【房日】250211_「保里ます」の資料展
明治時代に安房の酪農振興に貢献
「保里ます」を資料などで紹介
14日からギャラリーMOMOで開催
現在の南房総市大井出身で、明治時代に渡米、国際結婚し、安房の酪農振興に貢献したとされる、保里ます(1868―1948年)を紹介する「安房女性列伝保里ます」が、14~24日に同市のギャラリーMOMOで開かれる。入場無料。
大井地区を含む、嶺岡山地の尾根と斜面に広がる広大な牧場「嶺岡牧」は、江戸時代に8代将軍の徳川吉宗が、輸入した白牛で乳製品を作ったことから、日本酪農発祥の地とされる。
今回の催しに向けては、地区にある「みねおかいきいき館」の事務長を務める芳賀裕さんが展示資料の整理、編集に当たった。
芳賀さんによると、ますは、大井地区の中心的存在だった保里家の10代目当主、昭平の娘。留学が一般的ではなかった1888(明治21)年に20歳で渡米。滞在中にイタリア系米国人、ジョセフ・デネレーと結婚した。デネレーとますの夫婦は、日米を往復して大井で乳牛の種牛を育てたり、米国で優秀な乳牛を買い付けて取り寄せたりして、安房の酪農振興に貢献した。
催しでは、6町1村が合併して南房総市が発足した際、市が各町村や地区から集めて保管していたものや、芳賀さんらが集めた研究資料を展示する。
これらの資料は、2020年に市から地元に返却されたもので、郷土の歴史を住民に知ってもらおうと、23年に酪農のさとで展示会を開催したことがあった。この際、会場を訪れた館山市の郷土史家、清水信明さんから、ますの話を聞いたり、研究資料を見せてもらったりしたことから、芳賀さんたちもますについて改めて調査して資料を整理。今回の展示会を企画した。
芳賀さんは「保里ますさんの人生に迫ると共に、地域の歴史・文化遺産を見直すきっかけになれば」と話す。
時間は、正午~午後4時。火、水、木曜日は休廊。
22日午後1時半からは、調査報告と交流会(参加費は1000円)がある。専用フォーム=二次元コード=から申し込む。
問い合わせは、ギャラリーMOMO(0470・29・3995)へ。