎信さん(80)は、当時15歳。幼い妹たちを迎えに行こうとしたとき、空襲警報を聞いた。P51はバリバリと列車に機銃掃射を加え、乗客は逃げ惑った。近くの民家から火の手が上がり、悲惨な光景となった。
館山市竹原の農業、近藤好雄さん(86)は、志願して少年飛行兵となり、九州の部隊にいた。当時22歳。この日は外泊の許可が出て、館山へ向かうためこの列車に乗り合わせた。機銃の弾丸が左腕に当たった。勝山病院で治療を受けた。
このほか、敵機に向かって逃げて助かった87歳の男性、当時小学5年生で、小3の弟と乗り合わせた女性、列車の下に隠れて助かった81歳の男性など、当時の乗客の証言も次々と出た。
献花の現場では、杖や松葉杖の人もいて、65年の歳月が関係者に重くのしかかっていることがまざまざ。有志のメンバーらは「市部瀬の惨劇を後世に語り継がなくては、この戦争が風化してしまう」などと、ふるさとで起きた戦争の一端を伝え、恒久平和への決意を新たにしている。
(房日新聞2010.5.9)