【房日寄稿】251102_千葉県母親大会へのお誘い

戦後80年の千葉県母親大会へのお誘い

安房地域実行委員長 齊藤陽子

(房日新聞 2025.11.2.付)

母親大会は広島・長崎の被爆を経験した日本が、ビキニ環礁での第5福竜丸の被曝を契機に「生命(いのち)を生みだす母親は 生命を育て 生命を守ることをのぞみます」をスローガンとして誕生しました。安房地域母親大会はイラン・イラク戦争のなか、命の危険が映像にさらされる恐怖を契機に生まれ、30年を経過しました。

私自身、生まれ育った福島県の浪江町津島が東日本大震災に伴う原発事故により帰宅困難地域になりました。また、放射線被曝によって甲状腺がんなどの健康被害を受け、今なお苦しんでいる方々、とりわけ子どもたちに対しての補償や国の救済策が実施されず、裁判が続いています。核と人類は共存できないのだと、強く思います。

そして第31回安房地域母親大会は、第67回千葉県母親大会と共催し、「戦後・被爆80年 今 平和の願い新たに、そして次世代に」というテーマで、11月9日(日)南総文化ホール大ホールにて開催いたします。母親大会は老若男女だれでも参加できる話し合いのひろばです。協力会員券は1,000円、学生は無料で、保育もあります。

午後の記念講演は、昨年ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の児玉三智子事務局次長にお願いいたしました。広島で7歳のときに被爆し、数年後に両親をがんで亡くし、迷い悩んだ末に生み育てた娘さんは45歳でがんを発症して亡くなりました。次々と家族を見送りながら、現在も精力的に講演や若者との対話を続けていらっしゃいます。ノーベル平和賞受賞の理由は、体験を語ることにより核戦争を防ぐことに努力したということでした。想像をはるかに超えるご苦労を伺い、私たちにできることを考えながら、次世代にバトンをつないでいきたいと思います。

午前の部は、9時45分から房州弁で憲法第9条を学んだ後、10時からは館山の戦争遺跡と古民家を舞台に撮影された平和祈念映画「赤い鯨と白い蛇」の上映を行います。タイトルの「赤い鯨」は夕陽を浴びた特殊潜航艇を意味し、「白い蛇」は家の守り神と平和を象徴しています。せんぼんよしこ監督は安房南高校の卒業生で、香川京子さん、樹木希林さん、浅田美代子さんらが出演し、豊かな自然やエネルギッシュな「やわたんまち」が、生命輝く物語を描いています。二度三度と見るたびに発見や感動が深くなる作品です。

午後の部は、0時45分から歌手の美地さんによるオープニングライブ、NPO法人安房文化遺産フォーラムの池田恵美子さんによる地域報告「館山まるごと博物館~戦争遺跡と平和の文化」に続き、児玉さんの記念講演と企画満載です。

「どうして、日本はあの戦争を避けることができなかったのか」という問いは、私たち一人ひとりが考え続けなければならないことではないでしょうか。それぞれが自分の頭で考え、自分の言葉で語れるよう、平和と核廃絶の問題に向き合っていく機会になれば幸いと思います。多くの皆さんのご参加をお待ちしています。

申し込み・問い合わせ先、池田(090-6479-3498)。オンライン申し込みはこちら