お知らせ

瓦プロジェクト〜小谷家修復応援!

みんなで守ろう!地域の宝

小谷家住宅修復応援・瓦プロジェクト

案内チラシ

平成28(2016)年春の公開を目ざし、いよいよ修復工事が始まりました。このたび瓦2,300枚の葺き替えに伴い、「瓦プロジェクト(1口1,000円)」として多くの皆様にご支援を呼びかけることにしました。ご協力をよろしくお願いいたします。力を合わせて、地域の宝を後世に手渡しましょう。

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* 入金先 *

青木繁「海の幸」誕生の家

郵便振替口座 00150-6-616201

1口1,000円(複数口も大歓迎!)

※通信欄に「瓦」とご記入下さい。

入会希望者は年会費2,000円です。

【西日本新聞夕刊】151014*「海の幸」誕生の家、来春公開へ

千葉・館山、青木繁滞在

「海の幸」誕生の家、来春公開へ

(西日本新聞夕刊2015.10.14付)‥⇒印刷用PDF

建物は明治期の木造瓦ぶき平屋で、小谷家は網元だった。青木は1904年、恋人福田たねや友人で同郷の坂本繁二郎らと約1カ月半滞在。獲物を携えた漁民が更新する「海の幸」は、坂本から聞いた漁の光景の話や地元住民の姿などをもとに当地で描いた。

老朽化した住宅を後世に残そうと、2008年に地元住民などが「青木繁≪海の幸≫誕生の家と記念碑を保存する会」を結成。10年には画家などが「海の幸」会を発足。「海の幸」会がチャリティー絵画展を開くなど両会で総工費約4600万円のうち約4千万円を集めた。現住する子孫の居住部を移設し、子写真や子孫の話を参考に増築部分の撤去や屋根のふき替えなど作品が描かれた当時に近づける修復を続けている。

公開は当面、週2日程度の予定。「保存する会」の愛沢伸雄事務局長は「これから地域で支える態勢をつくっていきたい」と話し、「海の幸」会の吉岡友次郎事務局長も「青木繁が絵に打ち込んだ小谷家を、特に若い人に知ってもらいたい」と望んでいる。

(大矢和世)

【西日本新聞夕刊】151007*医学生理学賞の大村さん

医学生理学賞の大村さん、青木繁顕彰に尽力

世のため、美術のためにも

(西日本新聞夕刊2015.10.7付)‥⇒印刷用PDF


5日にノーベル医学生理学賞に決まった大村智・北里大特別栄誉教授(80)は女子美術大の名誉理事長で自ら設立した韮崎大村美術館の館長でもあり、美術界への貢献も大きい。九州ゆかりの画家とも関わりが深く、NPO法人「青木繁『海の幸』会」(川崎市)の理事長として、日本近代洋画で強い輝きを放つ福岡県久留米市出身画家の顕彰に尽力してきた。

「海の幸」会は、青木が滞在し代表作「海の幸」を描いた小谷家住宅(千葉県館山市)の修復保存活動に取り組む。毎年チャリティー絵画展の収益の一部を修復基金に充てている。同会が2010年、画家らを中心に設立された際、美術に造詣の深い大村さんに理事長の白羽の矢が立った。大村さんは「(小谷家の)部屋にたたずむと、青木繁、坂本繁二郎などの青春群像が立ち現れてくるような思いにかられます」と設立にあたり言葉を寄せている。

同会事務局長で画家の吉岡友次郎さん(78)=久留米市出身=は「理事長を引き受ける前、まず小谷家へ足を運ばれ、何より現場を大事にされる方だと感じた。各美術団体を超えて集まっている画家たちの話を、よく理解してくださる」と横顔を語る。同会理事を務める洋画家、大津英敏さん(72)=福岡県大牟田市出身=は「青木繁は若くして亡くなった。韮崎大村美術館に若い美術家の作品を積極的に収蔵し活躍を応援するのも、青木の姿を重ねているのではないか」と話し、同理事の洋画家、中山忠彦さん(80)=北九州市出身=も「私財をNPOの活動に投じている。青木繁への敬意が伝わってくる」と語る。

同会とも交流がある久留米市の「青木繁旧居保存会」荒木康博会長(65)は「美術関係の方と思っていたので、ノーベル賞と聞いて驚いた。小谷家の保存活動が勢いづくといい」と期待している。

【産経】1501008*ノーベル賞の大村さん、旧家保存に尽力

ノーベル賞の大村さん

館山の旧家保存に尽力、名画「海の幸」ゆかり

(産経新聞2015.10.8付)‥⇒印刷用PDF


ノーベル医学・生理学賞に決まった北里大特別栄誉教授の大村智さん(80)は、美術愛好家として明治期を代表する洋画家・青木繁が代表作「海の幸」(国指定重要文化財)を描いた館山市の旧家「小谷家住宅」の保存に尽力しており、昨年8月にも市を訪問していた。受賞には地元関係者からも喜びの声が上がっている。

NPO法人の理事長

小谷家は江戸時代から続く漁業家。明治37年、当時22歳だった青木は友人とともに小谷家に約1カ月半滞在し、数人の漁師がサメを担ぐ有名な絵画「海の幸」を描いた。大村さんは、この旧家「小谷家住宅」の保存や修復などを目的とする全国の画家ら約600人からなるNPO 法人「青木繁『海の幸』会」の理事長を務めている。

同会の事務局長で、親交のある吉岡友次郎さん(78)は「受賞は大変喜ばしい。一見怖そうに見えるかもしれないが、実はきさくでよく冗談も話される。館山には苦学をなさっていた頃に新婚旅行で訪れたこともあると聞きました」と明かす。

「紳士的で温厚な方」

同会と協力し活動しているNPO法人・安房文化遺産フォーラムによると、大村さんは個人的にも市にふるさと納税を通し、小谷家保存のために300万円の寄付をしているという。現小谷家当主の小谷福哲さん(64)は「受賞と聞き、びっくりしました。感激しています。大村さんは紳士的で温厚な方」と話した。

地元で旧家の保存や修復などの活動を行っている「青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会」の会長、嶋田博信さん(82)は「大村さんは自分よりも人のために行動する方」と笑顔で祝福。副会長の小谷昭さん(71)も「近寄りがたいという印象のない方。美術愛好家としての顔しか知らないので、ノーベル賞を取ったと聞いても『何の分野でだろうか』と思ったくらいです」と話した。

現在「小谷家住宅」は腐食した部分の修復作業が進められており、来春に一般公開される予定。

10月17日:日本民俗建築学会シンポジウムin房総のむら

日本民俗建築学会・公開シンポジウム

『房総半島から 太平洋岸に ひろがる分棟型民家の 分布を考える』

※詳細はこちら‥⇒印刷用PDF


1.日時:2015年10月17日(土) 10時15分〜16時

2.会場:千葉県立房総のむら 千葉県印旛郡栄町龍角寺1028 ☎0476-95-3333

3.テーマ:「房総半島から太平洋岸に広がる分棟型民家の分布を考える-カマドを分離した日本の民家-」

4.見学解説会

・房総のむらの分棟型再現民家「安房の農家」

・分棟型の遺構を残す重要文化財「旧御子神家住宅」等

5.シンポジウム〜旧学習院初等科正堂にて

・基調講演 「安房の分棟型民家」日塔和彦(元東京藝術大学客員教授・館山市文化財審議委員)

・報告①「九州の分棟型(別棟)民家と沖縄・南西諸島の民家」原田聰明(熊本大学非常勤講師)

・報告②「東海地区の分棟型釜屋建民家」中村利夫(静岡県文化財建造物監理士)

・パネルディスカッション

【東京新聞】151007*美術にも造詣、ノーベル賞・大村さん

美術にも造詣、ノーベル賞・大村さん

「小谷家住宅」保存に尽力

青木繁「海の幸」誕生の家、館山市関係者も祝福

(東京新聞2015.10.7付)‥⇒印刷用PDF

ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった大村智さん(80)は美術にも造詣が深いことで知られる。明治期の画家青木繁が滞在し、代表作「海の幸」を描いた「小谷家住宅」(館山市布良(めら))の保存にも協力。館山市の関係者からも祝福の声が上がった。

(北浜修)

小谷家住宅は市有形文化財だが、築約120年と老朽化し、現在は、来年四月の一般公開を目指して修復工事中。大村さんが理事長を務める美術家らのグループ「NPO 法人青木繁『海の幸』会」(川崎市)、地元住民団体「青木繁誕生の家と記念碑を保存する会」(館山市)、小谷家、館山市の四者が連携して、保存に動いている。

館山市によると、大村さんは2012年度、小谷家住宅の保存を今後進める事業に指定し、300万円の寄付もしている。

「保存する会」事務局長で、NPO法人安房文化遺産フォーラム代表の愛沢伸雄さん(63)は6日、「保存に協力していただいている人がノーベル賞受賞とは大変光栄なこと」と喜んだ。

大村さんは保存活動を通じて、館山を訪れることがあるという。愛沢さんは「世界的な研究者でありながら、絵画などの収集家として美術にも造詣が深い、稀有(けう)な人」と話した。

現在の小谷家当主、小谷福哲(ふくあき)さん(64)も5日夜、「受賞決定はテレビで知った。候補とは聞いてはいたが、すばらしい。性格は温厚で誰にも気さくに話し掛けてくれる人。本当におめでとうございます」と祝福した。

小谷家は江戸時代から戦前まで、布良の有力漁家だった。経緯は不明だが、画家青木繁は1904(明治37)年夏、知人らと2カ月ほど小谷家に滞在。海岸を歩く漁師らを描いた日本絵画史の傑作「海の幸」を残した。

金丸謙一市長は6日、大村さんに祝電を送り、「市は『海の幸』への思いをキーワードに、小谷家住宅を市民の誇りとすることを誓った。文化財活動を展開されている大村先生には今後とも、市の発展にお力添えを賜りますようお願い申し上げます」と要請した。

【千葉日報】151007*ノーベル賞受賞の大村智さん

ノーベル賞の大村智さん、県内からも祝福賞賛

芸術にも深い造詣、小谷家住宅復元へ活動、館山

「自分のことのよう」「ひた向きさが立派」

(千葉日報2015.10.7付)‥⇒印刷用PDF

「自分のことのようにうれしく思う」「紳士的で人格者」-。ノーベル医学生理学賞受賞が決まった大村智・北里大特別栄誉教授(80)へ、一夜明け、千葉県内からも祝福や賞賛の声が上がった。芸術に造詣の深い大村さんは、館山市で、明治期の洋画家、青木繁にゆかりのある住宅の復元・保存活動の先頭に立つとともに、ふるさと納税で多額の寄付も。佐倉順天堂との縁で佐倉市ともつながり、講演で訪れ研究への思いなどを語っていた。

大村さんが理事長を務めるNPO法人青木繁「海の幸」会は、日本で初めて国重要文化財に指定された西洋画「海の幸」を青木が制作した館山布良の小谷家住宅が老朽化したため、当時の姿に復元して保存しようと2010年1月に設立。

幼少から絵画に親しみ、造詣が深い大村さん。故郷の山梨県韮崎市に、40年以上にわたって収集した絵画などの美術品を集めた美術館を開いたほど。また、自身が建設した病院にたくさんの絵画を飾り、当時まだ珍しかった患者の心を和ませて治癒を助ける「ヒーリングアート」をいち早く実践したといわれている。

大村さんは新婚旅行でも館山市を訪問。芸術はじめ多岐にわたる分野で活躍し、リーダーシップがあることから同NPO理事長就任を打診されると、実際に小谷家を訪れ、文化財としての保存の必要性を感じて引き受けたという。

活動では、会派を超え集まった日本をリードする画家らを束ねるとともに、自らは13年1月に「小谷家住宅の保存および活用の支援に関する事業」として市に300万円のふるさと納税を寄付。来年4月の一般公開に向けて、地元の「青木繁誕生の家と記念碑を保存する会」とともに活動を続ける。青木に関する企画展や、小谷家の修復状況確認のため、今でも度々現地を訪れる。

受賞発表から一夜明け、活動を通して大村さんと交流のある市内の関係者からは喜びの声があふれた。小谷家の現在の当主、小谷福哲さん(64)は「折り目正しく紳士的で人格者。もっと早く選ばれるべきだったけど、感激した。保存活動へ追い風になったら」と喜ぶ。

保存する会の愛沢伸雄事務局長(63)は「地道な地域の活動に関心を示してくれる社会貢献への意識が高い人。足元へ目配りできる人だからこそアフリカを救う開発ができたのではないか」と声を弾ませた。館山市の金丸謙一市長は「医療や科学研究の発展に大きく貢献され、敬意を申し上げる。今後とも館山市の発展のため、お力添えをお願い申し上げます」と祝電を贈った。


佐倉市では特別講演会も、熱く研究への思い語る

大村さんは、女子美術大学理事長(当時)として連携協働協定を締結したほか、講演会の講師として訪れるなど、佐倉市とのつながりも深い。蕨和雄市長は「仕事へのひたむきさが立派で、長年の地道な努力が評価された。自分のことのようにうれしく思う」と喜びの声を寄せた。

江戸時代に佐倉へ蘭医学の塾兼診療所「佐倉順天堂」を開いた佐藤大然の孫・佐藤志津が女子美大の第二代校長を務めており、同大と佐倉市は歴史的に縁がある。両者は2012年、教育や文化、まちづくりなどで相互に連携を図る協定を締結。当時の理事長が大村さんだった。蕨市長は「気さくで飾らず奥の深い人。謙虚な人柄が表れていた」と振り返る。

昨年8月には、同市中央公民館で大村氏を講師に招き特別講演会を開催。講演で大村さんは「一化学者の世界の保健と福祉への貢献」をテーマに、半生を振り返りながら研究への思いを語ったという。会場は市民で満席。大村さんの生きざまや研究成果への注目の高さがうかがわれた。