【房日】240420_「大神宮の森」を次世代に 理解求めオンラインでフォーラム

(房日新聞 2024.4.20付)

館山市の安房神社の周囲に広がる大神宮の森に、縄文時代に由来する古道や集落などを再現し、次の世代につなごうという計画が、4月から動き出した。

この活動に取り組むNPO法人などでつくる「安房大神宮の森コモンプロジェクト運営委員会」が、取り組みの内容を広く知ってもらうためのフォーラムを、27日午前10時~正午にオンラインで開催する。定員500人。参加者を募集している。

無料だが、活動資金を応援する1000~5000円の寄付つきチケットもある。希望者は専用フォーム=二次元コード=から申し込む。

⇒ 第1回安房大神宮の森 風土・歴史フォーラム

計画の中心になっているのは、千葉市の造園設計事務所の代表取締役などを務める高田宏臣さん(54)。環境土木の専門家として2021年から館山市の「森づくり大使」に委嘱されている。「安房大神宮の森コモンプロジェクト」を立ち上げ、代表に就いた。

計画では、55ヘクタールに及ぶ大神宮の森の中に、縄文時代に由来する道の痕跡に沿って通り道を復活させ、集落や棚田を再現。森に生息する野生動物と人が共存する森を再生する。道などを整備する木材や石などの資材は最大限、森の中で調達する。

今回、対象とする森は、高田さんが賛同者と設立した会社に対して銀行の融資を受け、1月に買い取った。このため、整備作業に当たっては1回当たり数千円を「整備協力金」として参加者に負担してもらう。銀行への返済や整備資金、固定資産税などのコストを理解者たちで広く支え合い、長い将来にわたって共有する仕組みをつくりたい考えだ。

27日は、プロジェクトや活動の内容を高田さんが説明した後、「逆さ地図から見る安房の地」をテーマに同市のNPO法人「安房文化遺産フォーラム」の愛沢伸雄、池田恵美子両共同代表が講演。さらに高田さんと愛沢さん、池田さんが対談して取り組みへの理解を呼び掛ける。

高田さんは「大神宮の森は『安房発祥の地』といわれ、文化的な価値が埋もれている。このプロジェクトを通して多くの人の共有財産として守る仕組みをつくりたい」と話す。

申し込みなどの問い合わせは、安房文化遺産フォーラムの池田さん(090―6479―3498)へ。運営委員会は今後もテーマを変え、同様のフォーラムを連続して開くことにしている。