館山海軍航空隊赤山地下壕跡 入壕者30万人到達
赤山地下壕跡 平和学習・観光資源として定着、課題は次の世代への引継ぎ
(館山市広報誌「だん暖たてやま」2018.12.1)‥⇒印刷用PDF
たてやまニュース
「赤山地下壕跡 平和学習・観光資源として定着
課題は次の世代への引継ぎ
平和学習として多くの人が訪れる館山海軍航空隊「赤山地下壕跡」の入壕者が30万人に到達しました。
地下壕跡は、自衛隊基地の南側にあり、2キロメートル近い地下壕と巨大な燃料タンク跡などが残る全国的にも大きな壕で、館山市を代表する戦争遺跡のひとつです。
建設時期は不明ですが、「昭和10年代初めに建設が始まった」という説と、「昭和19年以降に館山海軍航空隊により掘られた」という複数の証言があります。壕内には発電所跡や病室、通信室があったなどの証言から、全国的にも珍しい航空要塞的な機能をもった地下壕だったと推測できます。
平成16年4月に一般公開が始まり、翌年、戦争遺跡として初めて市指定史跡になりました。
戦後70年(平成27年)の節目に新聞・テレビ等で紹介されると、入壕者が大幅に増加しました。今では、平和学習の拠点だけでなく、観光資源としても定着しています。
今年8月には、初のコンサートを実施。壕内には、フルート奏者でふるさと大使の深津純子さんの美しい音色が響き、集まった聴衆は、幻想的な地下壕の新たな魅力を体感しました。
30万人目となったつあーの参加者は『ガイドの説明を聞くと「現代の日常生活では想像できないことが、戦時中に行われていたんだなあ」と思い、戦争の脅威を感じました』と話しました。
ガイドを行うNPO法人安房文化遺産フォーラムの愛沢伸雄代表は「30万人達成は感慨深い。戦争経験者が減っていく中で、戦争を伝えるのは、当時の〝もの〟を観て学んでもらうことが大切。れきしてきに貴重な資源を、どうやって次の世代に伝えていくかが課題ですね」と思いを話してくれました。
【赤山地下壕跡】
▼入壕料=一般200円、小中高100円
▼休壕日=毎月第3火曜、年末年始
▼開壕時間=9時半〜16時(受付15時半まで)
▼問合せ=生涯学習課0470-22-3698
旧安房南高第一校舎一般開放
卒業生ら「懐かしい」
(毎日新聞2018.10.31付)…⇒印刷用
昭和初期の木造建築の堅固さと西洋建築の精緻な技巧による美しさをそのまま残し、県の有形文化財に指定された館山市の旧安房南高校の第一校舎が27日一般公開され、多くの卒業生らが懐かしそうに校舎内を見て回った。同校は学校再編で10年前に県立安房高校と統合し、校舎は現在使われていない。保存運動に協力する地元のNPO法人が事務局となり、年に1度、一般公開している。
安房南校の前身は1907(明治40)年に開校した安房郡立女子芸妓学校。その後安房高等女学校などと名前を変え、地域の女子教育の中心として役割を果たしてきた。
木造2階建ての第一校舎は1930(昭和5年)の建築。関東大震災で旧校舎が倒壊した教訓を生かし、日本古来の建築技法に加え、人工石やれんがを組み合わせた「アールデコ様式」の西洋式技法を取り入れた。正面玄関は、翼を広げたような左右対称の美しい外観が特徴だ。
約80年前に卒業した南房総市千倉町の新井喜代さん(100)は介護施設の職員に車椅子を押してもらって訪れた。当時のセーラー服を体に当てて「涙が出るほどうれしい」と昔を懐かしんでいた。
【中島章陸】
BSテレビ東京12月1日「赤山」放送
館山のNPOが取材に対応
(房日新聞2018.11.28付)…⇒印刷用PDF
日本の歴史の謎を解く「ミステリアスジャパン」(BSテレ東、毎週土曜日午前7時半から)の取材クルーがこのほど、館山市宮城の旧海軍航空隊赤山地下壕跡を訪れた。この日の映像は12月1日に放送される予定。
赤山地下壕は、海上自衛隊館山航空基地の南側にある。総延長約2キロの地下壕が網の目状に掘られ、このうち約200メートルが一般公開されている。
軍極秘の航空機開発、実験に関わる長距離無線通信など機密性の高い部隊が置かれた。ここには戦闘指揮所、病院、発電所などがあったと考えられている。1941(昭和16)年に日米開戦前から掘られていたという証言もある。
昭和16年6月、主に艦船に配備された兵器の操作技術を学ぶ海上戦闘兵を養成する横須賀海軍砲術学校の分校として、館山海軍砲術学校が開校した。
1万5000人いたといわれる訓練生は、北はアリューシャン列島から太平洋の南洋の島々まで出撃していった。
取材クルーに応対したNPO安房文化遺産フォーラムの池田恵美子事務局長は「館山市内だけでも47の戦争遺跡がある」と説明。
➡ 番組概要と感想はこちら(橋本芳久)
◎テーマ「巨大地下要塞と謎の直接軍政4日間 〜千葉県館山市〜」
モントレー湾地域の人々
太田義夫(元千葉県立安房博物館研究員)
(房日寄稿2018.7.6〜7.18)
20人が貝磨き、オリジナルのペンダント
安房文化遺産フォーラム
(房日新聞2018.11.22付)‥⇒印刷用PDF
館山市布良の布良崎神社でこのほど、貝磨きペンダントづくりがあり、20人が地元に住む会の宝石づくりの職人、福田康孝さん(50)の手ほどきを受け、ペンダントをつくった。
青木繁「海の幸」誕生の家と記念碑を保存する会と、NPO安房文化遺産フォーラムが主催した。ペンダントづくりの前に、シーサイドセラピーと浜掃除が行われる予定だったが、雨のため中止に。
貝磨きの前に、青木繁を紹介したNHKの「日曜美術館」(昨年7月放映)を視聴。東京美術学校(現・東京芸術大)を卒業して間もない青木繁が絵の仲間と恋人を連れて布良の小谷家に逗留、ここで海の幸が生まれたことを確認した。
参加者は思い思いの貝を選んで、オリジナルのペンダントをつくった。
館山であす人形浄瑠璃、小谷家住宅で
(房日新聞2018.11.22付)
館山市布良にある小谷家住宅「青木繁『海の幸』記念館」である23日、江戸人形浄瑠璃を楽しむ会が開催される。鑑賞料は1000円。事前予約性で、鑑賞を呼び掛けている。
演目は「寿式三番叟・奥州安達ケ原 神萩祭文の段」で、江戸人形浄瑠璃保存会(中込功代表)が演じる。主催は青木繁「海の幸」誕生の家と記念碑を保存する会。
第1部は午前10時、第2部は午後1時半開演。定員は各40名。
申込、問い合わせは、事務局の関さん(090-9342-3638)まで。
5年生19人が木に名札
安房自然村敷地に50枚
(房日新聞2018.11.17付)
手つかずの自然が残っている館山市布良の安房自然村でこのほど、房南小5年19人が、約50枚の樹名板を設置した。
NPO安房文化遺産フォーラム(愛沢伸雄理事長)が主催した。樹木医の小池英憲さん(君津市)が県の木であるイヌマキ、館山市の木ツバキなどの特徴を説明、NPOの会員らが設置作業を補助した。
小学生たちは、自然村内の「名主の館」で樹名板に木の名前と個人名を記入した後、自然村敷地内を散策、竹で作られた簡易宿泊所の見学ではさすがに驚いた様子。全国各地からボランティアでやってくる人たちのために、NPO会員が手づくりした。
自然村のすぐ近くには、絵画「海の幸」で知られる明治時代の画家、青木繁が滞在した小谷家がある。小谷家敷地内にある木々にもプレートが付けられた。
旧安房南校舎を公開
NPOが特徴などガイド
(房日新聞2018.10.28付)…⇒印刷用PDF
県指定有形文化財の旧県立安房南高校木造校舎(館山市北条)が27日、一般公開された。卒業生らが校内を巡って、学生時代を懐かしんでいた。
昭和5年に竣工した木造2階建て。日本古来の木造建築と新たに伝わった西洋建築を融合させたつくりが特徴だという。
一般公開は、郷土の文化財に理解を深めてもらおうと、県教委と安房高が毎年実施。今年は、同高の歴史調査をするNPO法人安房文化遺産フォーラムが企画運営し、安房高等女学校木造校舎を愛する会が協力した。
同会の会員によるガイドツアーでは、当時の最新技術で建てられたという建物の魅力などを解説。左右対称につくられた外観、耐震性に優れた天井、梁(はり)、装飾のある柱や階段の手すりといった説明に、参加者らが熱心に耳を傾けた。
古い写真、資料などを並べたギャラリーも開設され、学生時代に思いをはせる卒業生が多くみられた。仲間同士で、当時の思い出話に花を咲かせていた。
安房高の生徒も協力。部活動での作品の展示、書道パフォーマンス、吹奏楽部、ギター部による演奏で盛り上げた。
昭和55年度卒業生の草薙早苗さん(56)=館山市=は、「卒業以来初めて訪れたが、きれいなままで驚いた。いろいろな方の協力で、保存されていて、卒業生としてありがたい」とほほ笑んだ。
同フォーラムの愛沢伸雄代表は、「木造校舎と同時に、安房の地域教育で、大きな役割を担っていたことも知ってもらえたら」と話した。
きょう28日は、同フォーラムと同会が主催する「ミニ講話&証言の会」がある。歴史などの講話を聞き、思い出を語り合う企画。午後1時半から3時まで。
赤山地下壕跡来場者30万人突破
(読売新聞2018.10.21付)
県内最大規模の戦争遺跡ともいわれる館山市宮城の赤山地下壕(ごう)の来場者が、2004年4月に公開を開始して以来、30万人を突破した。
30万人目となったのは県内を拠点に活動する「コープみらい地域クラブ平和を伝える会」のメンバー17人。17日に赤山地下壕を訪れ、出山裕之市教育長から「赤山地下壕クリアファイル」が贈られた。同会メンバーで船橋市の土佐茂春さん(67)は「戦争を繰り返してはいけない」と話していた。
EICネット「エコナビ」一般財団法人環境イノベーション情報機構
連載コラム「館山まるごと博物館」がスタートしました。
[001]24年にわたるウガンダと安房の友情の絆
・高校生が始めたウガンダ支援活動
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・ウガンダ珈琲で広がる支援の輪
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