【房日】100306*安房看護専門学校卒業式
(2010.3.6付)
安房看護専門学校、最後の学生9人が卒業
39年の歴史に幕〜地域医療支える人材輩出
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安房看護専門学校(館山市湊、野原正校長)は4日、卒業式・閉校式を行い、最後の学生9人を送り出して39年の歴史を閉じた。
1971年の開校以来、546人の卒業生を輩出。その多くは看護師として、安房の地域医療を支える役割を担ってきた。だが、学生となる准看護師の人員減に加え、(旧)安房医師会病院の経営破たんという状況変化を背景に、運営主体の安房医師会が2006年に閉校方針を決定。07年を最後に学生募集を停止していた。
同校の閉校で、安房地域の看護師養成機関は亀田医療技術専門学校(鴨川市)のみとなる。亀田メディカルグループが看護学部を持つ「亀田医療大学(仮称)」開設を目指す一方で、地域の行政・医療関係者はあらためて看護師不足問題への対応に迫られている。
閉校式では、宮川準・安房医師会長が「医師会病院の破たんで、年3000万円の学校運営費を単独拠出することが困難になった」などと、これまでの経過を説明。閉校後も医師会として「あらゆる手段を模索して、看護師養成に向け努力したい。きょうは次の第一歩を踏み出すための節目の日だ」と語った。
04年度まで7年間校長を務めた青木謹氏=青木医院院長=はあいさつの中で、同校閉校を「悲惨な結果」と表現。「7年間のうち前半の4年間は医師会長との兼任で、学校は任せきりだった。看護師養成がいかに大切かを知るのが遅すぎた。(学校設立に尽力した)先輩達に申し訳ない」と悔やんだ。
卒業式では、来賓や父母らが見守る中、白衣を身にまとった9人が、野原校長から卒業証書を授与された。
卒業生を代表し、菅原美恵さん(36)が「3年生時の実習で、相手の立場にたって行動する大切さを学んだ。学校がなくなるのは寂しいが、これまでの学びを生かして地域に貢献していきたい」と答辞を述べた。
同窓会関係者によると、同会は12日夜、館山市の中華料理店「芳キ」で「閉校の集い」を行う予定という。