「場所の記憶」の複合によるエコミュージアム型まちづくり
鄭 一止(神奈川大学助手:2014年当時)
・熊本県立大学 環境共生学部 准教授
・NPO法人熊本まちなみトラスト 副理事長
・NPO法人安房文化遺産フォーラム 理事
「場所の記憶」の複合によるエコミュージアム型まちづくり
~「館山まるごと博物館」を事例として~
(目次)
第1章 エコミュージアムとまちづくり
1.研究背景
(1)目に見えない領域における可能性及び課題【WHAT】
(2)潜在的な地域力を活かした地域づくり【WHERE】
(3)学習活動を通して、地域の理解を高め、それらをつなぎ合わせながら、活用する【HOW】
A.「場所の記憶」の特異性、重層性を活かすための要件
B.まちづくりの課題及び提案
C.エコミュージアムの課題及び可能性
(a)エコミュージアムの特徴及び課題
(b)エコミュージアムの可能性
2.研究の目的
第2章 館山まるごと博物館
1.戦争遺跡を守る
2.房総里見氏の歴史・文化を守る
3.NPO法人安房文化遺産フォーラムの設立及び構成
4.活動域内における連携ネットワーク
(1)青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会
(2)かにた婦人の村
(3)安房地域母親大会
(4)千葉県歴史教育者協議会
(5)NPO法人全国生涯学習まちづくり協会
(6)その他
5.NPO法人安房文化遺産フォーラムの取り組み
6.アーカイブ(記録の蓄積)の構築
(1)「学習」活動の流れ
(2)地域を調べる
(3)伝える(間接的)
(4)共有する(普及・交流活動)
7.「場所の記憶」の1次的複合
8.「場所の記憶」の2次的複合~ローカル・キュレーターの展開
(1)「場所の記憶」の複合の類型及び取り組み
(2)「場所の記憶」の複合の意義
9.「場所の記憶」の複合と共発的なまちづくり
(1)共発的なまちづくりの展開
– A.「場所の記憶」の複合に基づくネットワーク
– B.「場所の記憶」の複合におけるまちづくりの展開プロセス
(2)エコミュージアムに関わった参加者の展開プロセス
– A.様々な分野におけるローカル専門家やテーマ型組織との連携
– B.参加者の展開プロセス
– C.積極的なサポート
– D.柔軟な役割・テーマの移動
(3)ローカル・キュレーターの展開プロセス
– A.複合の必然性を生む要因
– B.ローカル・キュレーターの展開プロセス
(4)空間づくりへの展開
– A.建造物の保存・活用
(a)まちかどミニ博物館~渡米したアワビ移民の資料館
(b)青木繁《海の幸》誕生の小谷家住宅
(c)その他
B.空間まちづくりへの展開
(a)青木繁ゆかりの富崎地区の活性化事業
(b)福原有信ゆかりの松岡区の活性化事業
(c)「場所の記憶」に基づいたエリア分け及び設定
C.アドバイザーとしてのまちづくり活動
10.まとめ
(1)無数の「場所の記憶」におけるアーカイブ化の取り組み
(2)戦争における「場所の記憶」を拠点とする様々な記憶の複合
(3)地域内外との開かれた交流
(4)地縁型組織との連携体制
(5)語り部からローカル・キュレーターへの展開
(6)地域全体における総合性