八犬伝のふるさと・里見のまち館山

上野国(群馬県)を発祥とする房総里見氏は、伯耆国(鳥取県)に移封されるまで、170年間にわたって安房国(房総半島南部)を統治しました。200年後、曲亭馬琴が28年かけて書き上げた長編小説『南総里見八犬伝』は、江戸期から現代に至るまで日本中の人びとを魅了しています。

実在した里見氏は城を転々とし、狭い半島先端部に今なお多くの城跡群がコンパクトに残っており、里山のウォーキングコースとして人気が高まっています。

なかでも『八犬伝』の舞台である稲村城跡は、里見氏の歴史では天文の内乱がおきた地であり、戦国期の遺構にふれることができる文化遺産です。1996年に市道建設が計画され破壊寸前となったところを、17年にわたる市民の保存運動の末、2012年に国指定史跡となりました。

2008~09年には、館山城跡を舞台に「八犬伝ワールド〜戦国こすぷれ大会」を開催し、全国の武将コスプレーヤーが参集しました。

下位セクション

房総里見氏の歴史
里見氏は、上野国榛名にある里見郷という地で新田一族のひとりが里見姓を名乗ったこと […]