【房日】221022_図書館活動の変遷語る 専門司書の講演に27人

(房日新聞2022.10.22付)

館山市図書館が現在の場所に移転して50年の節目を迎え、これまでの歴史を振り返ろうと、同市の菜の花ホールで講演会を実施した。専門図書館司書で安房地域の図書館活動について調査研究をする関和美氏を講師に、27人が耳を傾けた。

「館山市図書館のあゆみ~これまで・いま・これから~」と題した講演で、全国と千葉県の図書館活動の移り変わりを示しながら、同館での図書館活動を郷土資料をもとに展開した。

関氏は、明治期以降、安房地域で図書館の前身となった活動として、地域の有志らが設立した北条文庫、昭和初期の館山町図書館などを紹介。その他、戦後に安房地域で活躍した県中央図書館の移動図書館「ひかり号」は、当初有料で貸し出しをしていたが、昭和25年の図書館法の制定で、無料で借りられるようになり、本がより身近なものになったなどと説明した。

また、講演の中では、36年から同館で司書として業務に当たり、平成3~10年に館長を務めた福原豊栄氏が、同館を利用、業務に当たっていた当事者として当時の様子を伝える場面もあった。

参加者からは「公共図書館の歴史は、今まで知る機会がなく、知らないことが多かった。館山市は早くから文化意識が高かったのだろうと感じた」などと感想が聞かれた。