【房日】100218*映画「いのちの山河」上映会

高齢者、乳児の医療費を無料化した村長描いた
映画「いのちの山河」上映へ

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館山市を中心とした市民グループ「安房の地域医療を考える会」(愛沢伸雄代表)は、全国で初めて老人・乳児の医療費無料化を決断した岩手県(旧)沢内村の深澤晟雄村長の半生を描いた映画「いのちの山河・日本の青空Ⅱ」の上映会を、3月6日に南総文化ホール大ホールで行うことを決めた。

同映画は昨年公開。格差社会やワーキングプア、医療崩壊などの問題が深刻さを増す中で、「社会保障制度のあり方を考えるきっかけになれば」と、市民団体が上映会を行う動きが全国に広がっている。

愛沢代表は「安房で30年前に始まった先進的な総合検診事業は、沢内村の取り組みを参考にしたもの。多くの市民にこの映画を見ていただき、医療問題をあらためて考えてほしい」と話している。

映画の舞台は、敗戦間もない豪雪地帯の農村。深澤さんは1957年に村長に就任後、村が抱える「豪雪・多病多死・貧困」に向き合った。多くの村民が医者にかかることもできず、死んで初めて死亡診断書をもらうために病院に運ばれるという状況を変えようと、60年に高齢者と乳児の医療費無料化を断行。保健婦の訪問指導や巡回検診などの施策を推し進め、全国で最悪だった乳児死亡率がゼロになった。

深澤さん役を長谷川初範が熱演。ほかに加藤剛、とよだ真帆、大鶴義丹、宍戸開らが出演している。

上映会は安房医師会も後援。宮川準会長は「上映会を契機に市民と医療従事者、行政が力を合わせ、健康で安心な地域づくりを実現するためにも看護師不足問題などの解決策を考えたい。一人でも多くの方に鑑賞してほしい」と呼びかけている。

上映は午後2時半と午後6時半からの2回。チケットは前売り1000円、当日1500円。前売り券は安房医師会協賛病院、南総文化ホール、宮沢書店、ブックス松田屋、鴨川書店などで発売している。

午後2時半の回では、料金100円で託児サービスも行われる。

(房日新聞2010.2.18付)

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