映画『うんこと死体の復権』上映&トークショーin安房(高田宏臣×井沢正名)
生きものが共生する循環の輪について考えてみよう!
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映画『うんこと死体の復権』上映&トークショー in 安房
高田宏臣×井沢正名
*会場:館山市コミュニティセンター
*時間:
. 13:00~14:50上映会
. 15:00~16:00トークショー
*参加費:1,000円(要予約)
. Peatixから申込
. メール ikimono.doboku@gmail.com
. FAX:0470-22-8271
*主催:安房大神宮の森コモンプロジェクト運営委員会
*共催:一般社団法人有機土木協会、生きものとしての土木研究会、NPO法人安房文化遺産フォーラム
*後援:館山市、館山市教育委員会
*映画『うんこと死体の復権』
『グレートジャーニー』で知られる探検家で医師の関野吉晴が初監督を務めた作品。自称「糞土師」で写真家の伊沢正名、生態学者の高槻成紀、絵本作家の舘野鴻らの活動を通して、生きものの排泄物や死体を見つめ、無数の生きものたちが命を つなぐ循環の輪を描いたドキュメンタリー。
*高田宏臣
館山市森づくり大使。安房大神宮の森コモンプロジェクト代表世話人。(株)高田造園設計事務所代表取締役。一般社団法人有機土木協会代表理事。すべての命にやさしい〝有機土木〟を提唱、全国の災害復興に携わる。土葬風葬研究会を主宰し、動植物の命を大地に還す循環について研究・実践・啓発に努める。著書『土中環境』『よくわかる土中環境』等。
*井沢正名
かつてはキノコやコケ、菌類等を撮影する写真家。視写体の自然に対してお返しができているだろうかと苦吟した結果、人と自然が共生し、自然界の命の循環を実現する至高の行為は〝野糞〟だと開眼。写真家を廃業、〝野糞〟を伝道する「糞土師」の活動に専念。著書『「糞土思想」が地球を救う 葉っぱのぐそをはじめよう』『うんこがごちそう』等。
<安房大神宮の森コモンプロジェクトと映画『うんこと死体の復権』上映への想い >
こんにちは。館山市森づくり大使、安房大神宮の森コモンプロジェクト主宰の高田です。安房 神社のご神域である安房大神宮の森を共有財産(コモン)として、古道や水源などの再生整備を始めてから1年余りとなりました。
このたび、館山市で映画『うんこと死体の復権』を上映できますことを、とても嬉しく思っています。このおかしなタイトルの映画は、昨年の劇場公開以来、各方面に反響をおこし、絶えることなく全国で上映会が開かれています。ひとが自然の一員であることを自覚し、そして全ての生きものに温かい眼差しを向けて、豊かな心で大地に向き合い、生きてゆくために大切なことを思い起こさせてくれる映画です。
空気を吸い、水を飲み、命を食し、そして命を大地に還してゆく、という循環の中で命をつなぐのが生きものであり、私たち人間もまた、ほかの生きものたちと変わりません。現代の暮らしの中で私たちが忘れがちな大切なものは、実はそこにあります。この映画は、私たち人間もあらゆる 生きものの一員であることを、誰にでも楽しく 思い起こさせてくれることでしょう。
安房大神宮の森にも、山の上の方にかなり古い時代の土葬墓跡が見られます。中世以前の痕跡と思われますが、かつて人は、遺体を山の上にまで運び、そこで大地に還すことで山を育み、微生物や土中生物からつながる虫たち鳥たち、全ての 生きものの循環を育んできたのでした。山が豊かになれば、湧水を通して海もまた豊かなものとなります。先人たちはこうした営みの中で、故郷の山川海や全ての命とのつながりを、確かに感じとってきたことでしょう。
遺骸も排泄物も、現代社会の中では汚いものと思われがちですが、実は、生きものとしてつながるリレーの大切なバトンなのです。この見方が 変われば、私たちの周りの世界の生き物たち全ての存在が愛おしくなるのではないでしょうか。
上映会後のトークショーでは、映画に出演している伊沢正名さんと私が対談させていただきます。伊沢さんは、こうした命の循環の一員であるひととしてのあり方を40年以上にわたって実践し、伝え続けてこられた方です。さらに、自分の故郷の山に土葬墓を実現しようと模索していらっしゃいます。
私もまた、安房大神宮の森でも、かつてのように命を還してゆく、そんな場を実現したいと願い、整備を進めております。
故郷の山に先祖が眠り、自分も子どももまた、故郷の命の懐に還ってゆく、そんな本来のあり方を見つめ直すことは、いま乾きつつある心のつながりを温め、潤してくれるのではないでしょうか。ここ館山・安房地域において、大人も子どももご年配の方も、みんながつながる温かな時間を共有できたら幸いです。多くの皆様のご来場を心よりお待ちしております。