メディア報道

【房日】140126*研究者ら可能性など探る 「館山まるごと博物館」でシンポ

研究者ら可能性など探る 「館山まるごと博物館」でシンポ

(房日新聞2014.1.26付)

地域の自然遺産や文化遺産を「まるごと博物館」と見立てるエコミュージアムの手法が、市民による生涯学習として全国的に広がりを見せる中、館山市での取り組みを検証するシンポジウムが2月16日、市内のたてやま夕日海岸ホテルで開催される。この分野の第一人者による基調講演やパネルディスカッションをとおして、取り組みがどんな未来を創造できるのか、その可能性と課題を探る。

20年にわたり文化財保存運動を展開してきた「館山まるごと博物館」の取り組みは、実践的なモデル事例として注目されている。〝平和・交流・共生〟をまちづくりの理念として、文化遺産の保存・活用を呼びかけてきた同博物館の活動は、地域住民の絆を育むとともに、共通の歴史をもつ地域間の連携として、広域「まるごと博物館」のまちづくり交流に発展している。

その活動の中心的役割を担ってきたNPO法人安房文化遺産フォーラムと、青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会が主催し、シンポジウムを企画。横浜国立大学大学院教授で日本エコミュージアム研究会前会長の大原一興氏を迎え、広く世界を見てきた同氏から「文化遺産を活かしたエコミュージアムのまちづくり」と題して基調講演してもらう。

この後、林浩二(県立中央博物館学芸員)、チョン・イルジ(神奈川大学助手)、杉江敬(館山市教育委員会生涯学習課文化財係長)、愛沢伸雄(安房文化遺産フォーラム代表)の4氏をパネリストに話し合う。

午後1時半〜4時までで、参加無料で興味関心のある市民の来場を呼びかけている。

 

椿の小原家庭園 午前中に見学会

シンポジウムに先立って、同日午前10時から「椿の館」として知られる同市南条の小原家庭園の見学会が開かれる。参加希望者は、同所の観音寺前に時間までに集合する。

小原家は、築160年の和風建築で、離れは映画「赤い鯨と白い蛇」のロケにも使われた。三代前の当主・小原金治(1859〜1939)は、明治期に県議や衆議院議員を務め、安房銀行(千葉銀行の前身)や房総遠洋漁業株式会社の設立と経営に関わり、安房の近代化に大きな役割を果たした。

その孫の謹治(1910〜1999)は、館山市花となったツバキを700種類育てた研究者として世界に知られ、作付した新種は「布良」「相の浜」「山王」などと名付けられ10種類にのぼる。

【房日】111229*ウガンダ支援の安房高JRC、先輩河辺さんが報告

ウガンダ支援の安房高JRC

先輩の河辺さんが現地報告、頻発する停電に驚きの生徒

(房日新聞2011.12.29付)‥⇒印刷用PDF

アフリカのウガンダ共和国で支援活動を続ける県立安房高校JRC(青年赤十字)の生徒22人がこのほど、同校社会科室で平成20年度卒業の河辺智美さんから「ウガンダ現地実習報告」を聞いた。

河辺さんは、東洋大学国際地域学部国際地域学科で、国際協力について学んでいる。今年9月にゼミナール研修でウガンダ共和国に約2週間滞在した。報告会では、河辺さんが滞在中に体験し感じたことなどを発表。子どもたちの就学についてや電力の供給状況など生活環境についても説明があった。生徒からは、「停電が頻発するといった生活環境の実情を知り驚いた」といった声が聞かれた。

同高は、旧安房南高校の生徒会とボランティア委員会の活動として行っていたウガンダ支援バザーを、学校統統合後も継続し収益金を毎年送金している。支援は、ウガンダ意識向上㈶(CUFI)を通じて行っており、同財団は86年に設立され国際的な支援が始まった。これまで支援金により「安房南高校洋裁学校」が開設されており、河辺さんは、支援活動が現地の子供たちに役立てられていることも報告した。

【房日】131218*青木保存会、東京の歴史館物視察

青木保存会、小谷家住宅公開に向け

東京の歴史建物視察

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明治期の洋画家、青木繁が画学生時代に滞在した館山市の小谷家住宅(同市指定文化財)の保存を目指す、「青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会」(嶋田博信会長)は、このほど、東京の歴史建物バスツアーを行った。会員ら25人が参加。先進事例視察として新宿区立中村彝(つね)アトリエ記念館と旧安田楠雄邸庭園(東京都指定名勝)を訪問した。

同会では、市のふるさと納税制度を活用し、全国の著名な画家が組織するNPO法人青木繁「海の幸」会とともに募金活動を展開。今後、2か年の修理復元工事を経て一般公開を目指している。

館山の転地療養をきっかけに画家となった中村彝は、新宿中村屋の相馬愛蔵夫妻から支援を受けて活躍した。大正期に新宿区下落合に建立した彝のアトリエは、住民による長い保存運動の末、新宿区によって新築復元され、今春から記念館として公開が始まっている。館内はイーゼルや調度品と複製画の展示で当時の雰囲気が再現され、映像で彝の生涯や画業を紹介している。奇しくも館山中村屋は、昭和初期に新宿中村屋から暖簾(のれん)分けした老舗であり、本店喫茶室には彝が布良で描いた「海辺の村(白壁の家)」の複製画が常設されている。

一方、文京区千駄木の旧安田邸は大正期建立の近代和風建築として価値が高く、現在は公益財団法人日本ナショナルトラストに寄贈されている。週2日の公開だが、今回は貸切の特別見学として企画され、管理運営を担っているNPO法人文京歴史建物の活用を考える会(通称たてもの応援団)理事の多児貞子さんから講義を受けた。市民ボランティア80人が建物や庭園の行き届いた清掃管理や館内ガイドなどに活躍。きめ細かい工夫や季節ごとに趣向をこらした企画が好評で、リピーター来場者も多いという。

視察を終えた参加者、「小谷家住宅の公開後のビジョンを具体的に描くためのヒントを多く得た」としている。

(房日新聞2013.12.18付)

【房日】130424*富崎小で若手劇団員がミュージカル披露

若手団員がミュージカル披露

休校の富崎小で合宿の劇団「歌舞人」

(房日新聞2013.4.24付)

昨年4月に休校となった館山市の富崎小学校で21日、劇団「歌舞人(かぶと)」の若手団員がミュージカル「アラジンと魔法のランプ」を上演した。市内を中心に子どもからお年寄りまで300人が集まり、生の舞台を楽しんだ。

歌舞人は、刑事ドラマ「太陽にほえろ!」でボン刑事役を務めた俳優、宮内淳氏が、俳優を目指す若者を育成するために主宰している劇団のひとつ。富崎小での稽古合宿をさる16日にスタート。17人が教室に寝泊まりしながら練習に汗を流し、この日の舞台で成果を披露した。

舞台では、主人公アラジンとエメラルド姫、魔法のランプから現れる魔人のジーニーが繰り広げる不思議の世界を、歌と踊りで演出。役者がステージから飛び出し、客席とふれあう場面もあり盛り上がった。

市内の女子小学2年生は「体育館が暗くなって少し怖かったけど、アラジンとエメラルド姫の歌や踊りがとても上手で楽しかった。また見たいです」と、間近でみる舞台に大喜びだった。

劇団を主宰する宮内さんは開演前に「地元のみなさんには、稽古合宿を温かく迎えていただいた。差し入れや風呂の面倒など本当に良くしてもらいました。お礼の意味もこめて稽古の成果を披露したい」などとあいさつした。

【房日】130419*若手劇団員が富崎小で稽古合宿

若手劇団員が稽古合宿

休校の富崎小 21日に舞台上演

(房日新聞2013.4.19付)

昨年4月に休校となった館山市の富崎小学校で劇団「歌舞人(かぶと)」の若手団員17人が稽古合宿している。最終日の21日には合宿の成果を地域に披露するため、「アラジンと魔法のランプ」の舞台を上演するという。

歌舞人は、刑事ドラマ「太陽にほえろ!」でボン刑事役を務めた俳優、宮内淳氏が、俳優を目指す若者を育成するために主宰している劇団の3つの劇団のひとつ。全国の学校などを巡り、地域とのふれあいを深めながら公演活動を展開している。

富崎小での合宿は16日からスタート。17人は教室を寝泊りに利用し、舞台セットを仕込んだ体育館のステージで、照明係や裏方の仕事をこなしながら、本番さながらに熱のこもった舞台練習を繰り返している。

21日の舞台上演は午後2時からで無料。劇団では「地元の人たちへのあいさつ代わり。夢と魔法のイリュージョンミュージカルを家族そろって楽しんでほしい」と来場を呼びかけている。

富崎小の合宿利用に地元も歓迎ムードで、NPO法人安房文化遺産フォーラム(0470-22-8271)が上演の事務局として協力。富崎地区コミュニティ委員会の磯部勲会長は「休校中の施設はいつでも使えるように整備している。合宿は歓迎。ミュージカル公演が楽しみ」と話している。

【房日】130220*NPO青木繁「海の幸」会大村理事長が300万円寄付

NPO青木繁「海の幸」会大村理事長が300万円寄付

青木繁ゆかりの小谷家保存に

(房日新聞2013.2.20付)

学校法人女子美術大学(東京・杉並区)の理事長で、NPO法人青木繁「海の幸」会理事長を務める大村智氏がこのほど、300万円を「ふるさと納税」として館山市の「小谷家住宅の保存及び活用の支援に関する事業」に寄付した。

【「ふるさと納税とは?」参照】

同市では、小谷家住宅保存活用支援基金に積み立てる。同基金への寄付はこれで17件、計395万円に。金丸謙一市長は「心強い応援に感謝の気持ちでいっぱい。貴重な文化財を保存、活用できるよう、支援を続けたい」と話している。

同市布良にある小谷家は、明治ロマン主義時代を駆け抜けた夭折の天才画家、青木繁が明治37年に滞在し、日本美術史に残る名画「海の幸」を描いたことで知られる。「海の幸誕生の家」とも呼ばれ、現在も当時の面影を残す家屋がある。

老朽化などが懸念される小谷家を、当時の姿に復元して公開したいというファンらが平成21年に設立したのが「海の幸」会。同市でも同年に小谷家を文化財に指定。23年には小谷家住宅保存活用支援基金を創設し、今年度からふるさと納税の使途事業にしている。


【ふるさと納税とは?】

ふるさと納税は、平成20年度の税制改正で導入された。税金の一部を、出身地やかかわりが深い居住地以外の自治体(都道府県や市町村など)に納めることができる制度。自治体によっては使い道を選ぶこともできる。

ふるさと納税した場合、確定申告することで2000円を越える部分の金額が、国や県、居住地の自治体に納める所得税と住民税から軽減(個人住民税所得割額のおおむね1割が限度)される。

例えば、専業主婦の妻とA市で暮らす年収500万円のサラリーマンが、B市に3万円をふるさと納税した場合、所得税の還付金と住民税の減額の合計が約2万8000円分の税金を、B市に納めたことになるという仕組みだ。

お礼の品など特典を設ける自治体も多い。安房では館山市が1万円以上で「地元特産品の詰め合わせ」や「季節の花」など。鴨川市が1万円以上で金額に応じて「長狭米」や「ヒジキ」「干物」など地元産の農産物や海産物、銘菓などを用意している。

ふるさと納税の方法は、自治体によって異なる。南房総市では、担当窓口の払い込みと郵便局(ゆうちょ銀行)の振込の2種類で、館山市ではこれに現金書留での送金(郵便料金は申込者負担)も可能。鴨川市は、郵便局以外の都市銀行や、千葉銀行、館山信用金庫などの金融機関でも振り込みできる。

【房日】131016ヘリテージまちづくり講座(古文書の保存活用)

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館山のNPO、ヘリテージまちづくり講座

古文書の保存活用学ぶ

館山市のNPO法人安房文化遺産フォーラム(愛沢伸雄理事長)と、青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会(嶋田博信会長)による「ヘリテージまちづくり講座」が開かれている。ヘリテージとは文化遺産のことで、文化庁の「地域の文化遺産を活かした地域活性化事業」の助成を受け、全5回で開催。先ごろ、同市富崎公民館で第2回目が行われ、市民ら34人が参加した。

近年、青木繁が滞在した布良の小谷家住宅や南条の小原家住宅から、明治期以降の資料が大量に発見され、近代水産業の発展に重要な関わりがあったことが分かってきた。これらの古文書をどう扱い、整理して調査していくかを学ぶため、地域史料保全有志の会代表を務める中央学院大学准教授の白水智氏を講師に迎え、「漁村資料の保存管理と活用」と題した講座を開いた。

白水氏は、長野県栄村で10年以上にわたり、山村の歴史文化を紐解く古文書の研究に携わってきた。同村は、東日本大震災の翌日の2011年3月12日に付近を震源とする震度6強の地震に見舞われ、甚大な被害を受けた。震災の一月半後に現地入りした白水氏らは、次々と解体され、廃棄物として処理される古民家や土蔵を目の当たりにし、文化財の損失に危惧を覚え、すぐに地域史料保全有志の会を発足し、そこに眠っていた文化財の救出活動を開始した。

置き場所の確保などの問題を一つ一つ乗り越え、活動報告会などを通して、子どもから高齢者まであらゆる世代の村民に「文化財を守ること」の理解を促した。今では、自治体の協力を得て、小学校の旧校舎を村の文化財保管庫にすることが認められ、将来的に村の歴史と文化の拠点施設にする流れを形成した。

白水氏は、「古文書や古い資料は家族写真と同じ。風景や人々の技術、生活の知恵や人間関係のかたちを残す地域のアルバム。その大切さに気づいたときに、文化がその地域らしさとして次の世代に受け継がれていく。震災後、生活基盤が復旧するだけでは、人は生きていかれない。文化が復興して初めて地域の復興につながると実感した」と、文化財保存の重要性を力説した。

講義後には、古文書に接する際の注意点などを解説。実際に明治期の文書類を仕分けし目録を作る実習を行った。参加者はその重みをかみしめた様子で、「この話を多くの人に伝え、押し入れの古い資料を捨てないように広めていきたい」と話していた。

【写真説明】文化財保全の重要性を力説する白水氏(中央)=富崎公民館

(房日新聞2013.10.16付)

【千葉日報】130907*韓国視察団、地域振興と地域資源探る

館山に韓国視察団、地域資源と観光振興探る

大巌院「四面石塔」など見学

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日本の観光振興を探るため来日した韓国の政府系視察団が、館山市で地域資源を生かしたまちづくりの在り方を視察した。一行は、韓国とゆかりのある大巌院(同市大網)を見学したり、明治の洋画家、青木繁が滞在し代表作「海の幸」を描いた小谷家(同市布良)や布良崎神社を訪ね、漁村の祭り文化に注目していた。

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来日したのは韓国文化体育観光部や同部研究機関、韓国文化観光研究院の職員や研究者ら約30人。

館山が視察の対象となったのは、神奈川大学の助手のチョン・イルジさん(32)が昨年、東京大学大学院の都市工学研究科在籍中にまとめた博士論文が韓国研究院の目に留まったためという。チョンさんは、館山市で戦跡や史跡を保存し、観光資源や平和教育に生かす活動をしているNPO安房文化遺産フォーラム(愛沢伸雄代表)に注目して、民間主導の生涯学習まちづくり「館山まるごと博物館」運動を論文に取り上げた。

大巌院には豊臣秀吉の朝鮮出兵で捕虜になった朝鮮人の供養塔「四面石塔」(県有形文化財)があり、「南無阿弥陀仏」とハングルで刻まれている。小谷家は青木繁が投宿した家で、「海の幸」は布良崎神社の神輿からインスピレーションを得て描かれたとの説もある。

視察を終え、同研究院国際交流センター長のイ・ドンホンさんは「四面石塔の平和を求める思いに感動した。広い交流が大切だ。館山の祭り文化は地元住民の手作りで個性的、印象的だ」と視察成果を語った。



【関連記事】

*洪城新聞2013.9.27=韓国観光文化研究新の視察団(日本語翻訳)

【房日】130906*ウガンダ支援と子ども絵画展

ウガンダ支援と子ども絵画展

活動と交流のあゆみ展

(房日新聞2013.9.6付)

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アフリカ内陸の赤道直下にある国ウガンダ。「アフリカの真珠」といわれる美しい国だが、経済破綻や内戦の影響で今なお貧困が続いており、旧安房南高校で始まった安房地域の支援活動が、20年来にわたって引き継がれている。そのウガンダ支援の歩みと現地から送られてきた子どもたちの絵画展が、館山市の館山病院ギャラリーで開かれている。13日まで。

「安房・平和のための美術展」をとおして7年前から支援を続けるNPO法人安房文化遺産フォーラム(愛沢伸雄代表)が主催。ウガンダの子どもたちが描いた絵画10点と、安房南高から安房高JRC、さらに市民グループへと広がっている支援活動の経過資料などが展示されている。

平和授業の中で、ウガンダではエイズと孤児がまん延し、教育を求めていることを生徒たちが知った旧安房南高で1994年、バザーや募金が生徒会活動としてスタートした。現地のNGOを窓口にして地道な支援活動を毎年続けた結果、2001年には「AWA—MINAMI(安房南)洋裁学校」がつくられた。活動は、高校の統廃合を経て安房高JRCに引き継がれ、さらに市民グループへと地域での活動の輪も広がっている。

安房南高時代に始まった活動から、間もなく節目の20年を迎えるにあたり、これまでを振り返り、今後の交流や支援のあり方を見つめ直そう、と同NPOが展示会を企画した。会場には、内戦がまだ激しかったころに現地の子どもが鉛筆で描いた絵や、やや落ち着いてきた最近の明るい作品など10点を展示。南高でのバザー風景など各種の資料や写真とともに支援活動の歩みをふり返っている。

【写真説明】ウガンダ支援の歩みと絵画作品が展示されている=館山病院

 

案内チラシ