平成22年4月1日
富崎地区のみなさんへ
富崎地区コミュニティ委員会会長 磯部 勲
青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会
会長 嶋田博信
(富崎地区連合区長会長)
皆さんも房日新聞などでご存じかと思いますが、日本を代表する画家・青木繁が明治時代に滞在した布良の小谷家住宅が、昨年秋に館山市の指定文化財になりました。一般住宅としては館山市内で初めてのことであり、富崎地区にとってたいへん喜ばしいことであったと思います。
青木繁の代表作となった名画《海の幸》は、多くの画家に影響を与え、戦後になってから、日本で初めて国の重要文化財となった洋画です。また、阿由戸の浜にある《海の幸》記念碑は、今から50年前に富崎出身だった田村利男市長が発起人になり「青木繁没後50年」を記念して建てたものです。全国には《海の幸》の愛好家が多く、青木繁ゆかりの地である富崎地区を訪れる方々があとを絶ちません。
そこで富崎地区コミュニティ委員会では、館山市内の方々や全国の著名な美術関係者に呼びかけて、「青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会」を立ち上げて活動してきました。同じ願いをもつ全国の美術関係者からも、将来は青木繁《海の幸》記念館として修繕のための基金を集めようという運動が起こっています。「青木繁没後100年」という記念すべき節目にあたる来年に向けて、富崎地区でも一緒に取り組んでいきたいと思っています。ご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。
なお、保存する会の事務局を担っているNPO法人安房文化遺産フォーラム(愛沢伸雄代表)では、富崎地区の活性化のために国土交通省のモデル事業「漁村が誇る3つの〝あ〟のまちづくり」に取り組んできました。その一環として、昨年9月に配布された富崎地区のイラストガイドマップがありましたが、今回さらにレシピ集『おらがごっつお富崎』と「保存する会」の案内チラシを作成し、富崎地区の全世帯に寄贈していただきました。
少子高齢化の進んでいる富崎地区ですが、NPOや全国の美術家たちが活性化の応援をしてくれることは、たいへんありがたいことです。これを励みに、コミュニティの活動も活発にしていきたいと思っています。4月24日(土)には、青木繁ゆかりの富崎地区を歩くイベントを企画します。この機会に、ふるさと富崎の再発見をしてみてはいかがでしょうか。地区の皆さんのご参加を願っています。
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※レシピ集「おらがごっつお」の内容はコチラ。
※「新たな公」http://bunka-isan.awa.jp/AAA/に収録。
(房日新聞2010.4.1付)
■青木繁が《海の幸》を描いた館山の漁村を歩こう。
【日時】平成22年4月24日(土)9:30〜12:00
【参加費】:200円
(小谷家保存のための寄付と保険料を含みます)
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近代絵画のさきがけとなった《海の幸》は、明治37(1904)年に房総半島最南端の小さな漁村(布良・相浜)で誕生しました。作者・青木繁(1882-1911)はこよなくこの地を愛し、日本を代表する作品を描き、同行した福田たねと情熱的な恋をして、第一子・幸彦(後の福田蘭童)を授かりました。28歳で波乱万丈な人生を終えた繁をしのび、没後50年には太平洋を見下ろす高台に《海の幸》記念碑が建立されました。繁が滞在した布良の小谷家住宅は今なおかつての姿を残し、昨年秋には館山市指定文化財となりました。来年は「青木繁没後100年」を迎えるにあたり、現在、地元の富崎地区コミュニティ委員会とNPO法人安房文化遺産フォーラムが中心となって設立した「青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会」が館山市や全国の美術関係者らとともに、この歴史的な環境を後世に残そうという活動をおこなっています。かつて若き画家が情熱的に恋をして絵を描いた漁村を旅行者気分でガイドとともに歩いてみませんか。
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【集合】 9:30 富崎地区公民館
【コース】 布良崎神社…小谷家住宅(館山市指定文化財)…「海の幸」記念碑…阿由戸の浜
…駒ケ崎神社…「安房節・鮪延縄漁発祥」碑
【主催】 富崎地区コミュニティ委員会
青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会
【協力】 NPO法人安房文化遺産フォーラム
平成20年度(H.22.3.31現在)のご寄付は、
306,778円ご浄財をいただき、うち
100,000円を修繕費等積立金(特別会計)といたしました。
会計報告の詳細は、総会終了後にお知らせいたします。
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ご賛同いただきました皆様には、
心より厚く御礼を申し上げます。
海へと響け、相浜の太鼓
小中生への稽古が復活
神社の例祭でお披露目
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館山市の相浜地区で、しばらく途絶えていた祭り囃しの小中学生への伝承が、この春6ねんぶりに復活した。
相浜神社境内の二斗田集会所で、今月6日から週2、3回のペースで稽古を続け、27日の例祭で成果をお披露目した。当日は、富崎一体で行なわれた「エコウォーク」(たてやまエコツーリズム協議会主催)の参加者約40人も勇壮なお囃しを鑑賞。大きな拍手を送っていた。
高齢化が進む同地区では、子どもの数が少なくなるなどさまざまな理由から、祭り囃しの稽古が中断。この状態が続くことを心配していた30代中心の「囃子方」有志が「伝統ある地元の文化が途絶えてしまう」と、区長や神社の氏子らに復活を強く要請し、地区の父母らに働きかけたところ、小中学生18人が「お囃しを習いたい」と集まった。
稽古は夜間。家族の都合がつかない日は囃子方のメンバーが子どもらを送り迎えするなど、全面的なサポート態勢も構築。「ばかばやし」「すが」「おかざい」「しょうぜん」「やぐるま」の5つのお囃しの習得に取り組んだ。
住民によると、相浜の「ばかばやし」は房州の他の地区にはないもので、テンポが非常に速いのが特徴という。
相浜の磯部勲区長は「子どもたちが生き生きとやってくれてうれしい。独特のお囃しだと思っており、これを絶やさず後世に残すのは重要だ」と話している。
(房日新聞2010.3.30付)