【読売】250330_赤山地下壕跡 改修終わる

赤山地下壕跡 改修終わる

戦後80年
館山来月1日公開再開

(読売新聞房総版 2025.3.30付)

 

県内最大規模の戦争遺跡とされる、館山市の「館山海軍航空隊赤山地下壕跡」の改修工事が終わり、4月1日に一般公開が再開される。
赤山地下壕跡は、海上自衛隊館山航空基地(旧海軍航空基地)の南隣の丘陵にある。内部には通路が張り巡らされ、その総延長は確認されているだけで約1.6キロメートルに及ぶ。
館山は東京湾の入り口に位置する戦略的要衝だった。第2次世界大戦の末期、米軍の空襲に備えて地下壕を掘り広げたとの証言がある。市が内部を整備して2004年から一部を一般公開し、05年に史跡に指定した。
地下壕が掘られた丘陵は、砂や泥などが海底に堆積してできた砂岩や泥岩の地層が隆起したもので、ツルハシを使って掘り進められたという。地下壕の壁や天井には無数のツルハシの跡が残る。
23年8月に地下壕のモルタルが剥離したため公開を取りやめ、市が改修工事を進めてきた。一般公開の再開に合わせ、隣接する豊津ホールに戦争遺跡や市内の文化財をパネルで紹介する展示室も開設した。
市の石井浩己教育長は「今年は戦後80年の節目の年。ぜひ訪れて当時に思いをはせてほしい」と話した。
一般200円、小中高生100円。午前9時半〜午後4時(受け付けは午後3時30分まで)。毎月第3火曜日は休み。