【房日寄稿】231212_安房地域母親大会~映画と講演のお誘い

房日新聞寄稿 2023.12.12付

安房地域母親大会~映画と講演のお誘い

実行委員長 渡邉むつみ

安房地域母親大会は、「生命を生みだす母親は、生命を育て、生命を守ることをのぞみます」をスローガンに毎年おこなってきました。第29回目となる今年は12月17日(日)、「教育って何? 今、私たちにできること」をテーマに、南房総市富山岩井コミュニティセンターにて開催いたします。
激動のAI時代に対応するため、学習指導要領は「アクティブラーニング(探求学習)」に大きく舵を切り、日本の公教育が揺れています。そんななか、先進的な「子どもファースト」の教育を実践している学校があります。


▷ 30年前から体験学習を取り入れ、宿題がない、テストがない、先生がいないという「きのくに子どもの村学園」。▷ 60年以上成績通知表がない総合学習を続ける伊那市立伊那小学校。▷ 校則や定期テストをやめた世田谷区立桜丘中学校。
第一部では、これらの学校を紹介している映画『夢みる小学校』を上映します。おとなも子どもも「こんな学校に行きたかった!」と思えるようなワクワクするドキュメンタリーで、〝ミライの教育〟を探るヒントにあふれています。
第二部では、映画に登場する桜丘中学校の元校長・西郷孝彦さんをお招きし、競争や選別から抜け出す教育を実践した経験を伺い、トークセッションをおこないます。
今、子どもを取りまく環境は多くの困難を抱え、教育現場の先生方もたいへん苦労していると伺います。学校に行けない子どもたちや自殺率も過去最高になり、将来に夢や希望が持てず、ひきこもったり仕事につけない若者も増えています。
「遊ぶ・学ぶ・自分らしく生きる」という子どもの人権を保障し、教育格差や競争でゆがめられない子どもたちの未来を取り戻すことが、私たち大人の責務ではないでしょうか。そのために、私たちにできることを皆さんとともに考えてみたいと思います。
世界に目を向ければ、ロシアによるウクライナ侵攻。そしてイスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への攻撃など、連日の報道に胸が締め付けられる思いがします。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、病院や救急車への攻撃が続く中、「10分に1人の割合で子どもが死んでいる。ガザの医療は崩壊寸前だ」と語り、病院や民間人の保護を定めた国際人道法の順守と停戦を要求しました。
そんな中、世界でも類を見ないほど平和な国である日本でさえ、敵基地攻撃能力保有、沖縄・奄美の島々での自衛隊基地の増強、5年間で43兆円もの軍事費の税金投入など、大きく変わろうとしています。なによりも「殺傷能力を持つ武器は輸出しない」というルールをやめ、日本製の武器が世界の子どもや女性、人々を殺すかもしれないという恐怖は現実に迫っています。こうした情勢や政府の動きに、大人も子どもも心を痛め、強い不安を抱いています。今こそ「争うよりも愛し合いましょう」と、対話をすることが強く求められています。
母親大会の原点には、「どの子にも笑顔を。平和で明るい未来を手渡したい」という願いがあります。社会情勢の厳しい今だからこそ、海と山に囲まれた豊かな安房の風土を活かして命の大切さを伝え合いながら、私たちにできることは何かを共に考えたいと思います。
12時45分からオープニング演奏として、和太鼓グループGOENの『感謝』をお楽しみいただきます。入場料は1,000円、小中高校生は無料です。靴を入れるビニール袋と上履きをご持参のうえ、感染症対策のマスク着用にご協力いただければ幸いです。3歳児から未就学児を対象に事前予約の保育もあります。
参加の予約は、QRコードからインターネット申し込み、または関(090-5762-5956)、山口(090-5434-1535)まで電話でお願いいたします。多くの皆さんのご参加をお待ちしています。

房日新聞 寄稿 2023.12.12.付

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