【房日】140403*資生堂創業者福原有信90回忌墓参ツアー

東京から40人が墓参ツアー

資生堂創業者の福原有信90回忌で 館山

(房日新聞2014.4.3付)

館山市(旧松岡村)出身で資生堂創業者の福原有信の没後90年の命日にあたる3月30日、東京・中央区の「小塚大師研究会」のメンバー40人が墓参ツアーで同市を訪れた。地元のNPO法人安房文化遺産フォーラムの池田恵美子さんがガイドとなって、中央区と館山のつながりなどの歴史文化を紹介した。

中央区月島で電気店を営む保田清さんは旧制安房中学(安房高校)の出身で、関東厄除け三大師のひとつである小塚大師をもっと多くの人に知ってほしいと願い、月島周辺の町内会に呼びかけ、元区議の矢吹和重さんとともに幹事となって同研究会を発足。これまでにも小塚大師の参拝を実施しているが、今回は、同じ中央区の銀座で資生堂を創業し、関東大震災の復興にも尽力した福原の90回忌参拝とともに、その遺志を受け継ごうという趣旨でツアーが企画された。

一行は福原の長女・とりが嫁いだ市内の館山病院で、初代院長・川名博夫、その女婿である2代目院長・穂坂与明、川名のおいで3代目院長の川名正義の銅像を参拝。同院健康友の会の諫川正臣会長から、転地療養していた画家の中原淳一について紹介があった。

福原のふるさと松岡区では、福原家分家の福原勇さんや早川萬専区長ら「福原有信を語り継ぐ会」の歓迎を受け、福原が明治44年に鳥居を奉納した松岡八幡神社を見学。小塚大師では、法話と護摩たきの後、本堂裏の墓所を参拝。墓石は「福原之墓」とされ、先祖代々の戒名と命日、俗名、出身地などが刻まれ、福原有信と妻・徳の名もある。その後、休暇村で昼食交流会があり、親睦を深めた。

池田さんらの案内を聞いた参加者らは、「知らないことばかりで感激した」「今日来られなかった町内会の人たちにもぜひ紹介したい」と言っていた。なかには布良や千倉など安房地域出身の参加者もあり、「先祖のことも改めて知ることができた」と喜んでいた。

【写真説明】福原家の墓所がある小塚大師を参拝した研究会メンバー=館山