【東京】250331_赤山地下壕跡 あす再開
<2025年 戦後80年>
館山市指定史跡・赤山地下壕跡 一般公開あす再開
戦争遺跡など紹介する展示室も
千葉県館山市指定史跡の赤山地下壕(ごう)跡(同市宮城)で安全対策工事のため中止していた一般公開が、4月1日に再開される。全国に残る地下壕の中でも大規模で、太平洋戦争の記憶を今に伝える貴重な戦争遺跡だ。(山本哲正)
旧館山海軍航空隊(現海上自衛隊館山航空基地)に近い通称「赤山」(標高60メートル)の中に地下壕が残っている。市教育委員会生涯学習課によると、1941(昭和16)年12月の真珠湾攻撃より早く昭和10年代に造られ始めたとの証言がある。その後も段階的に造られたとみられる。
把握できているだけでも全長約1・6キロあり、市を代表する戦争遺跡。戦時中に作られたとみられる「館山航空基地次期戦備施設計画位置図」によると、赤山地下壕の位置に「館空自力発電所」「工作科格納庫」「館空応急治療所」という記載がある。
同所を研究するNPO法人安房文化遺産フォーラム共同代表の愛沢伸雄さんは「航空本部技術部長時代に山本五十六が精力を注いだ航空機開発、実験がきっかけになって、長距離通信機の設置や開発機の格納など地下要塞的な機能を赤山に持たせたのではないか」と話している。
一般公開は2004年に始まり、これまでの入壕者は41万3539人。23年8月に入り口近くの地下壕内でモルタル吹き付けが剥離したため一般公開を中止。約500万円かけて改修工事をした。モルタル吹き付けの大部分をはがし、一部を説明用に残している。
再開に合わせ、地下壕跡見学の受付になっている豊津ホールに、戦争遺跡や市内の文化財をパネルや写真で紹介する展示室をオープンする。
入壕料は小中高生100円、一般200円。団体は事前予約が必要。見学できるのは午前9時半~午後4時。受付は同3時半まで。毎月第3火曜(祝日の場合は翌日)休み。予約は豊津ホール(TEL 0470-24-1911)、予約以外は市生涯学習課0470-22-3698へ。