【房日】190220*太極拳指導者から座禅学ぶ
太極拳指導者から座禅学ぶ
布良の能忍寺、20人がワークショップ
(房日新聞2018.2.20付)‥⇒印刷用PDF
アメリカ、イギリス、オーストラリアの精神科医やソーシャルワーカーら7人が11日、館山市布良の曹洞宗能忍寺で、わが国で太極拳指導の第一人者とされる山口博永住職から、座禅を学んだ。オーストラリアのメルボルン大学のベック・レビン教授が呼び掛けたワークショップ「森田療法」に参加した。ワークショップは11日まで行われ、約20人が学んだ。
山口住職は「私は座禅と太極拳を50年やってきた。4年前に脳梗塞で倒れた。本来ならその後遺症で手足が動かないはずだが、“気”のめぐりがいいからか、体は自由に動く。座禅とは何かを知ってほしい。森田療法も神と深いかかわりがあると聞いている」と前置きした。
そして「日本の文化は剣道、柔道、茶道、華道と“道”が付いている。禅と太極拳は関係があると直感したから、太極拳を始めた」と力説。
一行は同寺1階の座禅道場に移動。山口住職は、座禅の3つの要素である「呼吸」「体」「心」を説いた。さらに、息を吐くときに、丹田(へその下の下腹部にあたるところ)に息を吐いて下腹を充実させる。それと同時に首筋(後頭部)を突き上げておく。この2つが1つになってつながる時がある。このことを太極拳が見事に教えてくれたと説明。参加者は座禅の作法の注意点を学んだ後、約20分間、瞑想(めいそう)した。
モリタ療法は、1919年(大正8)に森田正馬によって始められた神経質に対する精神療法。神経質は、神経衰弱、神経症、不安障害と重なる部分が大きいとされ、近年はうつ病などの疾患に対しても適用されることもあるという。森田は、薬は使わなかったとされる。元来入院が基本だったが、最近では通院が中心になりつつある。海外でも中国を中心に活動が展開されている。