【房日】180712*待望の「朝日」複製画完成
待望の「朝日」複製完成、青木繁の絶筆作品
あす布良で除幕式
明治期を代表する洋画家、青木繁の絶筆「朝日」の複製画が制作され、館山市布良の小谷家住宅「青木繁『海の幸』記念館」に展示される。あす13日に現地で除幕式がある。
「青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会」の依頼で、「海の幸」や「わだつみのいろこの宮」の複製画なども手掛けた、同会副会長でカラースキャナー1級技能士の島田吉廣氏(68)=同市犬石=が制作した。
「朝日」(佐賀県立小城高校同窓会所蔵)は、28歳で早世した青木が、佐賀県唐津で最後に描いた作品。島田氏は、画像データを許可を得て入手し、作品の傷みややけをコンピューター上で巧みに修正し、制作当時の原画の色彩を原寸大(縦72・5㌢、横115・0㌢)で再現した。
「『朝日』は波に映る陽の光の色合いが素晴らしい。この色合いを表現にするのに苦労した。原作品に近いレプリカを制作することができたと思う」と島田氏。
館長の小谷福哲氏(67)は「苦労して制作してもらいありがたい。絶筆『朝日』はぜひとも欲しかった作品で、『海の幸』はじめ、5つのレプリカ作品がそろった。制作当時の色合いが表現されているレプリカならではの魅力を多くの人に楽しんでもらいたい」と喜んだ。
保存会では、青木繁の生誕記念日に合わせてあす13日午前10時から、現地で除幕式をしてお披露目する。当日は入館料(一般200円)が無料になる。
前日のきょう12日午後1時半からは、「複製画『朝日』の制作から青木繁作品を語る」をテーマに制作者の島田氏の講演もある。参加費は300円(入館料込み。資料、茶菓子代付き)。
問い合わせは、事務局の安房文化遺産フォーラム(0470—22—8271)まで。
【写真説明】「朝日」のレプリカと島田氏(右)と小谷氏= 館山