【房日】231122_旧安房南高木造校舎の一般公開に760人
木造建築の伝統美に感銘
旧安房南高木造校舎の一般公開に760人
県指定有形文化財の旧県立安房南高校木造校舎(館山市北条)で19日、一般公開が行われた。地域内外から760人の来場があり、木造の建築美や同校の歴史に触れ、見学を楽しんだ。
郷土の文化財の理解を深めるとともに、文化財を活用したイベントとして県教委と安房高校が毎年実施している。NPO法人安房文化遺産フォーラムが企画運営し、安房高等女学校木造校舎を愛する会が協力した。
同木造校舎は、関東大震災の教訓をもとに、耐震構造建築として、古い日本の木造建築と当時の新しい西洋建築の要素を融合させ、昭和5年に建築。
昭和初期の県の学校建築の姿を今に伝える建物として、平成7年に県の有形文化財(建造物)に指定された。また、数多くの映画やドラマのロケ地としても使用されている。
教室ごとに展示が設けられ、明治から昭和後期の生徒の活動の様子を捉えた写真や、各授業で使用されていた教材、歴代の制服や体操服など、多種多様な展示物が並んだ。
卒業生やその家族、建築関係者、ドラマのファンなど多くの人が足を運び、展示物や建築様式に目を向け、懐かしんだり感心したりする様子が見られた。
在学中に使っていたという家庭科のノートを持参した、昭和30年の卒業生、杉田敏子さん(87)=埼玉県=は、「毎年楽しみに来ている。この古い机に向かって勉強していたのですね。多くの人に、どのように学んでいたかを知ってもらえればと思いノートを持ってきました。寄付するつもりです」と話していた。