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【朝日】121013*近代水産業の父、小谷家に礼状

(朝日新聞2012.10.13付) ⇒印刷用PDF

近代水産業の父、書簡見つかる

館山・小谷家に伝習所長としてお礼

青木繁も見た? 動植物図贈る


夭折(ようせつ)した画家・青木繁が滞在した館山市布良(めら)の小谷(こたに)家で、「近代水産業の父」とされる関沢明清(あけきよ)の手紙が見つかった。小谷家に伝わる「日本重要水産動植物之図」は関沢の贈ったものと判明。当主の小谷福哲(ふくあき)さん(61)は「青木繁もこの図を見たはず」という。

小谷家には、東京美術学校(現在の東京芸大)を卒業した青木繁や恋人の福田たね、同郷の画家坂本繁二郎らが1904年7月中旬から8月末まで暮らした部屋がそのまま残る。市の有形文化財に指定され、NPO法人安房文化遺産フォーラム(愛沢伸雄代表)が見学会を開いている。

手紙は今年の7月の見学会で見つかった。小谷福哲さんが居間の押入れの奥にあった木箱から手紙を見つけた。「水産伝習所長 関沢明清」の手紙は1890年9月10日付、小谷喜録あて。「生徒御地出張中はご多忙のなか、漁具その他の説明を煩わし生徒も満足致しおり候」と、伝習所生がお世話になったことを感謝して、お礼に水産動植物図を贈ると書いてある。

小谷家の居間に飾られてきた「日本重要水産動植物之図」3枚は、関沢の贈ったものと分かり、図が入っていた木箱も出てきた。

動植物図は、タテ50センチ、横65センチほどの紙にマンボウやサメなど魚類83種、イセエビ・サザエなど甲殻類・貝類51種が描かれている。フランス革命100周年記念で1889年に開かれたパリ万博のため、農商務省水産局が作った日本発のカラー石版画で、大事の下にフランス語訳もある。

同じ図は金沢大附属図書館にもしょぞうされている。海藻やアシカなどを収めた第4図もあるというが、小谷家では飾っていなかった。

当時の当主、小谷喜録は網本として人望も厚く、村議も務めた。水産伝習所の生徒に漁法などを教え、動植物図は額にいれて、居間のなげしに飾られた。

スケッチ旅行に来た青木繁たちは、その居間で暮らした。青木はチジンにあてた絵入りの手紙(1904年8月22日付)でクジラ、マグロ、フカ、イセエビなど40種類を列挙し、大作「海の幸」に取り組んでいることを示唆した。喜録から3代目の福哲さんは「青木繁たちも水産動植物図を見ているはず。この図をヒントに魚を覚えたのかもしれません」と語る。

動植物之図や関沢の書簡は21日、旧館山市富崎小学校で開く「青木繁『海の幸』フェスタ」に展示される。入場無料。問い合わせは事務局(0470・22・8271)へ。

(清水弟)

11月11日=川上文代先生の食文化講演会

講演会「長寿安房のおらがごっつおと発酵食」

チラシPDF


■日時=2012年11月11日(日)13:30〜15:30

■会場=館山市コミュニティセンター2F集団指導室

■参加費=無料

■定員=60名

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■講師=川上文代(かわかみふみよ)氏

館山市クッキング大使。館山生まれ。

辻調理師専門学校卒業。

料理研究家、食育フードアナリスト。

「デリス・ド・キュイエール川上文代料理教室」主宰。

NHK「きょうの料理」ほか多数講師。

著書=『塩麹のおいしいレシピ』『お味噌の便利帳』等多数。

10月21日=青木繁《海の幸》フェスタ—富崎コミュニティのつどい—

印刷用PDF



青木繁《海の幸》フェスタ—富崎コミュニティのつどい—

日時=2012年10月21日(日)
会場=旧館山市立富崎小学校体育館

参加費=無料


◆ 青木繁《海の幸》ウォーキング9:00〜10:30

集合:JRバス停「安房自然村」

・青木繁逗留の小谷家住宅(館山市指定文化財)

・没後50年の青木繁記念碑

・布良崎神社


◆ 富崎地区レク大会 富崎小学校 (校庭) 9:00〜11:00


◆ DVD鑑賞「青木繁と布良」 (体育館) 9:00〜11:00


◆ 影絵劇&トークショー 宮内 淳vs成田 均 (体育館) 11:15〜12:30

人気ドラマ『太陽にほえろ』で活躍した俳優の宮内さんは、幸せで豊かな生活を実践するための公益財団法人地球友の会を立ち上げるとともに、影絵劇団かしの樹を主宰しています。ダイバーの成田さんは、素潜り世界チャンピオンだった故ジャック・マイヨールがイルカから学んだという生き方(地球との共生)を伝えるメッセンジャーです。神話と友情を描いた影絵劇とともに、20年来の親友が「海からの贈り物」を語ります。


◆ 新発見!青木繁が滞在した明治の漁村・富崎 (体育館) 13:30〜14:30

先ごろ、小谷家住宅から明治時代の貴重な資料が大量に見つかりました。そのひとつが日本の近代水産業のパイオニアであり、水産教育を始めた関澤明清から贈られた書簡と、精密に描かれた「重要水産動植物図」です。ほかにも、水産博覧会の褒章状や帝国水難救済会の関係書類などから、近代水産業発展のうえで富崎村が果たした重要な役割が見えてきました。地元の水産専門家らの解説を聞きながら、豊かな漁村・富崎の歴史文化について語り合いましょう。


◆ 語り部「布良星」「タコのうらみ」 (体育館) 14:30〜15:00

庄司民江・浜田雅子 =パネルシアター=

真冬の夜、南の水平線上に赤く輝くカノープスは布良星と呼ばれ、危険な海で遭難した布良の漁師の魂だと語り継がれています。漁村に伝わる民話をお楽しみください。


◆ 踊り「いっちゃぶし」「安房節」 (体育館) 15:00〜15:30

漁村の民謡は長寿の秘けつ。みんなで楽しく踊りましょう。


◆ 本邦初公開!展示いろいろ (体育館) 13:00〜15:30 ※ 前日午後も見られます。

◇ 明治の漁村・富崎を知る新資料 ◇ 寺崎武男の未公開作品(布良崎神社の奉納画)

◇ 写真展・富崎の今むかし ◇ 青木繁《海の幸》模写画 ◇ 南総祭礼絵図


【主催】青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会、NPO法人安房文化遺産フォーラム

【共催】富崎地区コミュニティ委員会

【協力】南総祭礼研究会、語り部さくら貝、劇団かしの樹


文化庁「地域の文化遺産を活かした観光振興と地域活性化事業」

【房日】120914*「海の幸」オマージュ展に延べ8250人が入館

渚の博物館「海の幸」オマージュ展

延べ8250人が入館

房日新聞 2012年9月14日


館山市館山のなぎさの博物館で開催された巡回展「青木繁『海の幸』オマージュ展」(6月26日〜9月2日)の入館者数がまとまった。開館日数の60日間で、延べ8250人が入館した。1日あたりの平均入館者数は138人だった。

同市や同市教委、NPO青木繁「海の幸」会が共催した展覧会。NPO青木繁「海の幸」会は、青木が同市で宿泊した小谷家の保存と警官の環境整備を目的に活動。明治時代の画家、青木繁(1882〜1911)が代表作「海の幸」を描いた同市と、東京、銀座で開催した。

展示では未公開の8点を含む、青木のデッサン画17点をはじめ、画家56人の作品64点が飾られた。

1日の入館者数が多かった日は、8月の盆の14日が541人、15日が304人。関連イベントもあり、洋画家佐々木豊氏と美術評論家、ワシオ・トシヒコ氏のギャラリートークには60人が、福岡大学人文学部教授、植野健造氏を招いたふるさと講座には71人が参加した。

入館者からは「小谷家はどこにあるか。行ってみたい」などと関心を寄せる声が多く聞かれた。

【房日投稿】120818*青木繁「海の幸」オマージュ展に感動(溝口七生)

読者のコーナー 【鋸南町 溝口七生】

青木繁「海の幸」オマージュ展に感動

房日新聞 2012年8月18日


“渚の駅”たてやま渚の博物館で開催中の『青木繁「海の幸」オマージュ展』を観て、大きな感銘を受けた。

まず、青木繁が布良に滞在した時のもの、初公開のものも含まれた貴重なデッサン作品17点を興味深く観て、改めて青木繁の非凡な才能、芸術感覚の鋭さ・豊かさなどが感じられた。

さらに、『青木繁「海の幸」会』のメンバー有志らの作品群も見応えがあった。その顔ぶれが凄い。現代日本画壇のトップレベルの画家たちの作品がこれだけ一堂に展開される展覧会は稀なことである。

日本芸術院会員の奥谷博、中山忠彦、塗師祥一郎、大津英敏は小作と大作の2点ずつの出品。この4人を始めとして、日展や主要美術団体の審査員や役員や中心会員、美術大学教授たち、入江観、馬越陽子、内山孝、張替眞宏、楢崎重視、齋藤研、吉武研司、安達博文、棚瀬修次、川村良紀、金井訓志、浅野輝一、吹田文明など、美術界で名の知れた人たちの魅力的な作品が並んでいる。

青木繁へのオマージュを直接的に表現している作品もある。地元作家の船田正廣の「海の幸」の模刻作品、福田たねを描き入れた作品、自画像を元にした作品、小谷家や布良を描いた作品など。

作品ジャンルも油彩、水彩、日本画、水墨、版画と変化に富んでいるし、伝統的写実的作品と現代美術的抽象作品と作品傾向の幅も広く、小品が多いのではあるが、安房地域で開催された数多くの展覧会の中でも一、二を争う貴重な、レベルの高い展覧会となっていると思う。

なんども会場に足を運び、じっくり鑑賞し、味わっている。

9月2日まで開催されるとのことで、さまざまな関連資料とともに、ぜひ多くの方々に観て頂きたい展覧会である。

「海の幸」会の会員は500人にもなっているとのこと。私もその一員に加わって今展にも参加しているが、小谷家を復元・保存し、記念館へという運動が、地元の館山市と『青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会・NPO安房文化遺産フォーラム』の活動と連動して大きな盛り上がりを見せてくれることを期待している。

日本興亜おもいやり倶楽部から助成金

日本興亜おもいやり倶楽部の助成金10万円が

青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会に寄贈されました。

日本興亜損害保険株式会社が役職員有志を会員とし、

毎月の給与から100円を拠出した基金に会社が同額を上乗せしてファンドを作り、

社会福祉や環境分野、国際貢献、教育文化活動支援、地域貢献、災害被害者救援などの

分野に取り組む団体等に寄付する社会貢献活動制度です。

7月14日、館山市出身の同社社員・山崎優子さんから、当会・嶋田博信会長へ

贈呈式を小谷家住宅にて行われました。

有効な使途に活かしていきたいと考えています。どうもありがとうございました。