【はれ予報】190301*青木繁「海の幸」記念館(しんきんカード機関誌)
青木繁「海の幸」記念館
日本近代絵画の名作「海の幸」はココで生まれた!
(しんきんカード機関紙『はれ予報』2019.3月号)‥⇒印刷用PDF
明治期の日本画壇をリードした画家、青木繁。西洋画としては初めて重要文化財となった代表作『海の幸』を、彼は房州布良(めら)(今の館山市布良)で描いた。その時、滞在してお世話になったのが、現在「青木繁『海の幸』記念館」として公開されている小谷家住宅だ。
「22歳の夏、恋人と友人2人とともにやって来たのですが、途中で宿賃が底をついてしまった彼らに手を差し伸べたのが、この家の主、小谷喜録でした。マグロ漁で大いに栄えていた当時、喜録は地域のリーダーでした」(館長の小谷福哲さん)
青木は1ヶ月半にわたってここに逗留(とうりゅう)し、その間『海の幸』を含む実に60点の作品を描いたという。布良は画壇の聖地と呼ばれ、全国の美術関係者とともに保存基金を募り、修復工事をして記念館となった。彼が滞在した部屋は今もほぼ当時のまま。『海の幸』レプリカやブロンズなども鑑賞できる。青木繁を敬愛する「友の会」は全国から会員が400名を超え、記念館の運営を支えている。
青木繁『海の幸』記念館
千葉県館山市布良1256
Tel:0470-22-8271(事務局)
HP: http://aoki-shigeru.awa.jp/
開館日は毎週土・日曜日(お盆時期・年末年始を除く)開館時間は4月から9月10:00〜16:00、10月から3月10:00〜15:00。入館料(維持協力金)一般200円、小中高100円。
『海の幸』のレプリカ。漁師たちが大魚(サメ)を担いで列をなす。一見するとリアルな描写だが、彼らが一糸まとわぬ姿であることなど、画家のイマジネーションによる創作も多分に混じっているらしい。
(小谷さんは喜録の曾孫。)