【房日】230328_寺崎武男の生誕140年展 4月5日まで 館山

(房日新聞2023.3.25付) ⇒ 詳細はコチラ。

明治から昭和にかけて活躍した安房地域ゆかりの芸術家、寺崎武男の生誕140年に関連した催し、「房州とイタリアを愛した画家寺崎武男・生誕140年」(NPO法人安房文化遺産フォーラム主催)の展覧会が、館山市の南総文化ホールで始まった。

寺崎の絵画や資料約40点以上が展示されている。4月5日まで。

寺崎は、1907(明治40)年にイタリアへ渡り、ヨーロッパ美術の技法を研究し、日本に紹介した近代絵画の先駆者。大正末期からは館山市に暮らし、戦後は安房第一高校(現安房高校)の美術講師としても後進の育成に努めた。

展示されているのは、「平和来たる春の女神」やフレスコ壁画「ヴェニスの女」などの大型の絵画の他、イタリアや日本国内でのスケッチ、作品の下絵など、作品だけでなく寺崎の交遊関係の一部が分かるはがきなど、貴重な資料も展示している。

訪れた南房総市の50代男性は「安房神社で見るぐらいしかなく、『なぜ館山に』という思いだったが、寺崎武男と館山の関係がよく分かる展示だった」と感想を話した。

同NPOでは「美術史的にも研究者が少なく、まだまだ分からないことが多い。寺崎武男について少しでも知ってもらうきっかけになれば」と来場を呼び掛けている。

時間は、午前10時~午後4時(最終日3時)。月曜日休館、入場無料。

4月1日午後2時からは、寺崎に関するシンポジウムも開かれる。同NPOの愛沢伸雄代表による調査報告「手帳と書簡から見える寺崎武男の世界」、大阪芸術大の石井元章教授の「日伊交流史における寺崎武男」と題した基調講演が予定されている。

資料代として500円。問い合わせは、安房文化遺産フォーラム(0470―22―8271)へ。