【房日寄稿】170824~25ウガンダの子どものため活動車両を買い替えたい

ウガンダの子どものため活動車両を買い替えたい

河辺智美・金子麻美・小谷美紀

(房日新聞寄稿2017.8.24〜25付)‥⇒印刷用PDF

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ウガンダ支援のはじまり

私たちはNPO法人安房文化遺産フォーラムの中で活動している、安房南高校の卒業生を中心としたウガンダ支援「ひかりの」というグループです。

皆さんは安房の高校生が取り組んできたアフリカ・ウガンダへの支援活動と、その後の経過をご存知ですか。

ウガンダへの支援活動は1994年、安房南高校の生徒たちによって、内戦やエイズの蔓延(まんえん)で両親を亡くしたたくさんの孤児たちからの〝学びたい〟という呼びかけに応えて、数人の有志から始まった活動です。

きっかけは館山市内の「かにた婦人の村」の深津文雄牧師からウガンダのセンパラさんを紹介されたからです。最初はささやかな活動でしたが、学校全体に呼びかけられ、生徒会活動となって、そのための組織であるボランティア委員会がつくられました。

先生や保護者、同窓会の方々をはじめ地域の方など皆様の温かいご支援ご協力をいただきながら、安房南高校統廃合の2008年まで続きました。その後は、統合された安房高校のなかの有志に引き継がれ、とくにJRC部の皆さんが取組んできました。そして現在は、安房西高校のJRC部の皆さんにバトンタッチされ、安房地域の高校生の皆さんによって23年にわたって続けられてきた国際交流活動です。

その間、当時の安房南高校社会科教諭でボランティア委員会顧問であった愛沢伸雄氏が、ウガンダとの窓口を担っていただき、高校生による支援活動を23年間サポートし続けてきました。今は教員を退職され、NPO法人安房文化遺産フォーラム代表とし10数年安房地域の歴史や文化を活かしたまちづくり活動に関わり、とくに市民活動の立場から高校生によるウガンダ支援活動を応援してきました。(安房文化遺産フォーラムのHP参照)


ウガンダにつくられた安房南洋裁学校

当初より現地の孤児支援の窓口は、子どもたちの教育・生活支援をするウガンダ意識向上協会(CUFI)のセンパラさんでした。アジア学院で農業指導者の研修生として来日されたときに、かにた村に来たことが縁となり、安房南高に2回来校し、直接、生徒たちの前で孤児たちの支援を訴えられました。目に見える形で交流と支援が続きましたので、センパラさんの名前を懐かしく思われる卒業生は地域に3千名近くいらっしゃると思います。

安房南高校生をはじめ安房高や安房西高JRC部による毎年のウガンダバザーでの収益金、チャリティ募金、安房文化遺産フォーラムに寄せられた寄付などから10〜20万円の支援金や中古衣料、文房具等を送ってきました。

その中で象徴的なことは、建物の正面に安房南高校章が付けられた「安房南洋裁学校」という職業訓練所が設立されたことです。安房南高家政科で使用されたミシンを送り、ウガンダの孤児たちの職業自立のための学校として大変喜ばれています。しかし、現在まで運営の資金が不足がちでセンパラさんもご苦労されています。


子どもたちの笑顔があふれて

支援金を送るたびにお礼の手紙や活動内容、現地の子どもたちに資金がどう使われているかの報告があり、その時に写真や、子どもたちの絵などを送ってくれます。写真の子どもたちは皆、笑顔で私たちの支援に対しての感謝と喜びにあふれています。絵には子どもたちの生活が向上し、日本から送ったボールや長縄等で遊ぶ様子を描いたカラフルなものがたくさんあります。

支援当初に届いたモノクロの絵を見ると、血なまぐさい戦場の姿であり、戦闘機からの攻撃や兵士が戦っている絵でしたが、この23年間という時の流れのなかで、地道な支援が少しずつ実って生きてきたようにも感じられます。

安房地域でもウガンダ支援の輪が広がり、とくに安房・平和のための美術展実行委員会の皆さんが12年前から子どもたちの絵の展示やチャリティ収益金から支援金をいただきました。子どもの絵も美術展開催の案内はがきやポスターに採用してくれたことは忘れることができません。今年も安房・平和のための美術展は27日まで南房総市の枇杷倶楽部ギャラリーにて開催されますが、子どもたちが描いた絵なども展示しますので、ぜひご来場ください。


支援の輪が広がって

安房南高校の生徒たちから始まったウガンダ支援活動は、今年で23年目となったものの、その間に安房南高校が統廃合になり、安房高校や安房西高校のJRC部に引き継がれていく経緯にはとても困難な状況がたびたびありました。しかし、強い思いをもって地道に継続してきました。

ウガンダとの20年を記念してNPO安房文化遺産フォーラムでは、安房南高校で美術教師であった船田正廣氏が製作したブロンズ彫刻「安房南高校生徒像」を、友情の証としてウガンダへ贈りました。

長年支援・交流を続けてこられたのは、各校の先生や保護者の方々をはじめ、かにた婦人の村、安房・平和のための美術展実行委員会、同窓芳誼会(安房南高校同窓会)、館山ロータリークラブ、スーパーおどやイオン、館山病院、館山信用金庫など、数多くの市民団体や企業が高校生の活動を支えていただくとともに、今日まで見守ってきてくださったからでした。


ウガンダでの緊急事態

ウガンダ現地の活動も順調の様に思えた矢先、センパラ氏より一通のメールが届きました。それは、現在の活動拠点で子どもたちの送迎用などに使用している自動車が故障してしまいとても困っているという緊急の内容でした。

ウガンダ国内での活動には、どうしても自動車が必要であり、中古車の購入資金をサポートして貰えないかというお願いでした。その資金額は120万円という大金です。私たちにとっても、例年支援バザーに力を入れていますが、今の活動ではあまりにも高額であり、すぐに準備することは当然にも無理です。私たちはこの間に、センパラさんとやり取りをし、現地の支援活動を見て緊急事態と判断しました。

そこでこの紙上をお借りしてのお願いとなったのです。私たち「ひかりの」のウガンダ支援活動に対して資金面でご支援ご協力をお願いできないでしょうか。一人ひとりの力を束ねて大きな力にしセンパラさんに自動車購入資金を届けたいと思っています。


購入資金をクラウドファンティングで

そこで21日より約2か月間にわたって「Ready for」という団体のクラウドファンディングの力をお借りして、インターネットやフェイスブック上で呼びかけて、全国の皆さんから資金を募っていく活動を実施することにしました。とくに安房地域の皆さんのお力をお借りしたいと願っています。

ウガンダの孤児たちに学びの場をつくる活動しているセンパラさんたちの熱い思いを地球市民の一人としてサポートしていきたいと思っています。何よりも国境を越えて子どもたちの学びを支えていくことで、私たちも国際平和に貢献するのではないでしょうか。


私たちの思いと一歩を踏み出す活動

私たちは、ウガンダの子どもたちの支援と交流をこれからもずっと続けていきたいと考えています。当然、資金面や活動面での術がとても重要ですので、皆さんのお力をお借りして、この支援の輪を広げていきたいと思っています。

また、ウガンダ支援グループ「ひかりの」では、現役の高校生や卒業生、そして地域の若者たちの核になるためにも、息の長い国際支援・交流活動を進めていく話し合いやボランティアの場をつくっていきたいと願っています。

決して〝私には何も出来ない〟のではなく、一人ひとりが願っていること、そのことの一歩を踏み出すかどうかにあると思います。そような機会が身近にあれば出来るはずです。皆さんのご理解とご協力を願うとともに、参加される皆さんのご連絡をお待ちしております。

Eメールは、ugandahikarino@gmail.com

(NPO安房文化遺産フォーム・ウガンダ支援グループ「ひかりの」共同代表)