【房日】071019*倉吉から館山に「里見桜」
戦国大名里見氏最後の城主であった10代忠義が、安房の国から伯耆へ国替えとなった縁で、館山市と鳥取県倉吉市の交流が続いているが、その倉吉の地で育った桜が「里見桜」として安房へ里帰りすることになった。里見氏を偲んで館山市で開催される南総里見まつり前日の20日には、城山公園山頂に関係者が集い、植樹祭が行われる。
改易された忠義が最初に住んだ倉吉の神坂町は打吹山の麓にあり、打吹山は郷土が生んだ横綱「琴桜」の名にも由来する桜の名所。蟄居同然の忠義が、打吹山の桜を眺めながら、遠い故国館山に思いを馳せていたであろうことは容易に想像がつく。
そこで、大山や蒜山山麓から流れくる水と、忠義が土となった伯耆の国の大地で桜を育て、忠義400年の思いを「里見桜」として形を変え、故国館山へ里帰りさせよう、と地元の有志が里見桜実行委員会を組織。企画・検討を重ね、NPO法人たてやま・海辺のまちづくり塾の辰野方哉代表へ桜進呈の打診があり、里見まつりウィークに合わせて植樹祭が実現することになった。
山頂で午後4時から行われる植樹祭には、里見氏誕生の地で、辰野氏らとも交流を深めている群馬県旧榛名町からも関係者が来館。倉吉市の同実行委メンバーと館山市からは市長や教育長、観光協会長ら関係者が顔をそろえ、忠義を供養しながら植樹する。