【読売】180927*安房南校舎来月公開
学校建築 昭和の技知る
県文化財 旧安房南高校舎 来月公開
(読売新聞2018.9.27付)
県の有形文化財に指定されている館山市の旧県立安房南高校第一校舎が来月27日、一般公開される。市の教育関係者は「郷土の文化財に対する理解を深める貴重な機会」と参加を呼びかけている。
県教委によると、昭和初期の技術の粋を集めた和洋折衷の木造校舎は1930年(昭和5年)に建築された。前身の県立安房高等女学校の校舎が23年の関東大震災で倒壊したため、耐震構造建築として新たに建てられた。
正面玄関を中心に、羽を広げたような左右対称の外観は当時の学校建築の典型だった。後者には欄間付きの格子窓が設けられ、開放的な造りとなっている。柱装飾や階段の欄干装飾など至るところに設計者の工夫の跡を確認できる。県は95年に有形文化財に指定。安房南校と安房高が2008年に統合したため、校舎は使われなくなった。
市民などからの要望で、県が13年から公開事業を始めた。今年は校舎内でのガイドツアーが行われるほか、県立安房高校の美術部、書道部、写真部による作品展示や書道部員によるパフォーマンス、吹奏楽部による演奏やぬか雑巾での木造校舎の床磨き体験などが予定されている。
公開は午前10時から午後3時まで。無料。問い合わせは県教委文化財課(043・223・4130)へ。