メディア報道

【房日】130424*富崎小で若手劇団員がミュージカル披露

若手団員がミュージカル披露

休校の富崎小で合宿の劇団「歌舞人」

(房日新聞2013.4.24付)

昨年4月に休校となった館山市の富崎小学校で21日、劇団「歌舞人(かぶと)」の若手団員がミュージカル「アラジンと魔法のランプ」を上演した。市内を中心に子どもからお年寄りまで300人が集まり、生の舞台を楽しんだ。

歌舞人は、刑事ドラマ「太陽にほえろ!」でボン刑事役を務めた俳優、宮内淳氏が、俳優を目指す若者を育成するために主宰している劇団のひとつ。富崎小での稽古合宿をさる16日にスタート。17人が教室に寝泊まりしながら練習に汗を流し、この日の舞台で成果を披露した。

舞台では、主人公アラジンとエメラルド姫、魔法のランプから現れる魔人のジーニーが繰り広げる不思議の世界を、歌と踊りで演出。役者がステージから飛び出し、客席とふれあう場面もあり盛り上がった。

市内の女子小学2年生は「体育館が暗くなって少し怖かったけど、アラジンとエメラルド姫の歌や踊りがとても上手で楽しかった。また見たいです」と、間近でみる舞台に大喜びだった。

劇団を主宰する宮内さんは開演前に「地元のみなさんには、稽古合宿を温かく迎えていただいた。差し入れや風呂の面倒など本当に良くしてもらいました。お礼の意味もこめて稽古の成果を披露したい」などとあいさつした。

【房日】130419*若手劇団員が富崎小で稽古合宿

若手劇団員が稽古合宿

休校の富崎小 21日に舞台上演

(房日新聞2013.4.19付)

昨年4月に休校となった館山市の富崎小学校で劇団「歌舞人(かぶと)」の若手団員17人が稽古合宿している。最終日の21日には合宿の成果を地域に披露するため、「アラジンと魔法のランプ」の舞台を上演するという。

歌舞人は、刑事ドラマ「太陽にほえろ!」でボン刑事役を務めた俳優、宮内淳氏が、俳優を目指す若者を育成するために主宰している劇団の3つの劇団のひとつ。全国の学校などを巡り、地域とのふれあいを深めながら公演活動を展開している。

富崎小での合宿は16日からスタート。17人は教室を寝泊りに利用し、舞台セットを仕込んだ体育館のステージで、照明係や裏方の仕事をこなしながら、本番さながらに熱のこもった舞台練習を繰り返している。

21日の舞台上演は午後2時からで無料。劇団では「地元の人たちへのあいさつ代わり。夢と魔法のイリュージョンミュージカルを家族そろって楽しんでほしい」と来場を呼びかけている。

富崎小の合宿利用に地元も歓迎ムードで、NPO法人安房文化遺産フォーラム(0470-22-8271)が上演の事務局として協力。富崎地区コミュニティ委員会の磯部勲会長は「休校中の施設はいつでも使えるように整備している。合宿は歓迎。ミュージカル公演が楽しみ」と話している。

【房日】130220*NPO青木繁「海の幸」会大村理事長が300万円寄付

NPO青木繁「海の幸」会大村理事長が300万円寄付

青木繁ゆかりの小谷家保存に

(房日新聞2013.2.20付)

学校法人女子美術大学(東京・杉並区)の理事長で、NPO法人青木繁「海の幸」会理事長を務める大村智氏がこのほど、300万円を「ふるさと納税」として館山市の「小谷家住宅の保存及び活用の支援に関する事業」に寄付した。

【「ふるさと納税とは?」参照】

同市では、小谷家住宅保存活用支援基金に積み立てる。同基金への寄付はこれで17件、計395万円に。金丸謙一市長は「心強い応援に感謝の気持ちでいっぱい。貴重な文化財を保存、活用できるよう、支援を続けたい」と話している。

同市布良にある小谷家は、明治ロマン主義時代を駆け抜けた夭折の天才画家、青木繁が明治37年に滞在し、日本美術史に残る名画「海の幸」を描いたことで知られる。「海の幸誕生の家」とも呼ばれ、現在も当時の面影を残す家屋がある。

老朽化などが懸念される小谷家を、当時の姿に復元して公開したいというファンらが平成21年に設立したのが「海の幸」会。同市でも同年に小谷家を文化財に指定。23年には小谷家住宅保存活用支援基金を創設し、今年度からふるさと納税の使途事業にしている。


【ふるさと納税とは?】

ふるさと納税は、平成20年度の税制改正で導入された。税金の一部を、出身地やかかわりが深い居住地以外の自治体(都道府県や市町村など)に納めることができる制度。自治体によっては使い道を選ぶこともできる。

ふるさと納税した場合、確定申告することで2000円を越える部分の金額が、国や県、居住地の自治体に納める所得税と住民税から軽減(個人住民税所得割額のおおむね1割が限度)される。

例えば、専業主婦の妻とA市で暮らす年収500万円のサラリーマンが、B市に3万円をふるさと納税した場合、所得税の還付金と住民税の減額の合計が約2万8000円分の税金を、B市に納めたことになるという仕組みだ。

お礼の品など特典を設ける自治体も多い。安房では館山市が1万円以上で「地元特産品の詰め合わせ」や「季節の花」など。鴨川市が1万円以上で金額に応じて「長狭米」や「ヒジキ」「干物」など地元産の農産物や海産物、銘菓などを用意している。

ふるさと納税の方法は、自治体によって異なる。南房総市では、担当窓口の払い込みと郵便局(ゆうちょ銀行)の振込の2種類で、館山市ではこれに現金書留での送金(郵便料金は申込者負担)も可能。鴨川市は、郵便局以外の都市銀行や、千葉銀行、館山信用金庫などの金融機関でも振り込みできる。

【房日】130222*富崎小会場にイベント

富崎小会場にイベント

あす子どもと地域を考える

(房日新聞2013.2.22)

「青木繁《海の幸》誕生の家と記念碑を保存する会」とNPO法人安房文化遺産フォーラムによるイベント「元気なまちづくり市民講座」があす23日、館山市の富崎小学校体育館を会場に開催される。文化庁補助を受け、地区コミュニティ委員会と県歴史教育者協議会の協力で開くもので、イベントを通して子どもと地域・社会科を考える。

青木繁が愛した「布良という聖地」は、少子高齢化が進み、休校となった富崎小を「芸術家を育てるまちづくり」に生かしたいと考えた両団体が企画した。

講座は正午からのワークショップで開講。ここでは▽青木繁が滞在した明治期の富崎(布良・相浜)を知ろう▽糸を紡いでみよう▽錬金術を体験してみよう▽房州地布縞帳の展示▽ベトナムフェア▽旭市の津波災害報告▽安房南のウガンダ支援交流▽ところてん体験と試食-の各コーナーが設けられ、午後1時30分から同NPO池田恵美子事務局長が実践報告。2時からは「文化遺産を生かした館山まるごと博物館」をテーマにシンポジウムも開かれる。

翌24日には、午後1時30分から2時間ほど、青木繁が滞在した小谷家住宅や布良崎神社などを巡るウオーキングも予定されている。

市民講座は参加費無料、ウオーキングは参加費500円で、多くの来場を呼びかけている。

【千葉日報】130907*韓国視察団、地域振興と地域資源探る

館山に韓国視察団、地域資源と観光振興探る

大巌院「四面石塔」など見学

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日本の観光振興を探るため来日した韓国の政府系視察団が、館山市で地域資源を生かしたまちづくりの在り方を視察した。一行は、韓国とゆかりのある大巌院(同市大網)を見学したり、明治の洋画家、青木繁が滞在し代表作「海の幸」を描いた小谷家(同市布良)や布良崎神社を訪ね、漁村の祭り文化に注目していた。

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来日したのは韓国文化体育観光部や同部研究機関、韓国文化観光研究院の職員や研究者ら約30人。

館山が視察の対象となったのは、神奈川大学の助手のチョン・イルジさん(32)が昨年、東京大学大学院の都市工学研究科在籍中にまとめた博士論文が韓国研究院の目に留まったためという。チョンさんは、館山市で戦跡や史跡を保存し、観光資源や平和教育に生かす活動をしているNPO安房文化遺産フォーラム(愛沢伸雄代表)に注目して、民間主導の生涯学習まちづくり「館山まるごと博物館」運動を論文に取り上げた。

大巌院には豊臣秀吉の朝鮮出兵で捕虜になった朝鮮人の供養塔「四面石塔」(県有形文化財)があり、「南無阿弥陀仏」とハングルで刻まれている。小谷家は青木繁が投宿した家で、「海の幸」は布良崎神社の神輿からインスピレーションを得て描かれたとの説もある。

視察を終え、同研究院国際交流センター長のイ・ドンホンさんは「四面石塔の平和を求める思いに感動した。広い交流が大切だ。館山の祭り文化は地元住民の手作りで個性的、印象的だ」と視察成果を語った。

【朝日】131128*「海の幸」誕生の家が保存されるの

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チーバくんのQ〜記者に聞く

「海の幸」誕生の家が保存されるの

公開へ寄付募り解体・復元

1904(明治37)年のひと夏、青年画家が館山市布良(めら)の漁村に逗留(とうりゅう)し、意欲的な作品を残した。それが青木繁の「海の幸」で、洋画初の重要文化財に指定されたんだ。制作現場になった小谷家住宅は今も残り、保存・公開事業がいよいよ来春にも動き出すよ。

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Q 「海の幸」ってどんな絵

「裸の男たちがサメを担いで更新している油絵さ。青木は福岡県久留米市生まれ。この年7月に当時の東京美術学校を卒業したばかり。同年代の絵描き仲間3人と布良に写生に来た。宿に泊まっていたが、お金が続かず、小谷家に移ったらしいよ」

「仲間の坂本繁二郎は、豊漁の水揚げを見た。それを青木に伝えるや、大騒ぎで制作に取りかかったと証言している。近くの布良崎神社や安房神社の祭礼で神輿(みこし)を担ぐ姿から構図の着想を得たという説もある」

Q 絵の魅力はどこにあるの

「『高校時代に出合い、ガーンと心を揺さぶられた』と女子美術大教授の吉武研司さんは言う。構図は独創的で強烈。塗り残しがあったり、輪郭の線が走っていたりする。完成度の低さに不思議な魅力があるらしい」

「この家を保存しようと、吉武さんたち画家が中心となってNPO法人を結成し、寄付を募ってき た。画家が会派を超えて賛同するのは、『海の幸』の強烈な印象に、絵一筋の青木の短い生涯も重なっているんだ」

Q 小谷家住宅の文化財としての価値はどこにあるの

「明治9年か22年の大火の後に建てられた木造平屋で、寄棟造り。台所を母屋から離し、分棟型民家と呼ばれている。カヤぶき屋根の時代に瓦ぶき。台所側の母屋の壁は、はげ落ちたけれど、瓦をしっくいで貼り付けた海鼠(なまこ)壁で火災対策なんだ」

「武家屋敷の特徴の床と付書院(張り出した板張り)が奥座敷にある。一方、細かく仕切った間取りは今日の住宅に近い。館山市文化財審議会の日塔(にっとう)和彦委員は『江戸時代と現代をつなぐ明治中期の貴重な漁家』と位置づけている。海鼠壁などを修復し、建築当初の姿をよみがえらせて公開する計画だよ」

Q 転がり込んだ若者4人を面倒みるなんて余裕あるな

「小谷家は江戸時代から続く漁業家で、船主として指導的な役割を果たしていた、当時の布良はマグロ延縄(はえなわ)漁が盛んで、海難事故も多かったけど、繁栄していた。現在の寒村からは信じられないかな。そんな小谷家だから、受けいれたんだ」

「布良の隆盛は、小谷家で昨夏見つかった『諸漁業税帳』からも読み取れる。1890(明治23)年度のマグロ延縄船は76隻で、納税額64円60銭。銀座のすし屋は布良のマグロあってこそ、なんて言われた。でも今は過疎が進み、地元の富崎小は昨春に統合された」

Q 地域おこしも狙いなの

「活性化を探る中で、『海の幸』に行き着いたともいえる。『保存する会』の島田博信さんだって5年前に会長を引き受けるまで、重要な絵が描かれた事実をよく知らなかった。でも今は、『立派なものが浮かび上がった。みんなで盛り上げて誇りを取り戻そう』と積極的さ。

「小谷家と『保存する会』を『NPO法人安房文化遺産フォーラム』が支えている。対象が私邸でも、『まちづくりの考え方が伴わないと、地域の力は引き出せない』と愛沢伸雄代表は言っている。有形文化財に指定した館山市も、寄付をしやすいふるさと納税の対象にして側面支援をしている」

「集まったお金は目標3600万円にあと一歩。小谷家当主の福哲(ふくあき)さんは来春着工させたいと考えている。まず先代当主夫婦が移る居室を庭に整え、次に母屋を解体・復元する。2016年春の公開をめざしているんだ」


小谷家住宅をめぐる動き

1904年 青木繁が「海の幸」を描く

1911年 青木が28歳で病没

1967年 「海の幸」が洋画初の重要文化財に指定

2005年 小谷家当主が「後世に残したい」

2008年 布良に「青木繁『海の幸』誕生の家と記念碑を保存する会」発足

2009年 館山市が有形文化財に指定

2010年 NPO「青木繁『海の幸』会」発足

2012年 市が住宅保存をふるさと納税の対象に


▽館山支局・田中洋一記者

(2013年11月28日 朝日新聞)