34人が画家の聖地吟行
互選1位は三尾敦子さん
館山俳句連盟が富崎地区で
(房日新聞2019.5.9付)‥⇒印刷用PDF
館山市俳句連盟(庄司風樹会長)による、「画家たち(青木繁・寺崎武男・倉田白羊)の聖地を巡る吟行句会」がこのほど、旧富崎小学校であり、34人の俳句愛好家が参加した。富崎界隈(かいわい)を各自巡り、俳句を投句。
鳥曇という晩春の季語のような一日で、愛好家らが旧富崎小の図書室に集い、5時間余り俳句三昧(ざんまい)の時間を過ごした。
旧小学校から布良崎神社、青木繁記念館、釣り人が居ならぶ漁港などを吟行。学校が「まるごと美術館」となった校舎内の展示を巡った。圧巻は体育館の寺崎武男、倉田白羊、青木繁の作品(複製を含め)群。多くの句材に刺激を受けて佳句が生まれた。
上位成績は次のとおり。=敬称略
【互選1句得点順】
▽1位=長靴を逆さに干して漁港初夏(三尾敦子)
▽2位=鉄棒の錆びて夏草生ふる庭(伊藤よし江)
▽3位=揚げ船の女名前や浜大根(森とし子)
▽4位=忌部氏の下り立つ浜や磯菜摘む(櫻井泰)
▽5位=安房節の歌碑の字白し青葉潮(古居芳恵)
【選者特選2句】
庄司風樹選
▽鉄棒の錆びて夏草生ふる庭(伊藤よし江)
▽布良浜にきらりと光る裸婦の顔(吉田信男)
滝口照影選
▽延縄漁を唄ふ安房節菜種潮(石?和夫)
▽長靴を逆さに干して漁港初夏(三尾敦子)
石崎和夫選
▽雄叫びの「海の幸」より布良暮春(森とし子)
▽長靴を逆さに干して漁港初夏(三尾敦子)
【参加者の1句=投句順】
・布良岬一直線に春の潮 (沖村 菊江)
・一舟を沖に浮かべて富士かすみ (浅沼智栄子)
・夏近し学舎護る尊徳像 (川崎 一美)
・ランドセル見ればなつかしわが母校 (吉田 信男)
・老いて尚一歩踏み出す青葉風 (高梨 光素)
・校歌の碑歌ふ児等なく春の庭 (伊藤よし江)
・春の浜こころ青春令和へと (沼野 和子)
・元禄の津波の高さ鳥曇 (長谷川エイ子)
・浜大根風のすき間の漁師船 (古居 芳恵)
・海の幸繁愛せし布良の浜 (牧野 力)
・廃校のプールに残る児らの声 (山中 宏子)
・雄叫びの「海の幸」より布良暮春 (森 とし子)
・南風吹く女神男神の山の息 (伊東 茜)
・潮満ちて春の大島近くなり (粕谷 艪水)
・春光や画布に岬の女神顕つ (石崎 和夫)
・布良沖の釣り人自慢いさき漁 (田中 信子)
・布良沖に鎮魂のうねり夏兆す (湯川 敬人)
・廃校の椰子一本に初夏の風 (庄司 風樹)
・布良沖に日の島のあり躑躅燃ゆ (里村 梨邨)
・ゆるゆると遥か船行く春の海 (広沢 真弓)
・安房節も延縄漁も此処風薫る (小谷たかし)
・記念碑は幣のかたちよ風光る (斎藤 一向)
・岩座に宿る神の意初夏の海 (角田 秀子)
・つばくらめ阿由戸の浜をひるがえり (庄司 泰雄)
・若葉風「繁」の布良の白鳥居 (小形 博子)
・廃校の寂しさは蒲公英の花 (滝口 夢丼)
・安房節の碑に風渡り卯波立つ (滝口 照影)
・行く春や彼の眼差しは誰に向く (粕谷 洋子)
・夏座敷正午を告げる旧時計 (櫻井 泰)
・新しき砂敷きつめ社初夏 (三尾 敦子)
・魚島や担ぎて一人こちら見る (田辺 正子)
・夏めく海や延縄を想像す (星加 晴美)
・十連休渚は女波返しをり (渋尾 正夫)
・レリーフのたねさん撫づる柿若葉 (平嶋 共代)
青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会(以下、保存会)では、
イオン館山の「幸せの黄色いレシートキャンペーン」に参加しています。
このキャンペーンは、毎月11日に発行される黄色いレシートを、
地域のボランティア団体名が書かれたボックスに投函することで、
そのレシート金額の1%分が各団体の活動を支援につながります。
保存会では、小谷家住宅と記念碑をはじめ、富崎地区の歴史・文化の保存と活用、
地域の多様な団体と連携を図りながら、まちづくりに取り組んでいます。
お買い物を通じて、活動への応援をよろしくお願いいたします。
また先月贈呈式に参加し、平成30年度助成分のイオンギフトカードをいただきました。
それらは活動に関わる文具や消耗品等の購入に有効に活用させていただきました。
参照:房日新聞(2019年4月12日付)
「16団体に31万円分助成 黄色いレシート運動」
⇒ http://aoki-shigeru.awa.jp/News/item.htm?iid=285
◎海とアートの学校まるごと美術館
千葉日報(2019年5月4日付)
「廃校に名画ずらり 安房ゆかりの画家展 館山、6日まで」
▼詳細はこちらから
http://aoki-shigeru.awa.jp/News/item.htm?iid=284
安房ゆかりの名画展示へ、27日から旧富崎小
学校まるごと美術館
(房日新聞2019.4.25付)‥⇒印刷用PDF
安房ゆかりの画家たちの名画を集めた「海とアートの学校まるごと美術館」(青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会主催、房日新聞社など後援)が27日から5月6日まで、館山市の旧富崎小学校で催される。日本美術史に影響を与えた洋画家の青木繁や寺崎武男、倉田白羊の絵画など100点以上が展示される予定で、関係者は「画家の聖地とも言われている富崎地区の魅力を知ってほしい」と来場を呼び掛けている。
展示されるのは、明治37年に友人らと布良を訪れた青木繁の代表作「海の幸」の複製画や、昭和24年から4年間、現在の安房高校で美術講師を務めた寺崎武男のびょうぶ絵、旧富崎小などで自由が教育を実践した倉田白羊の襖絵など。同会の愛沢伸雄事務局長は「富崎地区は多くの画家を魅了した場所。日本の美術史に影響を与えた画家がこの地域に住んでいたことを知ってほしい」と話している。
会場では平成29年に閉校した富崎小で、校舎の利活用を目的に企画。体育館や教室に作品が展示され、海の写真や漁具なども並ぶ。富崎地区の歴史の紹介もある。
期間中は、毎日午後1時半から学校周辺でのウォーキングや殺陣の演舞などのイベントも企画している。入場無料。
近くにある青木繁「海の幸」記念館・小谷家住宅は通常、土日のみ開館しているが、期間中は毎日開館し、関連の展示を行う。
問い合わせは、事務局のNPO法人安房文化遺産フォーラムの池田さん(090-6479-3498)へ。
5月6日まで開催している「海とアートの学校まるごと美術館」
地元 房日新聞に掲載されました。
房日新聞(2019年5月1日付)
「絵画100点が来場者魅了 旧富崎小 6日まで『学校まるごと美術館』
NHKニュース(2019年4月30日)で、
「海とアートの学校まるごと美術館」が取り上げられました。
⇒閉校した小学校で美術展 館山
館山市で、閉校になった小学校の校舎を会場に、地域ゆかりの画家たちの作品を集めた美術展が開かれています。
「布良の海を愛した画家たち展」と題したこの美術展は、地元で活動する「青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会」が、おととし閉校になった旧富崎小学校の校舎を活用して初めて開きました。
会場には、明治から昭和にかけて活躍した地域ゆかりの3人の画家、青木繁と寺崎武男、それに倉田白羊の作品に加え、地元の子どもたちが描いた模写絵など合わせて100点余りが展示されています。
このうち「平和来たる春の女神」は、寺崎が昭和21年春に完成させたびょうぶ絵の実物で、遺族から「保存する会」に寄贈されたものです。
訪れた人たちは、房総の神話が描かれた作品などを一つ一つ、じっくりと鑑賞していました。
主催した団体の会長を務める島田博信さん(85)は「偉い画家の絵というのはなかなか見てもらう機会がないので、できるだけ多くの人に鑑賞してもらいたい」と話していました。